働き方改革が施行されたことにより、会社の体制や制度が変わったなんて人も多いと思います。企業も個人も今まで以上にビジネスマンのキャリア展望に目が向けられている中、マーキャリ会員によるキャリアチェンジに伴った体験談をシリーズものとして連載していくのが本企画です。
今まさに自身の今後のビジネスライフに向けて働き方を変える動きをしている方もまだキャリアプランが漠然としている方も参考になる内容になっておりますので是非ご覧ください。
今回の記事投稿者:井出波さん
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自己紹介
こんにちは、井出波と申します。
広告代理店の制作ディレクターとして7年ほど勤務していますが、
実は新卒での就職に失敗し、無職を経てまったくの異業種からの転職を経験しています。
今回は、私のキャリアチェンジについて、前職の経験がどのように生きているかを「考え方」も含めて紹介していきます。
内定取り消しにより大学卒業→無職に!
先ほど「就職に失敗」とお伝えしましたが、
ありがたいことに内定はいくつかいただいていました。
時間はかかったものの、最後に内装設計のデザイン事務所から内定をもらい、
自分が納得のいく就活を終えることができ、一安心!
これから卒業制作に力をいれ、最後の学生生活をエンジョイするぞ!
という矢先に起きたのが「リーマンショック」です。
テレビでは連日株価の大暴落、企業の倒産、内定取り消しのニュースが流れ、
「大変だな…」なんて思っていたら、私にも来たのです。
内定通知取り消しの連絡が。
その時、すでに卒業まで残り2か月をきっており、
奇しくも大学を卒業し、私は無職となったのです。
夢を諦め、地元企業に就職
大学を卒業してから半年ほどは夢を捨てきれず、
専攻していた建築やインテリア業界を志望し就活を続けていましたが、見事に全滅。
無職期間が長期化すると経歴や精神衛生上よくないと思い、夢を追うことは諦めました。
一度働いて、そこで対人スキルやPCスキルを磨き、
のちの転職に活かそうと考えたのです。
そこから地元の求人を漁り、自動車教習所の受付事務としてすぐに働くことになりました。
教習所での仕事内容
教習所の受付事務とは、何をしているか想像がつくでしょうか?
主に2つに分けられ、「受付業務」と「配車業務」です。
・受付業務(対社外)
入校手続き・問い合わせ対応・卒業までの教習予約、スケジュール管理・入金業務 など
・配車業務(対社内)
教師と生徒の教習組み合わせ、原簿の確認・受け渡し など
教師ごとに持っている免許や資格が違うため、組み合わせの間違いは許されません。
また、何も考えずに配車すると「今日一日で同じ内容の教習を2回もやった」
「寒いのにバイク教習ばかりで嫌になっちゃう」と教師から小言をもらったりします。笑
そのため、全員に均等に教習を割り振るよう調整したり、
イレギュラー対応が発生する場合は事前に教師に声をかけたりして
全員が気持ちよく教習に当たれるよう心掛けていました。
転職を考えるきっかけは「夢を諦めたくない」という想い
入社から3年ほどたったとき、
教習所内で集客用に新しくホームページをつくる動きがありました。
もともと文章を書くことやものをつくることが好きだったため迷わず立候補し、
制作、更新業務を担当しました。
入校案内やキャンペーン内容などの伝え方を工夫しているうちに、
「ホームページの案内がわかりやすくて来ました」と言ってくれる
生徒が増えたことがうれしく、
「やっぱり自分は何かをつくることが好きだ!」という気持ちと、
忘れかけていた夢に対する情熱が日に日に強くなっていき、改めて転職を決意しました。
広告代理店での仕事内容
何社かの面接を経て、広告代理店のディレクターとしてアルバイト入社を決めました。
広告代理店というと、素敵なコピーを考えるとか格好良いデザインをつくる仕事、
という風に考えがちですが、実際は少し違います。
ディレクターとは、カスタマー、クライアント、・協働する人々(営業・デザイナー・ライター・カメラマン)など立場や意見の異なるさまざまな人達の想いや
制作物のPV数や歩留まりデータから課題を見つけだし、最適な解決策を提示。
関係者が動きやすいように各所への調整やフォローを行いながら
目指すべき方向へと指揮をとる人です。
(その先にアウトプットであるコピーやデザインが生まれます)
クリエイティブな仕事ですが、一日中データとにらめっこをしたり、各所に頭を下げて調整業務を行ったりと地味で泥臭い一面もあります。
意外にも生きた、教習所時代のスキル
そして、その働き方は私が経験してきた教習所での業務に少し近いと思っています。
以下は教習所時代に身についた能力だと感じています。
・後々のリスク(クレーム)になりそうなものは先回りして対応する調整力
・協働者に快く仕事を引き受けていただくためのコミュニケーション力
・限られた期間や工数の中で最適なスケジュールを設計・管理する力 など
一見つながりがないようなキャリアでも、
見る角度を変えたり、視野を広げたりすると共通点があるものです。
広告代理店=ホームページ更新を担当していた経験の方が生きそうですが、
面接では上記の点をディレクター業務と紐づけてアピールできたことが、
採用につながったと考えています。
すべてが初めて!異業種からの転職で大変だったこと
一方で大変だったことは、山ほどあります。
例をあげると…
・横文字だらけの社内用語や広告用語がわからず、打ち合わせについていけない
・相手にわかりやすい企画書がつくれない
・プレゼン内で伝えたいことをうまく言葉にできない
・話の深堀ができず、取材で会話が盛り上がらない など
しかし、「未経験」というのはある種の武器だとも感じました。
経験があると「即戦力」というプレッシャーから
わからないことがあっても周りに聞きづらかったりするかもしれませんが、
私の場合は失うプライドもなかったため、
とにかく自分で調べる、人に聞く、メモする、実践することを心掛けました。
入社1年半で、アルバイトから契約社員に
早く一人前になれるよう、先輩の下につきながらがむしゃらに経験を積みました。
当時は働き方改革が叫ばれる前だったため、深夜まで残業もざらにありましたが、
教習所時代は残業なんて絶対いや!と文句を言っていたのに、
やりたいことをやっていると人って変わるんですね。
毎日がすごく楽しかったです。
幸いなことに些細な成長も認めてくれる素敵な先輩や上司に恵まれ、
アルバイトながら社内賞をもらったこともありました。
その意欲と成果が認められ、1年半ほどで契約社員に登用されました。
契約社員になってからは評価がミッション制となり、
より責任の大きな仕事にチャレンジすることができています。
異業種からの転職について、まとめ
異業種への転職は難しいと考えがちですが、
もし悩まれている方がいれば、一度以下の観点で整理してみてはいかがでしょうか?
・なぜ新しい仕事に挑戦したいのか
・現時点で自分が仕事でやってきたこと、できることの棚卸
・希望職種の仕事内容の本質を深堀する
・自分がやってきたことと希望職種の仕事内容の接点を探す
・「現職の○○の経験は貴社の△△業務に生かすことができる」というような
アピールポイントをつくる
その他、最初はアルバイト・契約社員・派遣社員などから入り、
ゆくゆくは正社員に…という上り方もあると思います。
その場合は、入社前に社員登用の可能性有無や登用率などを確認することをお勧めします。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
あなたの挑戦が、うまくいきますように。