インターネットの発達により従来のような足で稼ぐ営業から、より効率的な営業方法への転換が求められる現代において、BtoBマーケティングは欠かすことができない重要な役割を担っています。BtoBマーケティング業務を自動化、効率化するために必要となるのがマーケティングオートメーション(MA)と呼ばれるツールです。
この記事では、「マーケティングオートメーションの特徴」に焦点を当て、マーケティングオートメーションの重要性や、どういったことが自動化できるのかについて詳しく解説しています。マーケティングオートメーションという言葉は聞いたことがあってもどういったものか分からない方も多いはず。ぜひ参考にしてください。
マーケティングオートメーションの担当区分
マーケティングオートメーションは、その名の通り「マーケティング業務」を「自動化」してくれるものです。マーケティングとは「売れる仕組み作り」のことですが、仕組みを作るのには、ニーズを見つける市場調査、商品開発、広告・宣伝などさまざまな業務を経ることになります。しかし、マーケティングオートメーションは、これらを自動化してくれるものではありません。どの企業のマーケティングオートメーションツールを導入するかによっても、異なってきますが、マーケティングオートメーションが自動化・効率化してくれるのはデマンドジェネレーションと呼ばれる以下の3つのBtoBマーケティング活動です。見込み客の獲得:リードジェネレーション
将来の顧客になる可能性がある企業のことを見込み客といいます。見込み客は「リード」とも呼ばれます。リードを獲得し、まずは営業対象となる企業を集めることからBtoBマーケティングが始まります。見込み客を獲得する行動のことをリードジェネレーション(Lead Generation)といいます。見込み客の育成:リードナーチャリング
リードジェネレーションの次のステップがリードナーチャリング(Lead Nurturing)です。獲得した見込み客を育成する段階です。ここで言う育成とは「関係を強化し信頼関係を築く」ということ。見込み客が顧客へとなるためには時間がかかりますが、コミュニケーションが途絶えてしまえば相手は別企業へと流れてしまうため、継続して関係を保つことが重要になります。リードクオリフィケーション:見込み客の絞り込み
デマンドジェネレーションの最後のステップがリードクオリフィケーション(Lead Qualification)です。見込み客リストの中から、契約につながる可能性の高い見込み客に絞り込むことを指します。見込み客の絞り込みには、「スコアリング」を用いるのが基本です。つまりは、見込み客に点数をつけて、見込み度合いを客観視するという工程をとります見込み客の絞り込みが終わったら、そのリストは契約を取る営業に引き継がれます。マーケティングオートメーションで具体的にできること
BtoBマーケティングにおける3つのステップについて、マーケティングオートメーションを導入することで具体的にどんなことができるのかを主なものを紹介していきます。リストの作成
マーケティングオートメーションは、アナログな面ではなく、デジタル部分を自動化してくれるツールです。見込み客を獲得し、アプローチするためには、どんな人が自社サイトに訪問したかを知る必要があります。マーケティングオートメーションは、サイトへ訪問したユーザーの企業名や企業情報、担当者などを取得した上で、いつどのページを見たか、どの資料をダウンロードしたかなどを記録することができます。もちろん訪問しただけで、どの企業の誰がアクセスしたかなどは分かりませんので、問い合わせフォームや資料のダウンロード時に、担当者の名前や企業名などの入力を促す箇所を設けることは必須になります。 単純にリスト化できるというだけでなく、「1週間以内にキャンペーンページを見た」、「従業員数が500人以上」などと、条件による絞り込みも可能です。
見込み客が行った行動や、属性などでリストを抽出できるので、そのグループごとに適したアプローチがかけやすくなります。これは見込み客の獲得(リードジェネーション)の段階におけるBtoBマーケティングの効率化にあたります。
状況・見込み度合いに合わせたメール配信
マーケティングオートメーションが、見込み客の育成(リードナーチャリング)段階において効率化できる業務に、メール配信があります。マーケティング活動として、戦略的に企業にメールを送ることをメールマーケティングと言います。適切なタイミングで適切なメールを送ることで、見込み客の検討度合いを上げたり、信頼関係を築けたりなどのメリットがあるので、メールマーケティングはBtoBマーケティングにおいて非常に重要なものです。しかし、たくさんの見込み客に対して個別にメールを送ることは大きな労力です、かといって検討度合いなどが異なるすべての企業に同じメールを一斉送信しても効果はないでしょう。仮にステップメールといって、あらかじめ用意しておいたメールが順番に送られるようなスケジュール設定をしていたとしても、1つ前のステップメールを見ていないのに新しいメールが配信されたり、ユーザーのアクションがないまま、検討度合いが上がったユーザー向けの内容のものが配信されたりといった問題があります。
これらの問題の解決を狙う際に活躍するのがマーケティングオートメーションです。マーケティングオートメーションでは、ユーザーがメールを開封したか、どのページのどのURLをクリックしたかなどが分かりますので、ユーザーが行ったアクションに合わせて、適切なメールが配信できます。「このアクションをしたユーザーにはこのメールを送る」といった設定をしておけば、メールの配信までが自動で行えます。
マーケティングオートメーションを導入すれば、今までは営業部のなかの各担当者しか分からなかったようなことがしっかりと客観的に見える化できます。見込み度の高さも、「こういうアクションを起こしているから高い」といったデータになるのでリードの選別にも役立ちます。マーケティングの全てが自動化されるわけではなく、効果が上がるまでは一定の期間が必要となりますが、BtoB企業であるなら一度マーケティングオートメーションの導入について検討する価値は十分にあるでしょう。