BtoBマーケティングにおいて、見込み客の獲得手法の1つである「ホワイトペーパー」。ホワイトペーパーは、企業が運営するWebサイトから問い合わせや見込み客の情報を得るために欠かせないものです。この記事では「ホワイトペーパーとは何か」といった基本的なところから、効果を上げるためにどのような構成にするべきかについてまで詳しく解説しています。日本企業においてはあまり重視されていないことも多いですが、だからこそ差がつきやすいところでもあります。ぜひ参考にしてください。
ホワイトペーパーとは?
ホワイトペーパーはもともと政府が政治に関する情報を一般に知らせるために作成する「白書」を意味していますが、マーケティングの世界では、企業の製品やサービスの機能の解説、市場の分析結果を文書にまとめたもののことを言います。WebサイトでPDFデータをダウンロードできる形式にしていていることが多いです。見込み顧客が抱えている課題の解決に役立つ情報を盛りこむことで興味を惹くことができます。ホワイトペーパーが見込み客の獲得へとつながるのは、顧客情報の入力と引き換えになっているからです。ホワイトペーパーのダウンロード時などに顧客情報の入力を必須とすることで企業は見込み客の情報を得ることができるのです。いくらアクセス数が多いサイトを構築しようと、アクセスしてくれる企業の情報がなければアプローチはできません。ホワイトペーパーは、その足がかりとして重要な役割を担っています。
つまりホワイトペーパー作成においては、顧客情報の入力という手間を経てでもダウンロードしたい内容であることが最低条件となります。見栄えのよい表紙や見出しを作ろうとも、中身が伴っていなければいくら顧客情報が集まったところで意味はありません。まずは内容を充実させることがホワイトペーパー作成の前提となります。
ホワイトペーパーと営業資料・パンフレットとの違い
ホワイトペーパーと、営業担当がプレゼンで使用する営業資料やパンフレットには大きな違いがあります。目的の違い
ホワイトペーパーが、将来の顧客へとなる「見込み客の獲得」を目的としているのに対し、営業資料は、購入するかどうかといった検討段階の見込み客に対して用いられます。もちろん営業資料を使用する目的は「契約の獲得」です。ホワイトペーパーと営業資料では、使用する段階が異なるということです。内容の違い
使用する段階が異なるなら、当然盛り込んである情報も異なります。営業資料ではサービスの概要や機能、導入費用などが記載されているのに対し、ホワイトペーパーでは、業界全体の情報などの顧客が知りたい情報・興味をひく情報が中心に記載されています。顧客側の視点で、顧客の課題解決のための情報を盛り込んでいくこが重要です。ホワイトペーパーの種類
見込み客を獲得するためのホワイトペーパーの内容にはいくつかのパターンがありますので、主なものを紹介していきます。事例紹介
サービスを導入するときに担当者が知りたいのが「他社の事例」です。どこが導入したかではなく、導入の結果何が解決できたかを知りたいので、導入実績ではなく導入する前と後で何が変わったかに焦点をあてて記載するとよいでしょう。事例に関してはある程度をWebページで誰もが見られる状況にし、全文を見る場合にはホワイトページのダウンロードが必要なものにするなど、見込み客の情報を得やすいようにする工夫もできます。用語集
システムやサービスを導入する側は、基本的には別の業界の企業です。そのため、用語集のホワイトペーパーはあまりその分野に詳しくないが、情報を得たいと考えている人にアプローチするのに向いています。また、自社のサービスや業界に関わる用語の説明なので、比較的作りやすいというメリットもあります。作成の際に注意すべきは「専門用語をなるべく使わない」こと。用語が分からなくて用語集を開いているのに、説明の文章が用語だらけであれば有効なホワイトペーパーにはなりません。業界内では当たり前の基本的な用語であっても、そこを離れれば前提知識ではないことがよくあります。
使い方ガイド
自社が展開している製品・サービスに関係した使い方ガイドや入門ガイドをホワイトペーパーとすることも効果があります。すでに導入している企業も、活用しきれていない場合にダウンロードしてくれることもあるので、フォローの意味でも有効です。用語集よりも少し興味の度合いが高い場合の人にダウンロードされやすいです。こちらも自社が持っている技術やノウハウを説明するものなので、作成しやすいでしょう。この他にも展示会のレポートや、独自に行った調査のレポート、製品紹介などさまざまなホワイトペーパーのパターンがあります。
ホワイトペーパーの書き方テクニック
ホワイトペーパーを作成する意義は、見込み客の獲得です。見込み客が将来の顧客へとなるように、内容を充実させることが重要です。ここからは、ホワイトペーパーをより魅力的なものにするためのテクニックについてご紹介します。最も重要なのはあくまで内容、テクニックはそれを上手く伝えるための手法と考えてください。ターゲット層を明確にする
どんな人にホワイトペーパーを読んでほしいかをまずは明確にしましょう。業界だけではなくどんな年代、どんな役職、職種の人なのかを明確にすることで該当する人は自分のこととして捉えてくれます。たとえば「30代のマーケティング担当者必見!」などと書いてあれば、ちょっと気になりますよね。ターゲットに関してはタイトルにも盛り込むことができます。求めるアクションを記載する
ホワイトペーパーの役割が見込み客の獲得であるならば、単なるお役立ち情報で終わってしまってはもったいないです。ホワイトページを読んでもらって認知をしてくれた人に対して、次はどのようなアクションを取ってほしいのかを考えましょう。それは商品の詳しい情報が載ったデモページや、メルマガへのリンクかもしれません。ホワイトペーパーの内容によって適切な次へのアクションへの道しるべを記載しましょう。ホワイトペーパーは、一度作れば終わりというものではありません。更新や追記を繰りかえすといったPDCAを回していくことでより読者にとって有益なものとしていくことが重要です。