「スタートアップ企業」という言葉を近年よく耳にするようになってきました。世の中にイノベーションを起こすために力を尽くしているようなイメージがあるため、転職を考えた際の選択肢に入れようと思っている方も多いのではないでしょうか。この記事ではスタートアップ企業とは何か、転職する上でのメリットやデメリットについて詳しく解説しています。転職を考えているならきっと参考になる内容になっていますよ。ぜひ最後までご覧ください。
スタートアップ企業とは?
スタートアップ企業には明確な定義はありませんが、特徴としては起業したばかりの会社であることが挙げられます。社長を中心とした、少数精鋭の創業メンバーでオフィスを運営していることが多いです。高いコストをかけずに運営ができるIT業界で、特に活発にスタートアップ企業が生まれています。新卒やインターンの人材採用は行わず、求人を行ったとしても転職市場からの即戦力のみというのが通常です。しかし、新しい会社であればすべてスタートアップ企業になるわけではありません。まだ世に出ていない新しいビジネスモデルを展開し急成長を狙うのがスタートアップ企業です。既にある会社の子会社やグループ会社が新しく設立されたとしても、スタートアップ企業とは呼ばないのが通常です。
転職におけるベンチャー企業との違い
スタートアップ企業と似た意味の言葉に「ベンチャー企業」があります。ベンチャー企業についても明確な定義はありませんが、あえてスタートアップ企業と呼ぶ場合は、ビジネスのタイプが新しいものであることが多いです。たとえば、広告代理店で経験を積んだ人が独立して自分の広告代理店を設立したとします。広告代理店はもちろん既存のビジネスで、新しいものではありません。この場合はスタートアップ企業とは呼ばず、ベンチャー企業と呼ぶことになります。もちろん、どちらも明確な定義はない以上、ベンチャー企業であってもスタートアップ企業として転職サイトに掲載されていたり、「スタートアップメンバー募集」といった文言があったりするので注意が必要です。
スタートアップ企業に転職するメリット
それでは、スタートアップ企業に転職する上で、大手にはないメリットにはどういったものがあるのか確認していきましょう。会社のスピード感のある成長が現場で体験できる
スタートアップ企業に転職する醍醐味はなんといっても、爆発的なスピードで会社が成長していくことを肌で感じられる可能性があることでしょう。もちろんすべてのスタートアップ企業が成功をおさめるわけではありませんが、スピード感のある成長は、スタートアップ企業でしか感じることができません。企業としての迅速な成長が求められるということは、社内での意志決定までのスピードが速いことと同じです。基本的に少数精鋭で運営されるスタートアップ企業では、経営者との距離も近いです。企業のトップと間近で仕事をすることで吸収できるものは多いはず。ビジネスマンとしての自身の成長もスピードのあるものになるでしょう。
自分が起業する際の大きな経験になる
スタートアップ企業では、たとえ成功をしたとしても創業メンバーがそのまま残ることは珍しく、多くは株式上場した際や、企業価値を大きく伸ばした段階で事業売却をすることがほとんどです。つまり、1つのビジネスが成功してもそこにとどまらず、次のビジネスを始める気概を持ったメンバーが多いです。スタートアップ企業を大きく成長させて、安定しようと考えるのではなく将来的には自分でも起業したいと考えている方には、スタートアップ企業に転職することは大きなメリットになるでしょう。年収・給与アップの可能性がある
スタートアップ企業は、大手ほど潤沢な資金はありません。そのため基本給は低いことがほとんどです。しかし、企業の成長の具合によっては大きく上がることもあり得ますし、目標の達成具合によってインセンティブが設定されていることも多いです。ベンチャー企業同様に、スタートアップ企業も実力主義の世界。自身の腕で、収入を上げていく気概が必要です。スタートアップ企業で働くデメリット
スタートアップ企業は、自己成長を強く求める人にはよい環境ですが、メリットばかりでもありません。転職する前にはあらかじめデメリットと呼ばれるものも確認しておきましょう。企業として安定するかが未知数
スタートアップ企業は、爆発的な成長が見込めることがある一方で、会社としては安定性に欠ける部分があります。たとえば福利厚生もその1つです。社宅はもちろんのこと、住宅手当もないのが通常ですし、賞与(ボーナス)も大手に比べれば安定して支給されるわけではありません。また、忘れることができないのは廃業・倒産といった失敗のリスクです。スタートアップ企業は、大きなイノベーションを起こせずに、消えていくものがほとんどです。仕事や収入面での安定を目指すなら、スタートアップ企業は、選択肢に入れない方がよいでしょう。仕事量が多く、仕事とプライベートの切り替えが難しい
スタートアップ企業は創業者と少数の従業員で運営されています。大手では部署ごとにしっかりと役割分担がされていますが、スタートアップ企業では、前職以上に幅広い業務を担当しなければならないことも多いです。業務を行う上でのツールやテンプレートも整っておらず、自分で1から作り上げる必要があることも少なくありません。そのため、他の仕事に追われて、自分が思っていたような仕事に集中できないといったこともあるでしょう。教育体制も整っていないので、職種未経験からの転職であれば、かなりの努力が必要になります。
スタートアップ企業は、確かに、大きなイノベーションを起こすことに向かうという点では、やりがいのある仕事と言えます。しかし、転職した場合に後悔することの大きな理由には「イメージと違った」というものが必ず挙げられます。魅力的に見える情報だけでなく、デメリットもしっかりと認識した上で転職に臨むことが重要だと言えるでしょう。