この記事は「マーケティング戦略にはどんな種類がある? 主な分析フレームワークを紹介」の後編になります。
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マーケティング戦略の種類
ここからは主要なマーケティング手法について確認していきましょう。テレビやWebで広告を出すこともマーケティング活動の一部ではありますが、マーケティング手法と言えば、マーケティングの中で最重要とも言える市場分析の方法のことを指します。 情報を客観的に分析するためにどのような方法があるのかを知ることで、マーケティングについての理解を深めましょう。PEST分析
PEST分析は、経営戦略を組むためのマーケティングで利用される分析手法です。 自社に関連のある外部環境が今後どのような影響を及ぼす可能性があるかを予測するための手法になります。PESTの意味は、下記の言葉の頭文字を取って並べたものです。P=Politics(政治)、E=Economy(経済) 、S=Society(社会) 、T=Technology(技術)、このPEST分析を行うことで、政治・経済・社会・技術と4つの側面から外部環境の変化を分析し、自社がどのような方針でビジネスを進めていくべきかを決定しやすくなります。
また、日常業務においても膨大なニュースや情報を漏れなく選別でき、適切なマーケティング戦略を立てることにつながります。マーケティング手法のなかでは、リスクを防ぐための分析と言えます。
3C分析
3C分析は事業の方向性を考える上で、自社だけではなく競合や市場を分析するときに役立つ手法です。競合との差別化や自社サービスの強みを把握することは事業戦略を考える上で重要になります。3Cは以下の3つのCから始まる単語のことです。市場・顧客=Customer 競合=Competitor 自社=Company自社や競合他社が市場においてどのような立ち位置にいるかを把握し、差別化や強みの把握につなげるヒントとします。
バリューチェーン分析
バリューチェーンとは、直訳すると「価値連鎖」という意味です。自社の商品やサービスの原料の調達から、顧客に提供するまでの過程を細分化して、それぞれの過程における強みや弱みを把握するためのマーケティング手法です。自社製品を生み出す過程のどの部分で競合より勝っている、あるいは劣っているかを明確にすることで、経営戦略を策定する資料になります。
まずは、価値を生むことに対して直接的に貢献している要素を、「購買物流」「製造」「出荷物流」「販売・マーケティング」「サービス」の5つの要素に分解します。そしてその価値を間接的に支援している要素として「全般管理」「人事・労務管理」「技術開発」「調達活動」の4つに細分化し、合計9つの段階ごとに対して分析を行うものです。
5フォース分析
フォースとは「脅威」という意味です。5フォース分析とは、自社を取り巻く業界の競争環境と要因を分析することで、収益性を測る手法です。競争環境が生まれる要因を、5つに分類して分析を行います。収益構造と明確化させるための手段です。「既存の競合他社による脅威」「新規参入企業による脅威 」「売り手の交渉力による脅威」「買い手の交渉力による脅威」「代替製品・サービスの登場による脅威」これら5つの脅威を分析・検証することで、自社が競争に勝つための経営戦略が浮かんできます。
SWOT分析
自社の強み・弱みと市場の機会・脅威を洗い出すことで、経営戦略に役立ていくもので、分析手法としては基本的なものです。SWOTは以下の4つの単語の頭文字からきています。S= Strength=強み、W= Weakness弱み、O= Weakness市場の機会(顧客)、T= Threat=脅威、SWOT分析を行うときは非常に広範囲にわたる分析となるため、目的を明確にしてから行うことが重要となります。攻めの戦略を立てるのか、守りの戦略を立てるのかによって分析・調査すべき内容は大きく異なります。 マーケティング手法にはさまざまな種類があります。
今回は主要なものをピックアップしてご紹介しましたが、必ずしもすべての手法を実行する必要はありません。自社にとって必要な分析は何かを見極め、企画立案へとすすむことが成功をするための重要なステップです。