この記事は「マーケティング戦略の立て方の基本!まずはここからおさえよう」の後編になります。
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どんな価値を:ベネフィット
マーケティングの世界における有名な格言に「ドリルを購入する人が欲しいのは穴である」というものがあります。企業側からすると商品そのものに目がいってしまいがちですが、購入する消費者が求めているのは、商品を購入することによって得られる価値や感情なのです。 企業側が商品に対して想定する価値と、顧客側が感じる価値にずれがあれば、ニーズに応えられていないことになり、マーケティングとして失敗と言えます。
セグメンテーション、ターゲティングに加えのちほど説明する「ポジショニング」の頭文字をとって「STP」と呼ぶことがありますので覚えておいてください。
どのように提供するか
これは顧客に価値を届ける方法をどうするかということです。どのように売るかと捉えてもよいでしょう。せっかく買いたいと思ってもらえても買いづらい環境にあれば購入にはつながりません。店舗を構えて小売をする、カタログを発送する、営業担当が訪問販売をする、商品の購入サイトを作るといったものだけでなく、購入サイトの見やすさや使いやすさ、また商品の決済方法などを整え、購入にあたって顧客に面倒だと思われないように工夫することを指します。誰に・どんな価値を・どのように提供するかを踏まえてのポジショニング
顧客目線でマーケティング立案する上で重要な3項目と並んで語られるのがポジショニングです。企業が商品を作り、販売するためにいろいろな策を考えるのは会社の利益のため。しかし企業が事業経営を行い利益を上げるのは最終目的ではありません。 たとえば食品会社であれば「安心安全な食べ物を家庭に届ける」といったようなビジョンがあります。自社が目指すビジョンの達成をないがしろにしてマーケティングを行い、結果として利益が上がったとしてもそれがビジョンの達成から遠ざかるようなものであっては意味がありません。ポジショニングとは、「企業や商品に対してどのようなイメージを抱いてもらいたいか」を設計すること。企業に対するイメージとは、最終的には消費者が抱くものですので不確定なものではありますが、企業側の働きかけによる部分も大きいです。たとえば高級なブランドイメージを抱いてもらうと定義するのであれば頻繁にセールや値引きを行わないようにするといったように、コントロールできる部分もあります。
セグメンテーションを行い、ターゲティングをする際に、自社の目指す立ち位置を明確にすることで企業にとっても顧客に対しても有意義なマーケティングにつなげることができます。今後ますます重要となるマーケティング。まずは基本の考え方から身に付けていきましょう。