この記事は「PMF(プロダクト・マーケット・フィット)とは? 調査の仕方や達成へのステップについて解説」の後編になります。
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PMFの最大の目的とは
話をPMFに戻しましょう。PSFが達成できたということは「課題に対する最善の解決策が提供できる状態」に至ったということです。
すごくシンプルに言えば、部屋を簡単に掃除したいという課題に対して、掃除機が開発できたといったところでしょうか。PMFの前段階がPSFだというのは、PMFの最大の目的が「最適な解決方法を受け入れてくれる最適な市場を見つけること」だからです。いくら良いものであっても、最適な市場が見つからなければ商品の販売にはつながりません。
掃除機の例で言えば、家庭のゴミを掃除するのには向いているが、屋外での使用だとすぐにフィルターが目詰まりする、小石などを吸い込むと機械が壊れるというものであれば、ホームセンターに置いても売れませんよね。家庭を掃除する機械なら、家電量販店などに置く必要があるわけです。少し極端な例かもしれませんが、素晴らしい商品であっても市場選びを間違えれば台無しは常に頭に入れておく必要があります。
PMFの重要性を意識しよう
ここからは、スタートアップの世界で広く認知されている、PMFの注意点について紹介し、解説していきます。
プロダクトより、どのマーケットで戦うかが重要
PMFはプロダクトとマーケットの方向性が一致することで初めて達成できます。商品を開発するときには「いかに良いものを作るか」「いかに便利なサービスを作るか」に気を取られがちですが、それ以上に「正しい市場」で勝負をすることが重要です。
ローンチよりもPMFを発見することが重要
新しい商品やサービスを世に出すことに気を取られると、PMFをすでに達成していると錯覚してしまうことも多いです。するといかに売るかにばかり注力してしまい、自身が間違った市場で勝負していることに気付くことができません。プロダクトを受け入れてくれる市場を見つけ、自身のプロダクトを市場が欲しがるものになっているかの確認が必須です。
顧客が口コミしたくなるプロダクトになっているか
自社の製品やサービスがPMFの状態にあるかどうかは、数値ではかりづらいものがあります。しかし役に立つ指標の1つが口コミです。自身がセールスをかけて売り上げてばかりであるなら口コミが発生していないということ。市場では求められていないものであるのかもしれません。
PMFに終わりはない
PMFは一度達成できたからと言って未来永劫変わらないといったものではありません。市場は常に動いていますし、他社もPMFの向上・維持のために常に活動をしています。特に進化が激しい業界では競争も激しいことは忘れないようにしましょう。