企業のスタートアップ段階において、特に重要とされる「PMF(プロダクト・マーケット・フィット)」。言葉の通り「自社の製品やサービスが市場に適合している状態」を指す言葉です。スタートアップ段階では商品の良し悪し以上に求められる状態であると言っても過言ではありません。
この記事ではPMF(プロダクト・マーケット・フィット)とは、具体的にどういった状況であるのかといったことから、その判断方法や達成するためのステップについて詳しく紹介していきます。 企業のスタートアップに限らず、新たな商品の開発や、新事業を展開する際にも重要な考え方となります。ぜひ参考にしてください。
PMF(プロダクト・マーケット・フィット)とは状態を指す言葉
PMFは商品開発のための手法やフレームワークではなく、状態を指す言葉です。そのため、PMFはすべての企業が目標とするものであると言えるでしょう。Netscapeの創始者、そしてFacebookやeBayのボードメンバーとしても知られるマーク・アンドリーセン氏が提唱した、スタートアップに関する格言です。
スタートアップに関する言葉として扱われるものですが、企業にはすべて商品やサービスといったプロダクトがあります。プロダクトを持ち、新たなユーザー獲得を新たな市場で獲得したいといった場合には常に意識されるべきものです。
PMFの前段階 PSF(プロブレム・ソリューション・フィット)
プロダクトに対して顧客も十分にいて市場にも受け入れられている状態であるPMFの前段階に、プロブレム・ソリューション・フィット(PSF)があります。 PMFについて理解する前に、PSFについて確認することでPMFを深く理解することができます。 PSFの段階では「解決に値する課題とその課題の最適な解決方法を見つけること」が最大の目的です。基本的に製品やサービスを開発するのは、課題を解決するためだったり、ニーズに応えるためであったりします。課題を解決するための答えは、実は一通りしかないとは限りません。ここで重要なのは、「課題の解決に対する最適な方法」を見つけることです。最適な方法であれば他社に真似されることもありませんし、何より課題を感じている方は、最も適したその方法を選ぶようになりますよね。 PSFのステップとしては「課題の発見」「解決策の検証」「コミットの検証」「購買意思の検証」の4つで構成されています。
まず、「課題の発見」の段階では、そもそも企業が解決したいと考えている課題が、一般層も課題と考えているのかについての検証をします。「実はニーズがなかった」とならないための重要なステップです。 次の「解決策の検証」の段階では「企業が提供しようとする解決策は、必要とされているか」の検証を行います。絶対に解決したいという強烈なニーズについて、企業が提供する方法で解決したいとなるかどうかが重要です。ニーズが弱いと「解決しようと思わない」「そもそも困っていない」ものについて解決することになるので、市場に必要がありません。
そして「コミットの検証」。これは「解決策を開発するプロセスに協力してくれるか」ということです。いつでもアンケートやモニターはもちろんのこと、実際に開発側に立つメンバーを探すときにも有効な手法です。
最後に「購買意思の検証」。市場に出たらお金を払ってでも購入してくれるかについて検証する段階です。いくらまでならお金を出せるか、サービスや商品のどの点について購入意思があるかを確認することで、ビジネスとして成り立つか、必要最低限の機能は何かといったことが明確になります。
これら4つのステップを踏むことで、課題に対する最善の解決策が提供できるのです。