会社の情報を発信する対外向けの部署である広報。しかし専任の人員を置いている企業の多くは事業規模の大きい大企業です。しかし、広報は立ち上げたばかりのスタートアップ企業にとっても非常に重要な役割を果たしてくれます。 この記事ではスタートアップ企業に広報を置くメリットと、実際にどのように活動していくべきかを詳しく解説しています。スタートアップ企業で広報に抜擢されたものの、前例がなく誰にも教わることができないといった方に特に参考になる内容になっています。ぜひ最後までご覧ください。
広報の仕事を理解しよう
まずは、広報の仕事内容について確認していきましょう。広報には大きく分けて社内広報と社外広報がありますが、社内広報とは社内向けの社内報などを作成するのが主な仕事です。基本的には大きな規模の会社のコミュニケーションツールとなるものなので、スタートアップしたばかりの企業で社内広報がいることはまずないでしょう。
そして社外広報は大きく分けて「PR」と「IR」と呼ばれる2つの仕事があります。 単純に宣伝という意味で使われることが多い「PR」は、Public Relations(パブリック・リレーションズ)の略称です。Publicという言葉の意味の通り、社外に広く情報を発信するという仕事になります。記者会見のセッティングやHPにニュースリリースを載せるというのはPRにあたります。
「IR」とはInvestor Relations(インベスター・リレーションズ)の略称です。これは投資家向けに情報発信をするということです。特に上場企業などであれば公式HP内に「IR情報」などといった項目があるのも見たことはありませんか?企業は現在既に株式を買ってくれている人はもちろん、新たに投資してくれる人を常に求めています。 具体的には営業利益などを数値化して発表するのが「IR」となります。これについては、財務部や経理部などが担当することも多いです。 IRに関してもスタートアップしたての企業が設ける必要性は薄いです。この記事では社外広報のなかでもPRの役割を担う広報職について詳しくみていきます。
スタートアップ企業に広報が必要な理由
スタートアップ企業は、事業規模が小さければ収益も小さく、どうやって利益を上げていこうかといった点に力を入れるのが通常です。そのため、大きな企業ではなくメディアからの取材対応などがあるわけでもないスタートアップ企業が広報を置くという話には少し違和感があるかもしれません。しかし、そんな状況にあるからこそ広報の力が必要となるのです。スタートアップしたての企業にはもちろん知名度はありません。あるのは自社の製品やサービスに対する思いや自信だけといっても過言ではないでしょう。大手はもちろんのこと、さまざまな同業他社との差別化を図るためにも広報が必要なのです。安ければ、質がよければ売れるという時代でもないため、商品を売るためには徹底的な差別化が必要です。
スタートアップ企業が大手と勝負する上で負けていない強みは「ストーリー」にあります。 広報は会社の顔として情報を発信するのが仕事。他社との差別化を図るために専任のストーリーテラーを設けるのは必須と言ってもよいのではないでしょうか。ストーリーがウケれば商品が売れ、知名度が上がるだけでなく採用活動にもプラスに働きます。インターネットが発達した現代は、オウンドメディア(自社が運営するサイト)を使えば、広告のようにコストをかけなくても発信ができる時代です。