アポイント取得は契約の数に直結する、営業マンにとって非常に重要な営業活動のひとつです。コンスタントにアポイント取得ができない人では、何百件、何千件リストを持っていても、目標数字をクリアしていくことは難しいでしょう。この記事では、電話によるアポイント取得の準備や心構えについて、ご紹介します。
なぜ電話でアポイント取得をする?
「営業活動の効率化」が大きな理由です。飛び込みで片っ端から企業や個人宅に訪問し、話を聞いてもらう機会を伺うのもひとつの営業手法です。しかし、企業や個人宅を周るには移動時間とお金がかかる上、訪問した時に担当者(キーマン)が対応可能かどうかわかりません。一方、電話ではどうでしょうか?同じ話をするにしても、「移動」が無いので、より多くのリストにアプローチが可能です。さらに、午前中不在であれば、午後改めて電話をするということも容易に調整ができます。
また、そもそもアポイントを取得する目的は、「自社商品やサービスに興味がある企業の選別」です。全然興味を示さない、縁の無い相手にあたり続けるよりも、少しでも興味を示す相手を優先に営業した方が効率的であることは言うまでもありません。
電話でアポイントを取る準備
まず、ポイントを箇条書きでご紹介します。・話したい事、聞きたい事を整理する
・どのような流れでアポイント取得に持って行くか、イメージを持つ
・他人のトークを聞く
・ロールプレイングで実践準備をする
・電話する顧客属性を合わせる
・翌日電話するリストを前日に決めておく
まず、会話の準備についてですが、アポイント取得の段階で、相手に合わせたトークをそれぞれ構成する必要はありません。「自社商品やサービスに興味があるか?」、「会って話を聞く気があるか?」が判断できれば十分。なので、トークスクリプトのようなものを準備して、同じテンポでどんどん進めていける状況を作れることが理想的です。
なにを聞くことで興味の有り無しを確認できるのか、どのように聞けば相手が答えやすいのか、どのようにアポイントの話につなげれば良いのか、といった部分に注目して構成すると良いでしょう。また、アポイント取得が上手な人のトークを聞いて参考にするのは鉄則です。すべて我流で一から考える必要は一切ありません。
自分なりのストーリーや言い回しが決まり、一旦ロールプレイングで試して微調整すれば、あとは実践あるのみです。
次に業務効率化の準備についてですが、電話をした数だけ当然アポイント取得率も上がります。当日になって、どこに電話しようかな。と決めるようでは時間がもったいなく、効率的ではありません。翌日の電話リストを整理しておくことが、1件でも多くアポイント取得をするための工夫です。
また、法人・個人、業種などバラバラの属性にあたるよりも、「今日は法人の製造業をあたる」と決めていた方が、効率が良いことがあります。例えば、アポイント取得が取れた電話の中で、「XXに課題を感じている」といった、なにかキーワードが拾えたとして、ほかの企業への電話の中で、「XXに課題を感じているということはありませんか?」と使いまわしてアポイント取得を伸ばす、黄金ルートが見える可能性があるからです。
電話でアポイントを取る心構え
電話の流れに沿って、ポイントをご紹介します。2.明るいトーンでしっかりと話す
3.事前に準備した話したい事、聞きたい事に沿って会話する
4.アポイント日程は自分から提示する
5.会って話すときは、何について話す(説明する)のかを具体的に伝える
まず意識するべきことは、「電話の時間」です。相手の属性にもよりますが、例えば主婦の方が対象であれば、子どもの見送りがある朝一や、夕食の準備がある夕方以降は避けるといった、想像力を働かせることが大切です。電話の時間ひとつで、相手の話を聞くモチベーションは大きく異なりますし、営業マンとして配慮がある人間かどうかを判断される材料にもなります。
「明るいトーンでしっかりと話す」というのも、非常に重要です。暗くて小さな声で話されたら、会話を続けたいとは思えません。友人と会話する時のような自分を意識して話しましょう。
次に実際の会話ですが、アドリブを利かせて雑談をしてから本題に入るような、小難しいことをする必要はありません。「事前に準備した話したい事、聞きたい事」を軸に会話を進めていけばOKです。この時、自分が話し過ぎないよう意識することがポイントです。
会話が進み、アポイント取得できそうと感じた場合、「普段何時くらいがお時間取りやすいですか?」といった質問で、少しずつ間合いを詰めて、「〇月X日の13時にごあいさつをかねて伺いたいのですが、30分~1時間程度お時間いただけませんか?」のように、具体的な日程を自ら誘導すると、相手はYES、NOで答えやすく親切です。この時、「ご都合が良い日をメールで知らせてください」のように終わってしまうのは危険です。よほど相手が興味を示していない限り、メールが来ることは期待できません。
最後に、訪問した際に具体的に何について話すのかを改めて伝えることで、共通認識を明確にする効果があります。人によっては、社内の別の担当者を同席させた方が良いといった判断もできるので、電話のまとめとして役立ちます。