未経験は営業職に転職しやすい
転職によって企業に入社する人は中途採用となり、新卒採用とは求められるものが大きく異なってきます。社会経験のない新卒であれば求められるのは「ポテンシャル」が主ですが、中途採用には「即戦力」を求めるのが一般的です。そのため業種・職種に限らず未経験の分野では求人を探すにも「未経験可」のものから探す必要がある分、転職は厳しくなります。しかし、営業職は他の職種に比べて未経験でも転職しやすい職種と言われています。その理由は各企業が販売する「モノ」や「サービス」の詳しい知識に関しては、入社後に身につけるものだからです。事前の知識が必要ない(というよりも知りようがない)ことが、未経験であっても転職しやすい理由となっています。さらには応募にあたっては事務職や技術職と異なり資格も必要でないことが多いです。
営業職にも種類がたくさん 応募前に知っておこう
営業職は「何かを売る仕事」であるわけですが、その販売方法や販売先は様々です。入社後に「こんなはずじゃなかった」とならないように、求人情報でよく出てくる言葉については応募前に知っておくとよいでしょう。仕事の流れや営業方法について簡単に整理していきます。営業職の仕事の流れ~アポ獲得からフォローまで~
・アポイント
問い合わせやこちらからのアプローチをもとにアポイントを取得します。1日にいくつアポがあるのかを共有してチームで動くスタイルの営業もあります。・商品説明・提案
顧客のもとへ訪問し、商品の説明をします。自社の製品を使えば何ができるのかということはもちろんですが、顧客がどのような課題を抱えているのかといったニーズを引き出す必要もあります。・購入後フォロー
システムなどであれば導入のフォローを行うこともあります。また1週間や1か月といった単位で商品の使い勝手や操作が分からないところはないかといったアフターフォローも営業が行うことがあります。・次の顧客へ
新規開拓をしていくタイプの営業ならアポ取りからフォローまでを同時に複数のクライアントに対して行います。営業スタイル
・新規開拓
常に新しい顧客を取り込んでいく営業方法です。これまで取引がない企業や個人にアプローチし、アポイントを得るところから始まります。アプローチ方法は電話やHPへの問い合わせに対するリアクションはもちろんのこと、リストに対して順番に電話をかけていく方法や、飛び込み営業なども含まれます。ゼロから顧客を獲得していくので達成感が大きい営業方法です。・ルート営業
既存の顧客に対して継続的な受注がもらえるようアプローチする営業方法です。顧客との長い信頼関係を築いていくことがポイントになりますので、商品を売る力よりはきちんと相手のニーズを引き出すことが求められます。営業職を目指す際の注意点
未経験で営業職を目指す場合、やはり重視するのは「給与」ではないでしょうか。自分の努力の結果が販売実績や達成率となって数値化される営業職は良くも悪くも実力の世界です。転職を決める前に営業の世界でやっていけるかどうかを再確認できるよう、注意点についてまとめてみました。営業職にはノルマがある
求人情報に「ノルマなし」とあっても完璧にノルマがないというわけではありません。「ノルマ」という言葉でなくても「目標」や「数字」という言葉で存在します。毎月の目標を達成できればボーナスにインセンティブとして反映される場合や、未達成が続けばボーナスがカットされるというパターンもあります。また、自身の実績が毎月の給与に反映される場合もあります。目標達成すれば手取り50万など大きな金額が稼げる企業でも、固定給が少なく達成できなければ10万円や15万円しかもらえないということもありえます。
営業職を続けていく以上「業績」という意味では、昇進を続けて営業部長などの管理職になったとしても数字から逃れることはできません。長い目で見て営業に関わっていけるかどうかは、転職前にしっかりと考えておきましょう。
離職率が高い
営業職の職場は体育会系であることが多いです。もちろん朝礼で元気に挨拶することなどは重要ですが、それが行き過ぎている場合もあります。獲得できなかったメンバーに対して強い口調で責めるような「詰める」といったことが行われているところも多いです。実力主義なのでどうしても「獲得してくるメンバーがエライ」と評価され、昇進していきます。そのため、自分より後に入社したメンバーの部下になることも十分にあり得ます。営業職には精神的強さが求められるということはある程度覚悟しておいた方がよいでしょう。
営業未経験におすすめの業界
募集が多い営業職ほど採用へ進みやすい傾にあります。具体的には人材業界やIT業界などがこれにあたります。人材業界は求人に関するサービスを扱うのでクライアントの業種に縛られることなくサービスの提案が可能ですし、扱うサービスが多くないので仕事を覚えやすいというメリットもありますIT業界はまだまだ新しい業種なので、潜在的に営業職が不足している状況にあります。さらにはこれからも発展をし続ける分野なので企業としても力を入れていく傾向にあるので転職しやすいと考えられています。
転職を考えるにあたっては採用されることがゴールではありません。特に営業職の場合は「結果を残し続ける」ということがなによりの評価基準となります。自分の力を試したい、新しいことにチャレンジしたいという気持ちだけでは、長く続けることは大変な職種です。
長い目で見て、「なぜ営業職を目指すのか」ということをしっかりと整理した上で応募することをおすすめします。