2019年1月に中途入社、当メディア・マーキャリチームに配属され、新人マーケターとして日々奮闘する25歳の冨沢を追った連載記事。
6大卒という学歴や元カーディーラーという肩書がありながら自己ブランディングを全くしていない為、キャリアを活かしきれていない彼が、<マーキャリチームメンバーと関わる中で自身の希少価値の見出し方を日々学び、成長していくドキュメンタリー>です。本人許可の元、プライベートも完全にさらけ出したリアルな内容はメディア記事としては大変珍しいのではないでしょうか。創業30年以上のBtoBマーケティング専門会社の一員として働きマーケティングノウハウを吸収する中で自己ブランディング能力を身につけていくことができるかが見どころです。
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第3回「冨沢の自己紹介」
自己紹介というのは格好のセルフブランディングチャンス。仮に100人の前で行うとしたら100人同時に自分のイメージを与えることが出来る。
先日、冨沢は大勢の前で自己紹介を行った。
しかし残念ながら、後から彼の印象を聞いたところ
多くの人が「余り記憶に残っていない」と言う。
冨沢自身は、初対面で「優しい人」と印象づけたかったようだ。
自分は優しい人だとイメージさせるとしたらどうやるのが正解か。
「私は優しいです」
自らの評価は説得力に欠ける。
「私は優しいとよく言われます」
他者の評価を言うことで多少優しいイメージを持たれるかもしれない。
「私の長所は怒らないことです」
これなら大分優しいイメージを持たれるのではないだろうか。
「私は涙もろいです。感動系の映画とかを見ると直ぐに泣いてしまいます」
間接的だが、これもおそらく優しい人と印象を持ってくれる人はいるだろう。
では優しいことをしたエピソードを語ってみたらどうか。
「今朝エスカレーターのない駅で、ホームへ上がるエレベーターに最後に乗り込もうとした両手荷物のおばあさん、
定員オーバーでブザーがなってしまったので私が代わりに降りて階段で上がったら、わざわざ上で待っててくれてお礼と一緒に大福まで下さいました。偶然同じ方向の電車だったので車内で色々お話してすっかり仲良くなりました」
一気にツイッターみたいになった。
優しいと思う人もいれば、あざといと捉える人もいるだろう。
第一に、良いことをしたエピソードは自分から人に話すことではない、それを仲良くなった話として「優しいと思われたい」目的をカモフラージュし自己紹介などの場で語るのは良いイメージを持たれない。
むしろ作り話と思う人すらいるかもしれない。
では、そこにユーモアを入れたらどうか。
「今朝エスカレーターのない駅で、ホームへ上がるエレベーターに最後に乗り込もうとした両手荷物のおばあさん、
定員オーバーでブザーがなってしまったので仕方なく私も降りておばあさんの荷物を持ってあげることに。一緒に階段を上がったらお礼と一緒に大福まで下さいました。偶然同じ方向の電車だったので車内で色々お話してすっかり仲良くなりました」
あなたに対して、優しいを超えた印象を持たれるだろう。
ユーモアと捉えるか、マイナスのイメージを持たれるかリスクはある。
なら更に、濃いユーモアを加えたらどうだろう。
「今朝エスカレーターのない駅で、ホームへ上がるエレベーターに最後に乗り込もうとしたおばあさん、
定員オーバーでブザーがなってしまったので仕方なく私が降りておばあさんを背負って階段を上がったら、私をエレベーターと勘違いて、何度も私の後頭部を指で押しながら、あれ?開かないと言っていました。偶然同じ方向の電車だったので、背負いながら車内で色々お話してすっかり腰痛になりました」
これでは、もはや「優しい」と言う印象はユーモアに消されてしまっている。
セルフブランディングの観点でいうと「優しい」というのが相手に持たせるイメージのゴールであるのなら、「私の長所は怒らないことです」が正解に近い。
だが、ここで意識すべきはあなたという個性を含めた印象付け。
「優しい」がブランドイメージなら、既に同じイメージを持たれている人間は、ごまんといる。
ブランドに価値を持たせたいのなら、優しいの先に何を求めるか。
もしあなたが、その先に人気を得るというのが目的であるなら
「優しい」だけでは弱い。
更にユーモアという印象をプラスしてあなたというブランド価値を持たせる必要がある。
そのユーモアが濃すぎると方向性は変わってしまう。
冨沢:「僕は優しいです。周りからもよくそう言われます。長所は怒らないことですし、凄く涙もろいです。ちょうど今朝のエピソードがあります。エスカレーターのない駅で、ホームへ上がるエレベーターに最後に乗り込もうとした両手荷物のおばあさん、定員オーバーでブザーがなってしまったので、僕はおばあさんの両荷物を持ってエレベーターを上がることにしました。階段を必死に駆け上がるおばあさんの姿を上から見下ろし、僕は涙を流しながら頑張れ!頑張れ!と応援しました。登り切ったおばあさんからお礼の言葉は聞けませんでしたが僕は怒ることなく、荷物を返しました」
冨沢はそのままで十分に優しい。
彼がすべきことは自分の価値にもっと気づくこと。
ブランディングでもっとも大切なのはその価値をどれだけ伝えられるか。
第4回 マーケター冨沢「冨沢の一貫性」はこちら。