(画像はマーキャリ主催のイベント「ミルクラ」の様子。ミルクラレポートはこちら)
コミュニティマーケティングとは
コミュニティには、「地域社会」や「共同社会」という意味があります。地域住民の集まりやSNSのグループ、オンラインサロンなど、同じ目的や想いを持った人が集うコミュニティにマーケティングを取り入れたものがコミュニティマーケティングと言われています。コミュニティ形成の事例
ミュージシャンやアーティストのファンクラブ
新曲発売情報、ツアースケジュール、TVやラジオ、イベントへの参加案内など、ミュージシャンやアーティストにまつわる情報の共有コミュニティ。ファンクラブの会員は情報だけでなく、一般よりも優先的にツアーチケットが購入できる、会報が届くなどの特典を設けているケースが多いです。オンラインサロン
個人が主催しているオンラインサロンが人気で、有名なところだとお笑いコンビ「キングコング」の西野さんのオンラインサロンや、堀江貴文さんが主催するオンラインサロンがあります。個人の頭の中で考えられている施策や今後のビジョン、目標が共有され、時にセミナーやオフ会で直接本人と触れ合う場も設けられることが特徴です。企業
ビール製造メーカーがイベントを開催し、主力ビールだけでなく新作ビールの試飲会を行うといったものがあります。コミュニティマーケティングの目的やメリット
コミュニティを形成する側にとって、1つも得られるものが無かったり、回収見込みのない予算が必要になる場合にコミュニティを形成することはありません。コミュニティを形成することで得られているものには何でしょうか。
(1)強いファンの創出
ファンクラブやオンラインサロン、企業のイベントに参加している時点で強いファンですが、コミュニティを形成し、同じ想いを持つ人との触れ合う時間ができたり、より関係が密接になることでさらなる愛着が沸くものです。企業はファン同士が集える場所の提供し、情報発信をすることにより、コミュニティの活性化を図ります。ここで知り合ったファン同士がオフ会を開いていることもよく見かけますよね。各自のSNSで写真を公開しては情報が発信され、家族や友人に渡っていく。このような熱狂的なファンをファンバサダーと呼びますが、企業やブランド、アーティストに愛着が深くなればなるほど、人はそのことを自然と誰かに勧める傾向にあります。人に情報を広める手段として一般的な施策は広告ですが、広告として商品やサービスを認知するのと、親しい人から「絶対におすすめ!」と推奨されて認知するのでは、利用するまでのハードルの高さに違いが出ることはイメージに難しくないと思います。「強いファンの獲得=広告塔が増える」という見方ができるわけです。
企業のコミュニティイベントの例に、ビール製造メーカー「ヤッホーブルーイング」の例を挙げます。同社が神宮球場で開催したビールイベントには、約4,000人のお客さんが来場したようですが、その約半数がヤッホーブルーイングのビールを飲んだ経験がない人だったようです。つまり、ファンが新規客を連れてきて、ファンにしてくれるという構図です。
(2)収益アップ
ファンクラブやオンラインサロンの月会費で収益を増やすところもあれば、そこで集めたお金を軍資金としてファンとともにサービスや事業を創り上げていくスタイルも最近の流行り。従来は顧客のニーズを調査・分析して、そこにリーチする商品やサービスを提供することが「マーケティング」でしたが、その過程をファンとともに創り上げていくことが「コミュニティマーケティング」。商品やサービスが出来上がる過程を共にしたという気持ちがファンとしての想いを強くし、宣伝効果を高め、収益増にも繋がることが期待できます。(3)企業やブランドと顧客(ファン)の繋がりが増える
企業はファンの忌憚ない意見、アイデアを聞くことができる点は大きなメリットと言えます。製造・販売元には気が付けなかったアイデアや鋭い指摘を得られることでよりブラッシュアップが可能となるからです。また、企業で働く従業員にとってもファンとの繋がりは大きなメリットがあると言われています。ファンの数や想い、イベントやSNSを通じてその表情を見た時に、自分の携わっていることの与えている影響を肌で感じることができ、それは誇りや自信という気持ちの変化に通じるためです。顧客の活性化だけでなく、社員のモチベーションアップにも効果的と考えられています。