販売の仕事から営業へ、美容師などの技術職の業界から営業など、営業職の求人は未経験者歓迎としている会社も多く、入り口が広いのでキャリア形成がしやすい特徴があります。一方マーケティング職は、営業と近い立ち位置でありながらも、営業に比べて求人数は少ない上に、経験が求められるケースも少なくありません。マーケティング職に転職するには一体どのようにすれば良いのか?まとめていきたいと思います。
マーケティング職とはどのようなもの?
まず、マーケティング職はどのような仕事内容なのかを簡単にご説明します。マーケティング職とは、
・セミナーを主催するなどして見込み顧客を生み出し、営業に回す
・商品カタログやパンフレット制作、刷新
・商品やサービス企画
などを通じて、「営業が顧客獲得するための支援」をしているというイメージがわかりやすいと思います。
時に営業に代わってお客様先へ行き、会社紹介やどのような課題を持っているかヒアリングをする、いわゆる一次対応までしてから営業に引き継ぐような、営業の側面も持っています。
ただ、マーケティング部署は営業部署とは違い、直接的に会社に利益をもたらす部門ではなく間接部門なので、少数精鋭で組まれていることが多いです。そのため常に人を増やして、新卒を育成して規模拡大を目指す部署ではありません。なので求人も経験値を持った即戦力が求められる傾向があります。大手メーカーの求人では、高額な年収を提示してハイレベルな人材を募っていることもよく見受けられます。
マーケティング職で求められる人材はどんな人?
マーケティング職では、下記のような人材が求められる傾向にあります。
・営業をサポートし、営業と協業する立場である事の理解がある
・社内外のコミュニケーションが円滑に取れる
マーケティング部の仕事で代表的なものの中に、営業資料としてお客様先に持って行く会社紹介やサービス紹介のカタログやパンフレット制作・刷新があります。もっと見た目をオシャレにかっこ良く、そして見やすいものを作りたい!と、当然考えると思います。でも、営業マンが実際にその資料を使って会話をする時どこを重要視して説明しているのか、カタログのサイズはどれくらいが適当なのかといった情報を理解せずに、自分の思いだけで作ってしまうと、「何コレ?使いづらいから元に戻してもらえる?」と言われる可能性があることは想像できると思います。
営業がどのようなカタログなり商品があればもっと成果を出しやすくなるのか。あくまでも裏方である意識を持ち、主張を押し通すことばかりを考えない、周りの意見ををうまく集約できる女房役が向いていると言えます。昔から多くの企業が抱える課題にある、「営業部とマーケティング部の溝」の原因は、コミュニケーションが取れていないことに尽きるため、自己主張が強すぎる人だと敬遠されてしまうかもしれません。
また、マーケティング部はイベントへの出展やセミナー開催などで新規顧客との出会いや販路拡大をしていくことも業務のひとつになるので社外の人とのコミュニケーションはもちろんのこと、会場を抑えたり顧客への周知用メルマガの作成、配信など細かな作業も多くあるため、スケジュール管理や調整力も非常に重要なスキルとなります。
営業職からマーケティング職に転職するには?
これまでに培った営業経験を活かして、今すぐマーケティング部署で新たなキャリアを築きたいと考える人の場合は、やはり求人サイト経由で転職を検討することが最も実現は早いでしょう。営業での経験は書類審査においても面接でもアピールできる点が多いので、重宝されることが期待できます。
ひとつ前の項目で説明している通り、自己主張が強すぎる人だと敬遠されてしまうこともあるので、成績が良かったというアピールはほどほどに、社内外のコミュニケーションや調整能力、スケジューリングが営業をやっていく中で重要だと気が付いた、営業成果を伸ばすのに活かせたポイントであったなど語れるとマーケティング部でも活躍できるイメージを持たれやすいでしょう。
経験者が求められる傾向が強い上に、離職率の低い企業だと特にマーケティング部署の空きはなかなか出ないので、狭き門であることが現状です。企業によっては世に求人が出ないところも多々あるので、狙いを定めている企業がいくつかあってそこの求人が出るのを待つ姿勢だと、なかなか機会に恵まれないことが考えられます。
なぜ、求人が世に出ないこともあるのでしょうか?
それは、スカウトや社内の人事異動で人材補給をしている企業も多く存在しているからです。前述しましたが、マーケティング部は少数部署であり、マーケティング部で働いてみたいと異動希望を持つ人が多くいるので、社内で公募をかければ人は集まります。また、多少人手が欲しい状況であれば部署を兼務することでまかなわれることも多いためです。
事実として筆者自身、営業部に始まり、営業部とマーケティング部を兼務し、最終的にマーケティング部への異動経験を持っています。裏を返せば、転職だけでなく配置転換もしくは、営業から営業に転職した後に配置転換でマーケティング部を狙うという方向もひとつの手であるということです。
声がかかって異動になることもあれば社内公募制を持っている会社もありますし、マーケティング部の人や上長にマーケティング部に異動したいから、人が必要なタイミングが来たら声をかけて欲しいと根回ししておくなど、マーケティング部で働くまでの道のりは決して転職だけではありません。