Webディレクターを目指すな、まずWeb制作会社への就職を考えるのが主流かもしれません。しかし最近では、自社で制作・運営するオウンドメディアから事業収益を得ている会社(事業会社)でのWebディレクター職も注目されています。そこで今回は、事業会社で働くWebディレクター業務についてご紹介します。
事業会社と制作会社の違いとは
まずは、事業会社と制作会社の違いをご紹介します。Web制作会社とは、さまざまなクライアントからの要望に基づいてWebサイトを制作し納品することで収益を得ている会社のことをいいます。一方、事業会社の場合は自社で運営するWebサイトを制作・管理・運営することで収益を得る会社のことを指します。制作会社と事業会社では、Webディレクターの仕事内容にも違いがあります。次の項目では、事業会社でのWebディレクターの仕事内容について見ていきましょう。
事業会社でのWebディレクターの仕事内容
事業会社で働くWebディレクターは、自社による企画のサイトやアプリ、各種Webメディアなどを制作・運用・管理しています。制作会社でのWebディレクター職との違いは、サイトのコンセプトや仕様・予算などの決定権が自社にあるかないかという点が大きいでしょう。
制作会社はあくまでクライアントから受注した制作業務を行うため、自社に決定権がありませんが、事業会社の場合はオウンドメディアの制作を行うため、サイトの仕様や方向性・予算などの決定権がすべて自社にあります。責任は大きいものの、お客さま相手という性質ではなくなるため、企画や提案内容をじっくり考えることができますし、少人数のチームで綿密な計画のもとに作業を進められます。
また、コミュニケーションの場も社内中心となるため、高度な対外的コミュニケーションスキルがそれほど求められません。それらの側面で、事業会社でのWebディレクターの業務にも近年は人気が集まる傾向にあります。
事業会社のWebディレクターになるメリットとは?
それでは、事業会社のWebディレクターになるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
まず、クライアント相手ではないため納期優先ではなく、ある程度自分のペースに合わせて作業ができるというメリットがあります。もちろん社内目標とする期日は定められますが、納期ほどシビアではないのでペースの調整はしやすいでしょう。
また、制作会社のWeb制作とは異なり、1つのWebサイトに長期的にかかわれる点も事業会社の醍醐味でしょう。1つの決まったコンテンツを、時間をかけて改善・改良していく作業に立ち会えることで、中長期的にスキルをアップさせることも期待できます。
それに、1つのWebサイトにかかわりながらPVやコンバージョン率などの推移を見ていくことができるため、自身の仕事の詳細な評価を得やすいというメリットもあります。
とはいっても、制作会社の仕事にメリットがないわけではありません。制作会社にも事業会社にも良いところはあるため、どちらの仕事内容がご自身にマッチしているかをしっかり見極めて、どちらで仕事をしたいか考えてみると良いでしょう。
まとめ
今回は、Webディレクターの働き方のなかでも特徴的な、事業会社で働くWebディレクターの仕事についてご紹介しました。Webディレクターはクライアントから受注した制作業務を、納期を守って進行する仕事というイメージが強いものですが、事業会社での業務は少し性質が異なります。つまり、Webディレクターの仕事も、制作会社で行うか事業会社で行うかによって、その内容はかなり異なるといえるでしょう。事業会社でのWebディレクター職には「サイトで運用しているビジネス自体に携われる」という点が魅力です。それぞれの仕事のメリットやデメリットを知っておき、ご自身のキャリアプランやしたい業務に合った働き方を選択すると良いでしょう。