この記事では、副業の基本的な説明から、「会社に認められやすい副業」や「逆に問題になる副業」について紹介していきます。また複業や兼業などに関しては、副業との言葉の使い分けも含めて説明していきます。
収入を増やすために副業を始めたいと考えている方に向けての注意点なども記載した参考になる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
副業の定義とは
副業解禁と耳にしますが、副業とはそもそもどういった活動を指すのかと気になったことはありませんか。「本業とは別に収入を得ること」を副業と言いますが、実は法律的には副業に関する定義はありません。そのため各企業が副業を禁止すると就業規則に載せてあったとしても具体的に何がアウトで何がセーフかは確実なことが言えないのが現状です。兼業・複業との違い
副業に法律的な定義がないのと同様に兼業・副業にも言葉の定義はありません。そのためあくまで用例としてですが、兼業は一般的には本業以外の事業を行う場合に使われることが多いです。つまり土日にアルバイトをするなどではなく、会社に勤めながら農家としても仕事を行っている、社長として複数の会社を持っているなどの場合に使われます。
複業は新しい概念
副業が基本的に本業のおまけとしての働き方とされる一方で、複業は近年注目されているパラレルキャリアの訳語として使われること多い言葉です。パラレルキャリアとは「本業を持ちながら第二のキャリアを築くこと」を指し、副業に限らない広い範囲での社外活動を指します。
- ・ボランティア活動
- ・自分のスキルアップのための勉強
- ・夢の実現
- ・自営業の開始
などさまざまなものが第二のキャリアに当てはまります。ひとえにお金を稼ぐこと本質とするのではなく、社外で行う活動と本業が相乗効果を生んだり、収入以外の面でプラスの影響をもたらしたりすることを目的に行うものです。
本業をおろそかにせず、別の活動に対しても本業のような姿勢で向き合うことから、「複業」と訳された背景があります。そのため複業は副業よりは兼業に近い言葉と言えるでしょう。
副業禁止ならどんな仕事でも禁止か?
本業として働いている会社の就業規則に副業禁止と書いてあるという理由で、副業を行うことを諦めてしまう方も多いです。しかし、副業禁止だからといって本業以外の仕事が全て規則違反にあたるとは限りません。たとえば、実家の商売を手伝ってちょっとしたお小遣いをもらったり、積み立て型の保険や投資などでお金を増やしたりといったことが副業にあたる場合はほとんどないでしょう。
裁判所も認めている副業
なんでもかんでも副業禁止となるならば、極端な話、会社の先輩や上司にご飯をごちそうになることも、実質的には収入を得たのと同じで副業になってしまうことになります。もちろん詳しくはそれぞれの会社の規則次第ではありますが、これまで副業を行っているという理由で懲戒処分されたことを不服とし、裁判が行われた例があります。就業規則で副業が禁じられていたとしても、憲法や法律上は会社員が会社の就業後の時間は、自由に使ってよいと認めており、そのなかには働くことも職業選択の自由を認めています。そういった事例からも過去の裁判では以下のような副業は行っても問題がないと裁判所が認めています。
・一時的で、副業をする時間も短く、体への負担も重くなく会社の就業に悪影響を与えない副業。
・法律違反や公序良俗に反して会社の信用を落とすことない副業。
・副業が会社の本業と競合して会社に損害を与えない副業。
副業禁止の会社でも認められやすい副業3つの例
副業として認められる3つのパターンをご紹介しました。それぞれのパターンに合致した副業なら、問題にならないことが多いと言えます。逆に、「身体的疲労が大きい」「会社の信用を落とす」「本業の競合他社で働く」といった副業は避けるべきでしょう。土日の休みに肉体労働をするなどして疲れ果て、本業の仕事をしているときに居眠りをしてしまうといったことにならないようには注意が必要です。ここからは、具体的に副業として認められやすいものを紹介します。
(1)株式や不動産などの投資
一般的には投資に使う時間は多くはなく、肉体的な疲労も大きくありません。例えばアパートを所有しながら、会社員として働くことも問題にはならないでしょう。注意すべきは、終業時間中は、会社の業務に専念することが義務であるので一分一秒を争うようなタイプの投資は避けるべきでしょう。もちろん会社のPCを使って投資情報のチェックや株式の売買などを行うことも認められるものではありません。(2)クラウドソーシングサービス
クラウドソーシングサービスとは、インターネットのサービスを介して業務を受発注することを指します。副業においては、仕事を発注する側ではなく受注する側であることがほとんどでしょう。テーマに基づいた記事やイラストを作成したり、Webサービスを立ち上げたりソフトウェアを開発したりなど、業務の内容は多岐に渡ります。自宅でできるものも多いので、フリーランスとして活動している方たちをはじめ、主婦や学生なども利用しています。クラウドソーシングの注意点
クラウドソーシングを会社員が副業として行う場合は、「本業に損害を与えないか」に注意しましょう。つまり競合他社に貢献することになっていないかを吟味して仕事を受ける必要があるでしょう。特にソフトウェアの開発などは、自分の本業と重なる場合には機密情報の漏えいと捉えられかねませんので注意してください。クラウドソーシングサービス上では、実名や実会社名でなくても仕事の受発注が可能ですので知らず知らずのうちに競合他社のサービス開発に携わってしまうこともありえる話です。
(3)自分の作品の物販
趣味で始めたハンドメイドの作品や、小説・イラストなどの販売も問題視はされにくいでしょう。インターネット上のサイトに自分の作品を載せ、注文が入れば郵送するといった活動や不用品をネットオークションで販売するなどといったことも本業に影響がなければ認められると考えられます。副業を始める上での注意点
月に数千円や1万円ほどの収入なら問題ありませんが、年間の所得が20万円を超えたら確定申告を行わなければなりません。所得とは単純に手元に入ってきた収入ではなくそこから経費を差し引いたもののことです。副業を行うために購入した機材などがあれば、金額にもよりますがそれは経費として扱われます。また、複数の企業から給与として金額を受け取っている場合には、所得に関わらず確定申告が必要になりますので注意してください。クラウドソーシングを利用して得る収入は給与ではなく報酬ですが、土日を利用して行うアルバイトのように社員としての契約があるなかで受け取るお金は給与所得となりますので注意してください。