この記事は「人事の仕事の将来性は?これから必要とされる人事になるために必要なこと」の後編になります。
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消える職?ルーチンワークに将来性はあるか?
人事の中でも、消える職業になる可能性があるといわれているのは、事務処理などのルーチンワークです。給与計算、社会保険業務といった仕事は、本を読みながらやればすぐにできてしまいます。また、この先AIなどが台頭してくれば真っ先に置き換わる可能性があります。基本的に人事における事務処理は経理的な側面を持っており、手順を踏めば誰でも出来てしまいます。こうした仕事は、将来性がないといえます。将来性のある仕事とは、企画業務。
会社の社員の不満などを聞き、経営者との間に入って、社員の労働環境への不満を打ち消す仕事などは、将来性のある仕事であるといえます。例えば、給与制度の改定や、インセンティブのある給与制度に移行するなど、これまで年功序列的にしてきた企業であれば、何らかの変化を起こすことで、組織全体を活性化させることが可能です。こうした、会社全体に極めて大きなインパクトを与える仕事を自分だけの力でやり切り、最後までやり抜くことができれば、必ず生き残れます。
人事の将来性は、仕事のやり方にかかっている
人事の仕事の将来性は、仕事のやり方にかかっています。会社に来て、パソコンを開くのではなく、まずは会社に出勤してくる従業員たちに声をかけていき、時間があれば悩み話を聞くなどして、従業員が会社に対して思っていることを細かく把握できるような人事の仕事をしてみて下さい。単純な事務処理を行うのではなく、社員の声に真摯に耳を傾けて、社員の考えていることを把握したうえで、企画業務などを推進するとうまくいく可能性があります。これまでのように会社に来て、なんとなく机に座って仕事をしている、というような人事は昨今では求められていません。アクティブに動いて会社に合わせた企画業務などを行い、会社に最適な仕事ができる人事が将来性のある人事であるといえます。人事の将来性は、人事部員の意識にかかっている
人事の仕事の将来性は、人事部員の意識にかかっているといっても過言ではありません。特に就職したばかりの若手の人事は、なんとなく雰囲気に流されて従来通りの人事をするのではなく、これからの社会と会社で必要とされる人事の仕事を行うようにしてみてください。中途採用者の採用や、フリーランス人口の急増、少子高齢化など、従来の仕事のやり方では通用しないステージに人事の仕事は来ています。これまでと同じやり方で人事業務を推進するのではなく、自分にしかできない仕事を構築するようにしてください。
また、経営者の考え方の変化にも敏感になるようにしてみて下さい。人事の仕事は経営者のブレインになることでもあり、経営者により高いレベルの提案を出せることで存在意義が発生します。経営者にもう人事はいらない、と思われたときに、人事の仕事の将来性はなくなってしまうといえます。人事の仕事の将来性を高めるのは自分自身であるという強い認識をもって、従来通りの人事の仕事の枠を踏み越えて、会社全体を動かす仕事ができる人事になるようにしましょう。それができるようになったとき、人事の将来性はまた向上します。