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本記事はある物事に対するレビューを発信して、少しでも参考にしてもらえたらという思いから始まった企画ではありますが、同時にレビューや口コミといった情報がどれほど人々に関心が持たれているかという事を調査するための実験的な企画でもあります。
マーケティングに関することだけでなく様々な事柄をピックアップしてレビューしていきますので、是非最後までお付き合いください!
この記事は「新企画!マーケター冨沢のなんでもレビュー 第1回 【マンチェスターシティVSリヴァプール①】【前編】」の続編の記事になります。前の記事をご覧になりたい方はこちらをクリックしてください
2人の異なったマネジメント能力
ペップのマネジメント手法
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二人とも強力なマネジメント能力を持っていますが、マネジメントの手法は全く異なります。まずペップのマネジメント手法ですが、特筆すべきところはかなり厳格なルールを選手たちに課しているというところです。選手たちには食事制限を設けていて、ピザやビール、ケーキなどの摂取を一切禁止しています。選手たちは魚やフルーツ、肉などの食物を摂取することを強いられていて、食習慣を律しベストな体を維持することが求められています。その為、ベストな体重から少しでも重い人は練習に参加させないというルールも徹底して行っていました。また、選手たちの気を引き締める為に施設のWIFIを遮断して、クラブ施設でのスマホの使用を禁止しました。
しかし、ここまで厳格なルールを敷いても選手たちはほとんど不平不満を口にしません、それはペップが実績のある偉大な監督であることと、彼自身がその戒律を守り、勝利に向けて誰よりもストイックな勝者のマインドを持っているからです。選手たちは皆、彼についていけば選手としての価値が上がることは知っていますし、チームとしての栄光を手に入れることができると信じて疑っていません。
その為、厳格な規律を遵守してコンディションを維持し、ハードワークに徹するプロフェッショナル集団が出来上がりました。彼らがピッチ上でペップが考案した戦術・チームのお約束事をしっかりと実行できるのはそういった規律を一つ一つ守ってそれを習慣化しているからです。厳格な規律とそれを遵守する選手たちのマインドがチームの躍進の原動力となりました。
クロップのマネジメント手法
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一方、対するクロップは熱血漢な男として知られ厳格な規律を敷くという事はなく、選手たちを鼓舞してモチベーションを管理するマネジメント手法が特徴です。彼の攻守の切り替えが早く、縦に速いサッカースタイルの中では選手たちは絶えずにゲームに関与する運動量が必要不可欠です。長さ110m×幅75mのフィールドを90分間、選手たちがひたすら走り続けていられることはクロップのモチベーション管理能力と人心掌握術のお陰です。これは彼の人間性にも深く関係する部分でもあります。
メディアからのインタビューの受け答えを見ていても彼のユーモアのセンスの高さとコミュニケーション能力の高さはうかがえます。また2015年にリヴァプールの監督に就任する前から、彼は英語の勉強に励んでいました。プレミアリーグの監督になる機会がいつか来るかもしれないと思い、その際に選手たちと円滑なコミュニケーションを取れるように彼は前もって準備していました。そして彼の言語力でもコミュニケーションがうまく取れない場合は通訳を常に同伴させる等、選手たちと意思疎通を図ることを最優先して信頼関係を築き上げクロップイズムをチームに浸透させることに成功しました。
彼のサッカースタイルには常人では考えられないほどの運動量が必要です。リヴァプールの選手たちがその難題を達成できるのは監督への信頼があるからです。もちろん戦術眼的にも優れた監督ですが、彼の一番の武器はコミュニケーション力と人と積極的に関わることができる人懐こさでしょう。