マーケター冨沢　23話目　【潤滑人間冨沢】【前編】

第23回「潤滑人間冨沢」

皆様こんにちは。冨沢です。

今年も相変わらずあっという間で、もう12月になってしまいましたね。「一年早かったなー」と去年言っていたのがつい昨日のように感じます。
小学校の時とかは一年が過ぎる速度が観覧車が一周するくらいの速度だったのに、今は陸上選手がトラック一周するくらいの速度で一年が過ぎ去っていきます。きっと30代を過ぎ去ったあたりにはF1カーが通り過ぎるくらいのスピードになっているのでしょう。

僕は今年で25歳です。人生100年時代と呼ばれてはいますが、もうすでにその1/4も消化してしまいました。たくさんのことを経験してきましたが、その中でも人生のターニングポイントと呼ばれる箇所はそう多くありません。

高校時代の最後の思い出となる卒業遠足を大学受験の勉強の為に、途中で帰ってしまった時。青春の最後の一ページを満喫していれば…
大学時代に海外旅行の軍資金としてためていた30万円を当時はまっていたアニメのBlu-rayBOX完全版を購入するために使ってしまった時。もうそのBlu-rayBOX生活費がない時に売ってしまった…

基本的にターニングポイントの事を考えると不思議と後悔する思い出しか見つかりません。
そしてその中でも特に「あのときこうしていれば」と頻繁に思い出す場面があります。それは皆さんもおそらく経験されているであろう新卒就職活動の1シーンです。

新卒就職活動というと学生にとってはこれから社会人として生きていく上でとにかく自分の理想とする生き方・働き方を選び、そしてその為に自分を精一杯アピールする試験のようなものでしょう。
僕も数ある企業の中から自分が勤めたい企業を選定し、絞った企業を入念にリサーチしました。そして必死こいて自分が働いている姿をイメージして企業と自身の価値観があっているのか再確認して、志望動機や自己PR文を考えました。本番では自己PR文を緊張で手に汗握りながら面接官に話します。しかし当然一発ではうまくいかず、ほかの人の自己PR文なども参考にしながら何回も何回も試行錯誤を繰り返しながら作り直しました。

そうして多くの面接を経験した中で、今でも後悔する問題の事件が発生します。それは第一志望としていた企業の二次選考でした。

そこの企業は4次選考まであり、その時は2次選考で3人での集団面接でした。所要時間は45分。初めのうちは志望動機など聞かれ面接は滞りなく進みました。しかし次に聞かれた面接官からの質問を僕はあんまり聞かれないだろうなと思ったできちんとした回答を用意しておりませんでした。

面接官「では冨沢さん、あなたをモノにたとえると何ですか？」

私「っつ……ハイ。私は潤滑油のような人間です。大学時のアルバイトでは後輩に仕事を振るような立場におりましたので、だれにどの業務を任せたら効率が上がるかという事を常に考えていました。また仕事を一緒にする以上、些細なことから軋轢が生まれる可能性があるので、みんなが仕事をしやすいように頻繁にコミュニケーションをとるようにしていました」

ありきたりすぎるか….?もはや使い古されて、ひょっとすると悪いイメージを持たれかねない潤滑油というワードを使ってしまいました。

面接官「なるほど。わかりました。ではAさんはどうでしょうか？」

応募者A「ハ、ハイ！私も潤滑油のような人間です」

かぶった…！
いくら常套句といえど、3人中2人も潤滑油な事ある？という思いと「Aさんの潤滑油とってごめん」という気持ちが同時に胸の中に湧き出ました。

そうなると面接官もまた潤滑油かといった感じで見てくるわけです。Aさんもパニックになっているのか若干の言葉詰まりなどもあり、（おっ、こっちの潤滑油は滑り悪いな）なんて感じでどっちの潤滑油がいいかなと我々二人を見比べてきます。