
小学校時代、中の上くらいの成績でしたが、勉強が好きではありませんでした。勉強しないとちゃんとした大人になれないよ!というアバウトな概念を信じて最低限の努力はしていました。変なもので勉強すると逆に疑問が出てきて、「これって本当なの?」とか、「読書で自分が思っていた理解と違うな?」などと感じることも多かったです。
ある時から、「何で人は勉強しなきゃいけないんだろう?」「学校で勉強した先に本当に答えがあるのだろうか?」と、哲学的なことを考えるようになりました。
最近読んだ本に『14歳からの哲学入門』(飲茶著)があります。この本によると、思春期にかけて(これが14歳という意味)、大人の言うことを信じてはいないけど、言うことを聞いておいた方がよさそうだからよい子のまま進むのが7割くらいで、大人に反発してアウトローやヤンキーになるのが2割くらいで、そして残りの1割は哲学するらしいです。最後の1割のタイプは、内省的になり多くを語らず、友達も限られて群れないそうです。今思えば私は明らかに最後の1割でした。
大人になっても「何故勉強するのか」の答えは見つからないままでした。このコラムにも書きましたが、私の大好きな東野圭吾の「ガリレオシリーズ」の主人公、湯川学の一言が自分なりの答えになりました。それが「人は自分なりの答えを見つけるために、勉強するんだ!」と言う言葉です。
勉強した知識に正解があるのではなく、自分にとっての最適解を見つけるために、情報として知識を習得するということですね。世の中には正解があって、今それを自分が知らないだけで、そしていつか誰かが教えてくれるみたいに考えている人が多いですが、個人的には違和感を感じます。
この感覚は、昨今のAIの普及により、さらに重要と思っており、AIに正解を求めるのか、あくまでも自分なりの答えを見つけるための道具として使うのかが、AIを活用する上で大事な前提の考え方だと思っています。
会社で働く人たちにも、会社で行われている考え方ややり方が絶対的な正解ではなく、情報として受け取って、自分なりの答えを主体性をもって見つけてほしいと思います。
そうした経験から自分なりに道標的にしている前提としての考えがいくつかあります
その中のひとつに、皆さんも聞いたことがある言葉かもしれませんが
「過去と他人は変えられない、変えられるのは自分と未来だけ」というのがあります。
ほぼ賛同しているのですが、最近勉強した量子力学(この件はまた書きたいと思っています)の影響もあり、この言葉を深く考えなおして、自分なりに違う表現にしてみました。
「過去は変えられないが、過去の認識は変えられる。
未来は決められないが、未来に対してよくなる確率の高い判断をすることはできる」
過去に起こったことが、本当の意味で事実かどうかを確認することは不可能だと思います。
歴史的なこともそうですし、例えば戦争で起きたことはその時その場にいなければ、残った証拠で類推することができますが、本当の意味での事実は確認しようがありません。個人的なことでも、その時に起きた事象をリアルに再現できる訳ではないので、100%の事実を確認することは難しいと思います。
それよりも、その過去の事柄をどうとらえるか、そこが重要だと思います。過去に起きた事象をトラウマのように抱えて、前にすすめない、必要以上に臆病になってしまうなどの経験を持っている人も多いですが、時間はかかるかも知れませんが、自分の中の認識は変えることができるのだと思います。なぜならば、自分の認識は自分にとっての影響の輪に入っているからです。
そして未来はたしかに変えられるけど自分が思ったようにコントロールできるとは必ずしも限りません。でも未来に自分が望む結果になる可能性の高い判断と行動を選択することはできるということですね。結果はコントロールできないので、コントロールできないことに一喜一憂するより、コントロールできる自分なりの影響の輪の中の努力に集中してそれを楽しむことかと思います。
人生、夢や目標を持つことは重要ですが、それを達成した時だけが幸せで、それ以外は苦痛やがまんという時間を過ごすのは個人的には違うのではと思っています。そもそもそれだと努力は続かないのではと思います。
結果はコントロールできないと達観しつつも、常に仮説をたてて、「これをこうしたらこうなるのでは?」みたいな、ワクワク感をもって日々を過ごせること。そして思う通りにならなくても、それを学びと新しい発見に変えてまた生きていく、最後の瞬間までそうやって生きていけたらそれがよい人生なのではないかと思っています。

■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。