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テレビCMは話題性を生み出しますが、商品の購買に至るかというとちょっと微妙です。また、人気のタレントなどを起用するとそのタレントのファンは商品を購入するかもしれませんが、あくまでタレントのファンでしかなくその後の継続的な購入につながるかはこれまた微妙です。
特定のコミュニティで影響力を持つ人物にPRをお願いするインフルエンサーマーケティングなども宣伝効果の一つとして考えられますが、企業がインフルエンサーに頼んでPRを行うときは「#PR」とハッシュタグをつけなければいけません。例えインフルエンサーに情報発信をお願いしても、そのファンたちはインフルエンサー個人の主体性のある情報とはみなさないため、効果的かと問われると素直にハイとは言いづらいです。
対して、口コミによる情報発信はタレントやインフルエンサーなどの顔が判明していない人物による情報発信にも関わらず、その情報は透明度が高い情報として多くの人に受け入れられています。企業側による情報操作があることがわかると情報の透明度は下がってしまうため、公平な立場である口コミは消費者に多大な影響力を及ぼします。情報に透明性がある、それはすなわち忖度一切なしの信頼できる情報といえます。宣伝手法の中でも
口コミ>インフルエンサーによるPR>TVCM
の順で信頼性の高い情報となり、よりお客さんの購買行動に直結する情報になるでしょう。そして口コミを生み出すには満足度という指標が大きなカギを握っています。今回の場合には
「場所に似つかわしくないデザイン性の高い看板だ」➞「お店の外まで並んでいるしちょっと食べてみよう」➞「内装も凝っているしラーメンの味も期待できそうだ」➞「席についてから出てくるのも早い、そして味も期待を裏切らずおいしい」➞「おいしいラーメンだ、また行こう」➞「何回も通って店主に顔を覚えられた」➞「非常に満足度の高い店だ」
と、このように満足度は商品の価値単体だけでなく、一連の体験を通して生まれます。満足を生み出す一連のフロー設計が口コミを生み出すための最も必要な事であるといえます。
効果的な口コミを創出するためにも認知拡大の活動だけに注力するのでなく、焦らず今一度商品の質やお客さんが満足するまでの心情フローを見つめなおすのも大切だな、とラーメンをすすりながら思いました。
第25回 マーケター冨沢「リモートワークを実際に体験してみた感想。メリットとデメリットを解説します」はこちら。