• 2024/12/06
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はりこらむ 第111回「主体性の因数分解~自分で決めて結果に責任を持つ人は成長する~」

  • 萩原 張広  
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主体性の因数分解
~自分で決めて結果に責任を持つ人は成長する~

 ⇒第110回「きなこが旅立ちました~生まれて来た意味~」はこちらから


 面接などで、「社長が求める人物像はどんな人ですか?」と聞かれると、弊社クレドブックにも書いてありますが「主体性のある人」と答えています。私自身が主体性をテーマにした研修をやっていますが、主体性を正しく理解している人は意外と少ないと感じます。
よくあるのが「積極性」と区別がついていない事ですね。例えば会議で、積極的に意見を出していると主体性がある人みたいな感じでしょうか。

 ある会議でその会議の進め方やリーダーの考えに賛同できない時、意見を求められてもあえて自分の意志で発言しないという事もあるかと思います(その判断が適切かどうかはここではおいておきます)。発言しなかった人は積極性がないと見られるかも知れませんが、何等かの意図があり、リーダーから評価を下げられるなど、その結果を引き受ける事も含めて行動しているなら、これは主体性を発揮していると考えられると思います。主体性とは一般論や同調的な事でなく、自分自身の価値観と照らし合わせて、自分なりに熟考して出した結論ならちゃんと決めて行動し、その結果も引き受けるという事ですね。

 現状日本では、健康で健全な環境の状態であれば、経済的に食べられなくなる事は現実的には少ないかと思います。そういう意味では、仕事も働き方も自分の価値観に合わなければ自分で違う選択をする事が出来ます。ある意味よい時代だし、戦争などが行われている国に比べれば恵まれた環境にいるなと感謝しています。

 一部の大人や親が、子供達や若い人にやり方や正解を教えすぎて、本人たちの主体性を奪っている事もあるのではと考えています。
愛情や善意で、失敗しないように、短期的にうまく行く方向へ誘導したくなったり、正解を教えすぎたり(この正解も時代が変化する中正解かどうかは分かりませんが)しまう事もあるのかと思います。

 私たちの会社はサービス業ですが、プロダクトがある訳でもなくパッケージサービスがある訳でもないので、仕事の現場では社員一人一人の主体的な判断が求められます。働いている人が「言われた通りにやりました」的なスタンスだとなかなか成果が出ません。そういった背景もあり可能な限り主体性を感じられる人を採用したいと考えています。

 面接などでも、学校を選ぶとか、就職とか転職とか過去の重要な判断をどの様にしてきて、そしてその結果をどう受け止めてきたかを聞くようにしています。

 親御さんに言われた、流行っているから等、自分では深く考えず、また調べられる事を自ら調べもせずに判断をしていたり、その上でうまく行かない事を環境や他者のせいにしている人には慎重に接する様にしています。

 人生における重要な判断と結果のパターンを4シーンに分けてその後の人生への影響について私の考えを以下に記します。

1.自分でしっかり考えずに一般論や他者に影響を与えられて判断している
●その上で、よい結果が出ていない
自分で考えて決めていないので、ピンチや苦しい状況になると頑張れない。
すぐにこれ違ったな。もともとそんなにやりたい事じゃなかったし!などの気持ちになる。自己の課題に行きつかず、環境や他者に目が向くようになる。被害者意識になる可能性が高い。

2.自分でしっかり考えずに一般論や他者に影響を与えられて判断している
◎その上で、よい結果が出ている
よい結果が出ている理由が本質的に理解できないケースが多い。再現性が低い。
実力以上の自信、過信になりやすい。自分の中では本当の自信になりづらい。
新しい苦難が発生した時に、耐えられない可能性が高い。
うまくいかなくなるとどうしてよいか分からなくなる。

3.自分でしっかり考え、他者の意見は情報として受け止めるが、最後は自分の価値観で判断している
●その上で、よい結果が出ていない
自分で決めているので、一定期間は頑張り続ける事ができる。
その中で、環境の課題と自分自身の課題を分けて考えて、自分を変えようと努力する。
自己課題を認識できるので成長に繋がる。
結果が出ない事によい意味で悔しさが伴うので、その結果から学んだ事を活かそうとする。

4.自分でしっかり考え、他者の意見は情報として受け止めるが、最後は自分の価値観で判断している
◎その上で、よい結果が出ている
自分で考えて努力を継続して出た結果なので本当の意味での自信になる
一方、そのプロセスを大切に学んで来たことで、環境や周りの人にも感謝の気持ちがわく。よい意味での自己肯定感が生まれ、自分の未来は自分で創っていけると思う様になる。

  何の判断をしても必ずしも望む通りの結果が出るとは限りませんが、自分で決めていれば、長期的には必ず成長に繋がると思います。 サポートする側は、可能な限り正解や、具体的な指示よりも 機会と情報を与えて、本人が決断するのをサポートする様な接し方が、その人のその後の人生の為にも必要なのだと考えています。

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■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

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