• 2021/03/01
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営業するなら必ずヒアリングしたい「BANT条件」

  • マーキャリ 編集部
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この記事では以下のことが分かります。


・営業のヒアリングの基本「BANT条件」とは何か

・BANT条件のメリット

・BANT条件をヒアリングする際の注意点

BANT条件とは

BANTとは、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Timeframe(導入時期)」の4つの頭文字をとったものです。主に法人営業のシーンで意識される言葉になります。法人営業は、個人営業と異なり、相手が気に入れば即決で成約になるわけではありません。法人営業では、BANT条件を意識することが、相手に適切なアプローチをするために重要になります。

BANT条件の4つの要素

「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Timeframe(導入時期)」の4つの要素について深堀りしていきます。  

Budget:予算

BANTにおける予算とは、「相手(クライアント)が今回の案件に想定している予算」のことです。そもそも予算がなければ、いくら良い提案ができたとしても成約には至らないわけです。相手の予算によって自社が提案できる商品やサービスも異なってくるはずですので、相手の予算を把握することはとても重要になります。



もちろん「予算はいくらですか?」と質問してすんなりと聞き出せることはないでしょう。いかに相手の予算を聞き出すかは、営業担当のスキルが問われるところとなります。  

Authority:決裁権

決裁権とは、商品やサービスの購入を決める決定権のことを言います。日本の法人営業では、ボトムアップといって担当者から上司に、上司からさらに上の上司へと話をすすめてもらうことで商品の購買や契約に至るのが基本の流れとなっています。


つまり、最初の担当者が自社のサービスを気に入ってくれても、その上司が気に入ってくれなければ商品の購入やサービスの導入にはつながらないわけです。そのため、成約率を高めるためには、決裁権を持つ相手が誰なのかを知り、その人にアプローチをすることが重要になります。良い感触で商談が進んでいたのに、最終的に失注になるのは決裁権者に適切なアプローチができていなかったことに原因があることが多いです。決裁権は金額や内容によって決裁権者が異なるケースもあるので、相手企業がどのような流れで意思決定を行うのかは、既存の顧客と新たな契約を結ぶ際にも確認するようにしましょう。  

Needs :ニーズ

Needsはそのままクライアントの「ニーズ」を表します。自社の商品やサービスで顧客のニーズに対応できるかを、ヒアリングを通して確認していきます。自社の商品やサービスが相手のニーズとマッチしている案件について優先的にアプローチすることで、効率的な営業活動が可能になります。 ニーズに関しては、担当者が個人的に感じていること、部署が感じていること、組織全体が感じていることというようにさまざまなものがあります。自社の商品やサービスがどのニーズを満たせるものなのかは、しっかりと明確にしながらアプローチするようにしましょう。担当者個人ではなく、チームや組織といったグループのニーズに応える、というのが基本です。


また、ニーズには「潜在ニーズ」と呼ばれる相手が意識していないものもあります。ニーズをヒアリングする段階で営業担当に求められるのは「聞く力」です。「売ろう売ろう」とするあまり、クライアントのニーズをヒアリングできずに話してばかりの営業職には成績はついてきません。クライアントが商品を購入しようとするのは「困っていることが解決できるから」に尽きます。当然のことではありますが必要がないものは購入してくれるはずがありません。相手に興味を持ってもらうために商品をすすめる「話す力」ではなく、相手が気づいていないような深いニーズを探りあてる「聞く力」を養うことを営業活動では意識しましょう。  

Timeframe :導入時期

BANT条件における導入時期とは、いつごろまでに契約を結べそうかをチェックすることを言います。最終的な商品やサービスの導入時期だけでなく、検討から承認にいたるまでの商談ステップごとのスケジュールを把握することで、具体的な話を展開していけるようになります。

BANT条件をヒアリングするメリット

BANT条件を営業活動に活用し、ヒアリング項目として徹底するとどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。  

成約へのアクションが明確になる

BANT条件をきちんとヒアリングできれば、「どうなれば成約になるか」について具体的になります。成約に至るまでにどのようなハードルがあるかが分かりますので、するべきアクションや提案が明確になります。  

営業戦略が立てやすくなる

BANT条件のヒアリングを徹底すれば成約までのゴールが明らかになります。営業担当が共通のゴールに向かっていけるようになるので、個人ではなく組織全体での営業戦略の立案もスムーズになります。営業部とマーケティング部が連携する際には、認識のズレから上手く成果につながらないことが多いですが、営業活動のゴールが明確になることで部署間のコミュニケーションも円滑になります。  

営業部内でのコミュニケーションが活発に

営業担当は、チームがあっても実際には個人で活動していることがほとんどです。そのため営業成績も個人の手腕に大きく左右されるのが通常です。しかし、営業のチーム全体でBANT条件の認識をしっかりと共有しておくことで、「あの案件は決裁者にまだ会えていない」、「ニーズに対するアプローチへの反応がイマイチだったので、同業他社の導入事例を持っていこう」などといった会話ができるようになります。つまり個人だけでなくチームで共通認識を持って案件に当たれるようになり、アドバイスをし合ったり、アプローチ方法の相談を他メンバーにしたりできるようになるのです。

BANT条件が欠けるとどうなるか

法人営業においては、BANT条件のヒアリングが重要です。しかし、しっかりと意識していないと、上手くいっているつもりでもなかなか成約につながらないといったケースが生まれてきます。 BANT条件の4つの要素が欠けるとどのような失敗になるのか、要素ごとに確認していきましょう。  

Budget(予算)が欠けている場合

商談相手が決裁権を持っていて、サービスの必要性も感じてもらえた。導入もしたいと言ってもらえた。しかし、会社の予算を年間のうちどこで使うかは既に決まっていて今年度中の成約ができない。


いくら相手の感触が良くても、サービスや商品を導入するための予算がなければ成約はできません。次年度に改めて商談をすすめていく必要が生まれ、実質的な二度手間となってしまいます。  

Authority(決裁権)が欠けている場合

商談相手がサービスへの関心度が高く、予算も確保されていて、すぐにでも導入したいと言ってもらえた。しかし、決裁権が商談相手ではなくその上司にあったため成約に至らなかった。


決裁者が誰なのかを把握しないまま商談をすすめていくとこのような失敗につながります。  

Needs(ニーズ)が欠けている場合

これは最もシンプルな失注です。商談相手に決裁権があり、予算もあったとしても、そもそもサービスや商品を欲しいと思ってもらえないというパターンです。サービスや商品に必要性を感じてもらえなければ成約には至りません。


この失敗が起きるということは、「売ろう売ろう」とするあまりに相手のニーズを聞き出せなかったり、引き出せなかったりしたことが原因であることがほとんどです。営業において重要なのは「話す力」ではなく「聞く力」であることを再認識する必要があるでしょう。  

Timeframe(導入時期)が欠けている場合

商談相手に決裁権があり、予算もあり、サービスへの必要性も感じてもらえた。しかし相手に時間的な余裕がなく商談をすすめられなかった。


これは最も残念なケースですが、「今は手が回らない」というのは失注理由として少なくありません。先方に対する導入時期へのスケジュール設定をこちらから行って、時間を経て再度アプローチするようにしましょう。

BANT条件をヒアリングする際のポイント

BANT条件をヒアリングする際にはいくつかのポイントがあります。特に意識すべきなものをピックアップして紹介します。 

まずは予算から確認する

BANT条件をヒアリングする際に、最初に確認したいのは「予算」です。その理由は、相手の予算によって今後のアプローチが変わるからです。予算規模によっては営業活動だけでなく開発のプロセスも変更になるでしょう。予算感を初めに確認することで商談から納品までをスムーズに進行できるようにするという狙いもあります。予算によって決裁者も変わることがありますので、なるべく早い段階で予算を把握することはとても重要になります。  

予算はなるべく具体的に聞き出す

用意している予算をストレートに聞き出すことは難しいです。しかし、10万円と100万円ではこちらのアプローチは大きく変わるはずです。そのため、なるべく具体的な予算感を掴むことが重要になります。相手からは「なるべく安く」、「予算はかかっても良いものを」などの回答が多いでしょうが、こちらから素直に「金額によって提案内容が変わるので目安でよいので予算感を教えていただけますか?」などと質問し、可能な限り具体的な数値を聞き出すようにしましょう。 

決裁に至るルートを確認する

いきなり担当者に決裁権者を聞いても、答えてくれる可能性は低いです。率直に決裁権者を聞くのではなく、決裁に至るまでのルートや稟議の手順を聞くことで自身がアプローチしている案件についての最終決裁者は誰なのかを予測していきましょう。決裁ルートは規模の大きな企業であるほど複雑であることが通常です。自身の判断で推測をした後は、しっかりと相手からも聞き出すようにしましょう。  

根回しのルートも確認する

担当者が商品を気に入ってもらい、上司に報告する際には、いきなりミーティングで提案するのではなくあらかじめ根回しをしておくのが一般的です。特に導入しようとしているサービスが高額のものであれば、上司も即決はできませんから、必ず事前に話を通しておくはずです。そのような根回しがどのようなタイミングで行われているのかを知ることは営業にとってもメリットがあります。必要に応じて根回しの席に同席して、直接自分がアプローチをかければ、担当者から上司に伝えてもらうより説得力のあるプレゼンができるはずです。  

こちらからスケジュールを提案する

顧客自身がスケジュールイメージを持っていないときは、営業側からスケジュール設定を仕掛けるのが、営業質問のコツになります。緊急の課題に対するものでなければ、基本的に商談開始の段階ではスケジュール感は漠然としているものです。たとえば、自身のアプローチに対して「良いものがあれば導入したいけれど・・」といった返答をもらったことがある方は多いのではないでしょうか。


スケジュールが決まらなければ、成約までには大きな時間がかかり、結果としてアプローチをしたものの来期に回されるといった結果につながりかねません。それを避けるコツとして「納期を仮設定してスケジュールを提案すること」をおすすめします。スケジュールがはっきりしていない場合に相手の都合を考慮しつつ自ら提案することは決して自分本位なものではありません。綿密な計画を立ててスケジュールを組めば、顧客の印象も良くなるでしょう。スケジュールの提案は、購買プロセスごとに行うことを意識しましょう。たとえば、相手が「月の初めに毎月上司への報告会がある」とするならば、それに合わせてこちらもアプローチをするということです。  

ヒアリングスキルを磨く

BANT条件をヒアリングすることはとても重要です。しかし、そのことを意識していてもスムーズにヒアリングできるようになるためには、時間がかかるでしょう。そのため、法人営業職として活躍するためには、ヒアリング力を養うことがとても重要になります。しかし、「ヒアリング力」、「聞く力」といっても相手の話を聞いているだけでよいわけではもちろんありません。ヒアリング力は、相手のニーズを聞き出す力。相手のニーズに合った商品をこちらが提案できるように、きちんとヒアリングを行うことが重要なのです。


ヒアリングの基本としては、まず「相手を主語にすること」が挙げられます。なかなか成果の出ない営業マンは商品を売ろう売ろうと気が焦るばかり「弊社のおすすめの商品は~」などと、自分を主語にしてアプローチしてしまいがちです。しかしこれはよほど相手と信頼関係を築いていないと通用しません。


なぜなら、相手からすれば「どれがおすすめの商品かは興味がない」からです。相手のニーズを引き出すのに、主語が自分では相手から情報を得られません。自分を主語にするのではなく、「最近は〇〇のタイプの商品のご注文をいただくことが多いのですが、御社でもそのあたりに課題を感じていらっしゃいますか?」というように相手を主語にして話をすることを心がけましょう。


また、「商材よりも商材によって得られるメリットを先に話す」のも効果的です。自分の商品を売ることではなく、相手の課題を解決することを仕事だと考えるなら、相手にとって有用な情報から伝えていくのが効果的だと分かるでしょう。営業ツールやロールプレイング(練習)の通りに商談をすすめなくてはいけないわけではありません。相手が聞きたいであろうことから話すのが重要です。 さらに、特に慣れないうちはヒアリングシートを作成することをおすすめします。ヒアリングシートとは、相手から得たい情報を項目ごとに分けておき、質問漏れをなくし案件へと結びつけやすくするためのものです。たとえば、「現状」、「困っていること、課題」、「納期」、「予算」、「決済の流れ」といったものを書き出せるようにしておくとよいでしょう。


ヒアリング力をつけるためには、まず「焦らないこと」が挙げられます。会話は「聞く」と「話す」があって初めて成立します。焦って早口になってしまうだけでも、頼りないという印象を抱かれてしまうこともありますので決して焦る必要はありません。


相手が話し終わるのを待って、こちらが質問する・話すということを心がけましょう。自分がクライアントを訪問してから商談を終えて会社を出るまでをスマホなどで録音しておき、後から聞き返すのも有効です。自分では「わりと上手くいった」と好感触でも、録音したものを聞けばそうではなかったということも多いです。自分のプレゼンを含め会話を客観的に聞くことで、改善点を見つけることもできます。聞く際には声のトーンやスピード、クライアントとの会話量のバランス(自分ばかりが話していないか)に注意してみましょう。


可能であれば営業成績の良い先輩や同僚に同行させてもらい、実際にどのように商談を行っているのか見せてもらったり、ロールプレイングといって上司や先輩に顧客役を演じてもらい、日々の営業と同じ設定でヒアリングを行い、その後に「よかった点」「改善するともっとよくなる点」をフィードバックしてもらったりするとよいでしょう。


おそらく先輩に同行する場合は「思ったより普通だな」という印象を抱きやすくことがあるでしょう。実はそれは当然のこと。先輩はヒアリング能力が優れているから結果を出せているからです。深く考えずに聞くと「普通に会話しているだけなのになぜ成約になるのか分からない」という印象を抱きやすいです。同行する際は、「どのような質問をどういった狙いでしているのか」を確認するという意識で臨むのがおすすめです。


BANT条件はどれか1つが欠けるだけでも成約に大きな影響があります。しっかりとヒアリングを養うことを怠らずに、適切なアプローチができるように工夫を重ねてください。

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