• 2021/02/16
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顧客の潜在ニーズを引き出すヒアリングテクニック「SPIN営業法」を実践しよう

  • マーキャリ 編集部
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目次

この記事を読むと分かること


・顧客の見えないニーズをつかむためのテクニック「SPIN営業法」について

・「SPIN営業法」のコツ、注意点

・営業におけるヒアリング力とロジカルシンキングの重要性


SPIN営業法の特徴

SPIN営業法は、営業シーンで相手の潜在的なニーズを呼び起こし、自社の商品やサービスの必要性をかきたてるヒアリングテクニックです。このテクニックはSPIN営業法やSPIN話術、SPIN話法と呼ばれています。


詳しくは後述しますが 

S:Situation Questions(状況質問)P:Problem Questions (問題質問)I:Implication Questions (示唆質問)N:Need-payoff Questions (解決質問)

の順番に質問をしていくことで、スムーズに良い商談の流れを導くセールス手法です。

SPIN営業法とは

SPIN営業法は、イングランド出身の心理学者であるニール・ラッカム氏が提唱した営業テクニックです。日本では1995年にラッカム氏の書籍の日本語訳版『SPIN式販売戦略』されたことで広く知られるようになりました。  

SPIN営業法の重要性

SPIN営業法では、まずS:Situation Questions(状況質問)で顧客の現在の使用サービスなどの状況を確認します。そしてP:Problem Questions(問題質問)で、現在使用しているサービスに問題がないかを確認します。次にI:Implication Questions(示唆質問)で、その問題は解決すべきものではないかと問いかけ、相手に問題を認識してもらいます。最後に、N:Need-payoff Questions(解決質問)で自分の会社やサービスで問題が解決できることを示すという流れになっています。


一般的なイメージの営業とは、大きく異なるのではないでしょうか。SPIN営業法では、相手に潜在的なニーズを気づいてもらうことに力を注ぎます。現代では、実は顧客は、情報はたくさん持っていても自分や自社が抱えている潜在的なニーズには気づいていないケースが非常に多いのです。商品の紹介やアピールをしても相手に響かないのは、商品やサービス自体に問題があるのではなく、相手がニーズに気づいていない場合も少なくないのです。


相手がそもそもニーズに気づいていないのなら、ニーズに気づいてもらう必要があります。そこでSPIN営業法を使いこなすことが重要になるというわけです。

SPIN営業法の4つの要素

ここからは、SPIN営業法を構成する4つの質問について詳しく解説していきます。  

S:Situation Questions(状況質問)

顧客の現在の使用サービスなどの状況を確認する段階です。顧客の状況を理解することで、顧客の立場になって考えるための材料を集めていきます。SPIN営業法の目的は「潜在ニーズを引き出すこと」。そのためには相手の状況をしっかりと把握することが重要になります。しかし、情報を集めたいばかりに質問の数が多くなると、相手から「業界のことを知らないんだな」と思われることや尋問されているような気持ちになった印象を悪くすることがあるので注意してください。


ポイントとしては、事前にわかっていたことでも、顧客と確認しながら話を進めていくこと。顧客と共通認識のもとで商談がすすめられますし、相手も現状の棚卸しができ現状や問題点の整理がしやすくなります。 

P:Problem Questions (問題質問)

次は現状抱えている問題はないかを確認していきます。問題質問は、相手の潜在ニーズを引き出すための質問です。最終的には自社の製品やサービスを提案したいのですから、自社の製品やサービスに関連する解決策を幅広く準備した上で、問題質問を用意するとよいでしょう。つまり、あなたの会社が解決できるものから逆算して質問を作っておくということです。  

I:Implication Questions (示唆質問)

1つ前の問題質問で掘り起こした潜在的なニーズをさらに掘り下げていく質問が示唆質問です。「Aという問題があれば、Bにも影響があるかもしれませんね?」などという形式の質問となることが多いでしょう。言い換えれば相手に「早く対処しないとまずいな」と思ってもらえるような質問をすることになります。


ここで注意したいのは、相手の思考の手伝いをするというスタンスを崩さないこと。あくまで相手主体で考えてもらうのが重要になります。その理由は、示唆質問で成約を焦るような質問をしてしまうと相手は一気に営業を受けている印象を抱いてしまうからです。  

N:Need-payoff Questions (解決質問)

最後の解決質問は、示唆質問で掘り下げた問題質問に対して解決策を提示する質問をしていきます。解決策を質問で提示するというのは、イメージがつきにくいかもしれません。例としては「Aのようなストレスを解消できるのが、こういったサービスではないですか?」、「この問題が解決できたらこんな良いことがあると思いませんか?」などといったものになるでしょう。 顧客は、示唆質問で「このままではまずいな」と暗い気持ちになっていたところに「こんな解決法があるんだ」と気づけるので納得感も満足感も大きくなります。


営業は解決質問の段階ではじめて自社製品やサービスの提案をすることになります。いわゆる説明型の営業とは大きく手法が異なるので、SPIN営業法をマスターするまでには時間も労力も必要です。しかし、ニーズに気づいてもらうところから商談を展開するSPIN営業法は、ニーズに既に気づいている人だけに売れる説明型の営業よりも広い範囲にアプローチ可能ですので、とても効果的な営業手法だと言えるでしょう。

SPIN営業法を身につけるためにできること

SPIN営業法はとても効果的な営業手法ですが、その分簡単に誰でも真似ができるものではありません。よほど頭の回転が速くないとその場で適切な質問をすることもできないでしょう。ここからは、SPIN営業法を身につけるためのヒントを紹介していきます。 

まずはヒアリング力をつけよう

SPIN営業法は、相手に質問をしてニーズを引き出す「聞く営業」です。営業は、話すよりも聞くことが重要だとはよく言われますが、実際にどのようにすれば聞く力、ヒアリング力がつけられるのかは知っている人は多くないかもしれません。


「ヒアリング力」、「聞く力」といっても相手の話を聞いているだけでよいわけではもちろんありません。ヒアリング力は、相手のニーズを聞き出す力。相手のニーズに合った商品をこちらが提案できるように、きちんとヒアリングを行うことが重要なのです。


ヒアリングの基本としては、まず「相手を主語にすること」が挙げられます。なかなか成果の出ない営業マンは商品を売ろう売ろうと気が焦るばかり「弊社のおすすめの商品は~」などと、自分を主語にしてアプローチしてしまいがちです。しかしこれはよほど相手と信頼関係を築いていないと通用しません。


なぜなら、相手からすれば「どれがおすすめの商品かは興味がない」からです。相手のニーズを引き出すのに、主語が自分では相手から情報を得られません。自分を主語にするのではなく、「最近は〇〇のタイプの商品のご注文をいただくことが多いのですが、御社でもそのあたりに課題を感じていらっしゃいますか?」というように相手を主語にして話をすることを心がけましょう。


また、「商材よりも商材によって得られるメリットを先に話す」のも効果的です。自分の商品を売ることではなく、相手の課題を解決することを仕事だと考えるなら、相手にとって有用な情報から伝えていくのが効果的だと分かるでしょう。営業ツールやロールプレイング(練習)の通りに商談をすすめなくてはいけないわけではありません。相手が聞きたいであろうことから話すのが重要です。


さらに、特に慣れないうちはヒアリングシートを作成することをおすすめします。ヒアリングシートとは、相手から得たい情報を項目ごとに分けておき、質問漏れをなくし案件へと結びつけやすくするためのものです。たとえば、「現状」、「困っていること、課題」、「納期」、「予算」、「決済の流れ」といったものを書き出せるようにしておくとよいでしょう。


相手のニーズをつかみ、適切な提案をするためには、ヒアリングを重視した会話が重要になります。会話のコツは、焦らないことです。会話とは「聞く」と「話す」があって初めて成立します。焦って早口になってしまうだけでも、頼りないという印象を抱かれてしまうこともありますので決して焦る必要はありません。


相手が話し終わるのを待って、こちらが質問する・話すということを心がけましょう。自分がクライアントを訪問してから商談を終えて会社を出るまでをスマホなどで録音しておき、後から聞き返すのも有効です。自分では「わりと上手くいった」と好感触でも、録音したものを聞けばそうではなかったということも多いです。自分のプレゼンを含め会話を客観的に聞くことで、改善点を見つけることもできます。聞く際には声のトーンやスピード、クライアントとの会話量のバランス(自分ばかりが話していないか)に注意してみましょう。


可能であれば営業成績の良い先輩や同僚に同行させてもらい、実際にどのように商談を行っているのか見せてもらったり、ロールプレイングといって上司や先輩に顧客役を演じてもらい、日々の営業と同じ設定でヒアリングを行い、その後に「よかった点」「改善するともっとよくなる点」をフィードバックしてもらったりするとよいでしょう。


おそらく先輩に同行する場合は「思ったより普通だな」という印象を抱きやすくことがあるでしょう。実はそれは当然のこと。先輩はヒアリング能力が優れているから結果を出せているからです。深く考えずに聞くと「普通に会話しているだけなのになぜ成約になるのか分からない」という印象を抱きやすいです。同行する際は、「どのような質問をどういった狙いでしているのか」を確認するという意識で臨むようにしましょう。  

ロジカルシンキングできないと適切な質問ができない

SPIN営業法では、「状況質問」、「問題質問」、「示唆質問」、「解決質問」の4つの質問をする必要があります。ある程度は自分の中であらかじめストーリーを描いておいて質問内容を用意しておくとよいでしょう。しかし、それぞれの質問は、「状況質問」を受けての「問題質問」、「問題質問」を掘り下がるための「示唆質問」というように、相互関係があります。つまり、それぞれの質問は独立しているわけではないので、論理的なつながりをきちんと保っておく必要があるわけです。質問を作成する上で重要となるのが、論理的思考能力とも呼ばれる「ロジカルシンキング」です。


ロジカルシンキングは、「今からロジカルシンキングをしよう」と思っても、トレーニングなしになかなか上手にできるものではありません。しかし、鍛えることは十分に可能です。日常生活のなかで小さなことでも疑問を持ち、なぜそうなのかを考えるといった習慣を身につけましょう。疑問に対する答えは正解でなくても構いません。どのように順序を立てて論理的に考えられるかが重要なのです。


たとえばいつも通勤で使う電車や道が、ふだんより空いていたとしたら「今日はラッキー」で済ませるのではなく、なぜ空いているのか考えてみる。電車の中吊り広告に目が留まったとしたら、自分が広告のどこが気になったのかを考えてみるといった、日常生活のさまざまな体験について、ロジカルシンキングをしてみることはロジカルシンキングを鍛える訓練として大いに有効でしょう。ニュースなどを見て、事実に基づいて自分はどう思うか、なぜそう思うかと整理してみることも練習法としておすすめです。


ロジカルシンキングをきちんと行えているかどうかをチェックするための手法として、2つのキーワードがあります。考えをすすめていく上でのヒントとなるものですので、ぜひ実践してください。



・MECE(ミーシーまたはミッシー)


MECEとは「Mutually(お互いに)」「Exclusive(ダブりなく)」「Collectively(全体的に)」「Exhaustive(モレがない)」の4つの単語の頭文字からとったものです。 全体で見たときにモレがなく、ダブってもいないという意味です。何かについて考えをすすめていく上で、モレがあれば正しい結論は導き出せませんし、ダブりがあれば同じことについて何度も考えることになり効率が悪いです。特にダブりについては、一見別のことに見えるものでもダブっていることがあるので注意が必要です。MECEをしっかりと意識することで、考える対象についてのダブりやモレをなくすことができます。



・So What?(つまり?)とWhy So?(なぜそうなのか?)


「So What?」は結論を導きだす際に、「Why So?」は原因を深堀りする際にヒントとなる言葉です。事例だけを並べても、結局何のことなのか、何が言いたいのか伝わらなければ意味がありませんし、しっかりと考えを深堀りできていないと中身の薄い結論が導き出されてしまいます。「So What?」と「Why So?」を意識することでロジカルシンキングを常に鍛えていきましょう。



ロジカルシンキングは、自分の考えを整理する際にも、相手に自分の考えを伝えるコミュニケーションにも役立つ思考法です。ふだんの生活から意識することで鍛えることは十分に可能です。自分のビジネスの効果を上げるためにも、取り入れてみてはいかがでしょうか。さまざまな本やテキストなども多いジャンルですので、一度そういったものをチェックしてみるのもよいでしょう。

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