• 2021/02/03
  • ノウハウ
  • スキル×マーケ

マーケティングに欠かせないLTV(ライフタイムバリュー)という概念について

  • マーキャリ 編集部
article-image
目次

この記事で分かること

・LTV(ライフタイムバリュー)とは何か

・LTVが注目される背景

・LTVの計算方法

・LTVと関連が深いアカウントベースドマーケティング

・LTV向上のために導入必須のCRMについて

LTV(ライフタイムバリュー)とは

LTV(ライフタイムバリュー)は、「Life Time Value」の頭文字を取ったもので、顧客が生まれてから死ぬまでの間に企業にもたらしてくれる価値のことを言います。日本語では「顧客生涯価値」と訳されることが多いです。ここで言う価値とはもちろんお金のこと。LTVは言うなれば顧客がサービスや製品に使う金額の総額です。


LTV自体は考え方を表す言葉です。LTVが登場するまでは、いかに市場でシェアを占めるかに企業は心血を注いでいました。LTVは市場ではなく、個人や企業の業務や生活をいかに自社の製品やサービスで占有するかに重きをおこうという、シェア対する捉え方に変化を与えた概念です。


LTVを向上させるためには、画一的で一方通行のコミュニケーションではなく、個々に合わせたコミュニケーションが必要であるとするのがLTVの基本の考え方です。

LTV(ライフタイムバリュー)が注目される背景

LTVが注目される背景には大きく分けて2つの理由があります。1つは企業の業務効率化を推進し収益を最大化しようとする流れ、もう1つはマーケティングにおいて重要となる顧客の購買履歴や顧客とのコミュニケーション履歴を管理するCRMと呼ばれるシステムと相性が良いからという理由です。  

業務効率化し、収益を最大化する

収益を最大化するためには、最小のコストで最大の効果を上げることが望ましいです。それを実現するための基礎となる考えとして、「1:5の法則」と「パレートの法則」と呼ばれるものがあります。


「1:5の法則」

1:5の法則は、マーケティングの世界では基本の考え方で、新規の顧客を獲得するためには、既存の顧客を維持するよりも5倍のコストがかかるというもの。新規の顧客の獲得のためには広告宣伝をはじめとした多くのコストがかかります。それに比べて既存の顧客に再度商品を購入してもらうために要するアフターフォローなどの費用は5分の1で済むわけです。


新規顧客の獲得にはコストがかかるうえに利益率が低い一方で、一度商品を購入した経験のある既存顧客は少ない費用で再度商品を購入してくれる可能性が高いことになります。LTV(ライフタイムバリュー)は、顧客全体ではなくそれぞれの顧客に合わせたアプローチを重視する考えです。そのため「1:5の法則」はLTV(ライフタイムバリュー)を考える上でも重要な法則と言えます。



「パレートの法則」

パレートの法則は、「2:8の法則(にっぱちのほうそく)」とも呼ばれるもので、「全体の2割の要素が、全体の8割の数値を生み出している」という法則です。

具体的には

・売上の8割は全体の2割の顧客が占めている。

・ホームページの総アクセス数の8割は、2割のページに集中している。

・営業利益の8割を生み出しているのは、全営業マンの2割の人数。

などが例として挙げられます。


パレートの法則によれば企業の売上を生み出しているのは2割の顧客となります。そのような顧客は、新規の顧客ではなくいわば会社のファンと言えるような既存顧客です。画一的なアプローチではなく、それぞれの顧客が生涯自社に使ってくれる価値をはかるLTV(ライフタイムバリュー)との関連性は、「1:5の法則」同様に高いです。  

LTV(ライフタイムバリュー)の計算方法

LTV(ライフタイムバリュー)は、マーケティング活動を行う上での指標として、数値化されるものでもあります。LTV(ライフタイムバリュー)を算出する方法は、「LTV=購買単価×購買頻度×契約継続期間」です。


式からも分かる通りLTVの値を高くしたいのなら

・購買単価を上げる

・購買頻度を高める

・契約期間を長期化する

といった3つの方法があるわけです。現代のマーケティングでは、LTV(ライフタイムバリュー)を高めるためにさまざまな施策を講じていると言ってよいでしょう。

言い換えれば、購買単価を上げるためにはどうすればよいか、購買頻度を高めるために何をすればよいか、契約期間を長期化するためにはどうすればよいかを考えていくのがマーケティングだということです。


購買単価や購買頻度を上げるために行うことは、商品の値段を上げることでも、壊れやすいものを作ることでもなく他の商品も買ってもらうこと。契約期間を長期化するために行うことは、不必要な解約金を設定することではなく自社の商品やサービスの価値を感じ続けてもらい、会社のファンになってもらうことです。  

LTV(ライフタイムバリュー)と関連が深いアカウントベースドマーケティング

LTV(ライフタイムバリュー)の向上のために企業が行うべきことは、企業本位ではなく顧客本位のもの作りやサービスです。顧客がどうすれば喜んでくれるか、満足してくれるかを、顧客全体ではなくひとりひとり、ひとつひとつの企業に対して考えることが重要になります。


LTVの考え方をもとに行われている具体的なマーケティング活動がアカウントベースドマーケティングです。  アカウントベースドマーケティング(ABM:Account Based Marketing)は、簡潔に言うなら「データをもとにターゲットとなる企業を絞り、そこに営業をしっかりとかけ、売上の最大化を目指す戦略」のことを言います。ここで言うデータとは既存の顧客や新規顧客となる候補である見込み客のデータのこと。顧客情報の1つである名刺などは、担当者のデスクに眠っていることも多いものですが、そのままでは売上をアップさせるために機会損失となってしまいます。データはCRMなどを導入して全社的に統合し、一元管理することが必須となります。


ターゲットとなる企業は既存の大口顧客であるお得意様、またはこれから大口顧客となる見込みがある企業です。アカウントベースドマーケティングでは、具体的な企業を対象にアプローチをするため、業種や市場といった広い範囲にアプローチをかけるものとは異なるという特徴があります。  

アカウントベースドマーケティングにはメリットが多い

LTV(ライフタイムバリュー)の概念を基礎とするアカウントベースドマーケティングには、たくさんのメリットがあります。


・営業活動の効率化

アカウントベースドマーケティングでは、あらかじめアプローチをかける企業を絞った上で行動を起こします。特定の企業にコストを集中できるため無駄を減らすことができ、営業活動の効率化につながります。


・PDCAが高速で回せる

アプローチをかける対象となる企業が少ないので、問題点や改善点も浮かび上がりやすいです。どこに問題があるのかがつかみやすくなり、検証のための行動もスピーディに行うことができるようになります。  

アカウントベースドマーケティングは日本向き

企業が商品の購入やシステムを導入する際の意思決定の方法には、「トップダウン」と「ボトムアップ」の2パターンがあります。意思決定の方法と言うより、正確には意思決定の「流れ」と考えると分かりやすいです。トップダウンは社長や役員などがまず意思決定をし、それがトップから現場の社員へ指示として下りていくのに対し、ボトムアップは現場社員からの提案をもとに徐々に職位の高い人につなぎ、最終的にトップに提案を行いトップの了承を得るというスタイルになります。


日本は、ボトムアップ型の経営スタイルです。たとえば新規の営業で商品の提案を行う際にいきなり社長には会えないことからもボトムアップ型だと分かりますよね。まずは現場の担当者とアポイントを取るところから始まるはずです。


アカウントベースドマーケティングでは、それぞれの企業に対してたくさんの接点を持っておいた方が、効果が上がります。たとえばシステムの導入などという全社的なことであれば、1つの部署でなくたくさんの部署が関わってくるからです。


つまり、アカウントベースドマーケティングを行うにあたっては、トップダウンではなく日本の多くの企業のようにボトムアップ型で運営されている方が有効だと言えます。  

アカウントベースドマーケティングを採用する際の注意点

売上を最大化するための戦略であるアカウントベースドマーケティングですが、導入するにあたってはいくつか注意点があります。 


・企業の戦略として導入するべき

データを統合してターゲットとする企業を絞り、アプローチをかけるという流れでアカウントベースドマーケティングは行われます。最初のステップとしてはデータを全社的に統合し一元管理することが求められます。部署単位であったり、特定の顧客や企業は除外したりすれば、「売上の最大化」にはつながりにくいと考えられます。アカウントベースドマーケティングを企業の戦略として行うなら全社的な取組みとすることを推奨します。


・マーケティングと営業の強い信頼関係が必須

データを分析するのはマーケティング部門の仕事だとしても、顧客とファーストコンタクトをし、名刺交換をするのは営業職です。そのため営業職がデータを渡さないことには、データの統合ができません。自身の顧客となる可能性を秘めたデータを、マーケティング部に渡してもらうためには、会社の中でマーケティングが根付いている必要があります。マーケティングがしっかりと機能することで、営業成績はもちろん会社全体の収益にもつながっていることがきちんと営業職に認識されることが信頼関係の構築に欠かせません。


また、アカウントベースドマーケティングを行う際に、ターゲットとする企業を新規顧客のみに絞る企業もあります。しかしこれは営業部門を飛び越えてマーケティング部門が既存の顧客とコンタクトを取ってほしくないという気持ちの表れだと言えます。「パレートの法則」によれば、抱える顧客の上位2割が企業全体の8割の利益を生むのが通常ですので、「売上の最大化」を考えるなら、既存の大口顧客も含めてアカウントベースドマーケティングを行うのがベストです。  

LTV向上のためには、顧客データを管理するCRMの導入が前提

CRMとは「Customer Relationship Management」の略称で、SaaSのサービスとして提供される顧客管理システムのことです。つまりはクラウド上で顧客管理が出来るシステムのことを指します。 LTVを向上させたいのに、顧客の情報をきちんと管理できていなければ元も子もありません。LTVの向上に限らず、現代のマーケティング活動において必須と言えるシステムがCRMです。CRMで顧客との関係を一元管理することで、全社員が情報にアクセスして効率的な営業ができます。 

CRMを導入する主なメリット

CRMを導入するにあたって挙げられるメリットは大きく分けて以下の2つです。


・顧客の情報を一元管理して全社員で情報共有できる

顧客の情報は、これまで営業担当しか知らないというパターンが多くありました。ベテランの営業担当にはこれまで蓄積した自分だけの情報があるものでしたが、CRMを導入すれば情報量の差がなくなります。たとえば新人の営業担当が先輩から担当を引き継ぐ場合などでも、必要な情報の漏れがなくなります。クラウド上で入力作業ができるので、職場に戻らなくてもたとえば商談が終わったタイミングなどですぐ情報共有ができるようになります。


・見込み客に対して効果的なマーケティング活動ができる

ひと口に見込み客といっても会社の規模やニーズは異なるものです。従来のマーケティングではそれぞれの企業に合わせたアプローチではなく、どうしても画一的なものになりがちでした。CRMに情報を蓄積していくことで、見込み客ごとの効果的なアプローチや、成約につながらなかった場合の原因分析もしやすくなります。

「マーキャリNEXT CAREER」無料キャリア相談実施中

マーケタースキル診断公開中!!

関連記事

検索条件を変更する

フリーワード

記事カテゴリ
タグ