• 2020/11/18
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多様化するマーケティングの概念「O2O」「オムニチャネル」「OMO」の違いを解説します!

  • マーキャリ 編集部
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目次

企業が製品やサービスの販売戦略を立てる上で欠かせないマーケティング活動。マーケティングの手法はインターネットやスマートフォンの発達に伴って大きく変化を見せています。この記事ではオンラインを使ったマーケティングとして、混同されやすい「O2O」、「オムニチャネル」、「OMO」についてそれぞれの特徴と違いを詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

O2Oとは

マーケティングの概念である「O2O」、「オムニチャネル」、「OMO」の3つのうち、基本となるのは「O2O」です。まずはO2Oから内容を確認していきましょう。


O2Oは、「Online to Offline」の略で直訳すると「オンラインからオフラインへ」となります。オンライン、つまりインターネット上からリアル店舗(オフライン)へ誘導するために、集客や購買を促す施策のことを指します。たとえば店舗から配信するメルマガやクーポン、新商品などの情報案内などが含まれます。ネット上のECサイト内で店舗情報ページを作り、店舗の位置や店舗の在庫が分かるようにして実店舗に誘導したり認知させたりすることも含まれます。


個人で実店舗を運営している場合は、集客にかける時間や人手も足りないことが多いです。O2Oは、店舗のECサイトを充実させてネットでも売上を伸ばそうというよりは、実店舗でしっかりと売上を作ろうとする施策と言えます。また、オンライン上でユーザーの動きについて分析しようとするとGoogleアナリティクスなどの分析ツールを使いこなせるようになる必要がありますが、O2Oではクーポンなどは実店舗で使われることになりますので、ウェブ上で行った施策の効果が、Webに詳しくなくても把握しやすいというメリットもあります。


O2Oの段階ではオンラインとオフラインは完全に別のものとだと切り分けて考えられているのが大きな特徴です。

オムニチャネルとは

オムニチャネルのチャネルとは、商品やその情報を消費者に届ける経路のことを指します。実店舗はもちろんのこと、ECサイトやSNS、カタログや雑誌、広告、展示会などもチャネルです。オムニには「全体」という意味があります。オムニチャネルはECサイト(オンライン)と実店舗(オフライン)を連携させて消費者と接点をもちやすくし、売上を向上させることを狙う施策のことです。チャネルにはさまざまなものがありますが、全体を1つの販売チャネルとして捉えるのがオムニチャネルです。


たとえばアパレルブランドでは、オンラインには在庫があるのに店頭では売り切れで買えないということがよくあります。これはオンラインとオフラインの連携と活用が不十分で、オム二チャネルとは言えません。オムニチャネルでいうところの連携とは顧客の情報や在庫情報などのデータの連携も含まれています。


統合したデータをもとに、チャネルの垣根なく、どのチャネルからでもいつでもどこでも同じように利用できるかたちを整えるのがオムニチャネルです。たとえば店舗で商品を買ったら、ECサイトでも自動的にアカウント情報が反映されるといったものや、ECサイトで注文したものが実店舗で受け取れるサービスがオムニチャネルの例と言えます。


オムニチャネルはO2Oの進化版と捉えて問題ないでしょう。オムニチャネルではそれまで完全に切り分けられていたECサイトと実店舗の垣根をなくすため、O2Oと比べてオンラインとオフラインの境界が薄くなっています。

OMOは小売業の最終形

OMOは、「Online Merges Offline」の略称で、「オンラインとオフラインの融合」という意味です。「OMO」とは、主にオンラインがオフラインを包み込んだ状態のことや、オンラインとオフラインの融合を前提とした戦略のことを言います。ひとことで言えばオンラインとオフラインを別のものと捉えず、1つのものとして融合させ、より質の高い顧客体験を目指す動きとなるでしょう。


インターネットやスマートフォンが発達した現代においては、リアルの生活においても常にオンラインとつながっています。商品を購入したり外食をしたりする際には当たり前のように「検索」によって「他と検討比較」をして購入を決定しています。


そこで企業側には、オンラインとオフラインを融合・駆使することで、「どうすれば質の高い情報を届けられるか、価値を伝えられるか」、「顧客と継続的な関係が築けるか」を考え抜き、サービスに反映させることが求められています。 事例としては、無人レジでのスマートフォンアプリで決済ができるようにすることは、OMOの一例と言えます。  

OMOとオムニチャネルの違い

OMOがオンラインとオフラインの融合、オムニチャネルがオンラインとオフラインの境目をなくすといった考え方ですが、この2つの違いは少し分かりにくいかもしれません。 OMO戦略として実施されているプロジェクトが実際はオムニチャネルと同様のものであるケースなどもあり、誤解や同一視されやすい傾向にあります。


OMOとオムニチャネルの一番の違いは、「視点」です。オムニチャネルはECサイトと実店舗で在庫を共有するなど、いわば機会損失を防ごうとする企業視点の考え方です。一方でOMOは「オンラインとオフラインを別のものと捉えず、1つのものとして融合させ、より質の高い顧客体験を目指す動き」ですので、消費者やユーザーといった「顧客視点」であるという違いがあります。実際の施策の内容よりも、考え方の違いと捉えると分かりやすいでしょう。顧客によりよい購買体験をしてもらうために、オンラインとオフラインを分けて考えるのではなくオンラインがオフラインを内包したものであると捉えていこうとしているのです。このような状態を「アフターデジタル」と表現することも多いです。


OMOが話題になる中でも、しっかりとオムニチャネルが実行できている企業は少ないです。実店舗には基本的に売上目標がありますので、店舗の在庫をECに回すことや、実店舗に訪問してくれたお客様が最終的にECサイトで購入した場合、実店舗の評価はどうなるのかといった現場の不満を解消できていないことが多いのです。この解決にはリーダーシップを持った経営陣の経営戦略の発信が欠かせないでしょう。


また、現場側は今やECサイトが実店舗への訪問につながっていることも知っておくべきでしょう。実店舗に足を運ぶ人であっても事前にECサイトなどで商品を確認し、欲しいと思ったものをその目で確かめたり試着したりする目的でリアル店舗に行くことは少なくありません。ECと実店舗どちらが重要という位置づけではなく、同じ1つの販売チャネルとして捉えることが重要です。 

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