企業の販売戦略を担うマーケティング。ひと口にマーケティングといっても企業によって役割が異なることや、マーケティング専門の部署がなく営業職がマーケティング活動を担当していることもあります。自社の製品やサービスのことは自社が一番分かっているものですが、その売り方となると話は別です。
この記事では他社に対してマーケティング活動のコンサルティングを行うマーケティングコンサルタントの仕事内容について詳しく解説しています。マーケティング業界への就職・転職に興味がある方に特にご覧いただきたい内容となっています。マーケティングコンサルタントへの就職・転職事情についても解説していますので、あわせて参考にしてください。
コンサルタントの役割とは
マーケティングコンサルタントは、「マーケティング分野を専門とするコンサルタント」です。そのため、まずはコンサルタントとは何かについて知っておくと、理解がはやいです。マーケティングコンサルタント以外にも、経営コンサルタントをはじめとしてコンサルタントを行う職種はさまざまにありますが、どれもコンサルティングをするという点では共通しています。
コンサルタントとは文字通りコンサルティングを行う人のことを指します。コンサルティングを直接意味する日本語はないのですが、「相談に乗って課題解決のためのアドバイスや提案、支援を行うこと」をコンサルティングと言います。コンサルティングを専門に行う会社のことをコンサルティングファームと呼びます。コンサルタントには、起業して個人事業主やフリーランスでコンサルタントとして活動している人もいます。
基本的にコンサルタントのクライアントは個人ではなく企業です。企業内で解決策が見いだすことが難しいような課題に対して分析、調査し、戦略を経営陣やトップに対して提案するものですので、非常に深い知識や経験が必要になります。また、企業によって課題がある部分は異なるので、方程式のように課題解決のための戦略がすぐに導き出せるとは限りません。そのため、知識だけでなく考える力も重要になります。
経営コンサルタントの場合は、会社の経営に関わる営業や経理などを全般的にコンサルティングを行いますが、マーケティングコンサルタントは企業が抱えるマーケティング課題を解決するためのサポートを行うのが仕事です。
マーケティングコンサルタントの仕事内容
マーケティングコンサルタントの重要な役割は、課題を発見するための情報整理です。相手の現状を見ずに、マーケティングプランを提案するようではクライアントから信頼を得ることは難しいでしょう。課題というのは、クライアントが課題だと思っているのは表面的なもので、本当の課題は潜在的なものであることも多いです。マーケティングコンサルタントはクライアントからしっかりとヒアリングを行い、相手が何を求めているのかを把握するところから仕事が始まります。
マーケティングコンサルタントは、マーケティングの専門家としてクライアントに改善プランを提案する立場ですが、決して指導者ではありません。クライアントとは上下関係ではなく対等なパートナーとして接することが信頼関係を築く上でも重要となります。一方的な提案でなく、相手のニーズに合わせた提案を行い、課題解決を目指すことが求められます。
クライアントはさまざま
マーケティングコンサルタントへ依頼が来るのは、マーケティング部署を持たない企業だけではありません。自社にマーケティング部署があり、改善を試みてきたが結果に上手くつながっていないといった場合もあります。マーケティングとは「売れる仕組み作り」です。市場調査をするというイメージがあるかもしれませんが、市場調査はもちろんのこと、商品開発や広報、広告宣伝などもすべてマーケティング活動です。そのため、クライアントの課題を発見するためには、非常に広範囲のことについてヒアリングをする必要があります。
主な課題としては、販促方法の見直しや広告宣伝の取捨選択、自社のマーケティング力の強化などが挙げられます。課題は広い範囲にわたりますので当然のことながらマーケティングコンサルタントとして活躍していくためには、マーケティング全般に精通しておかなければ適切なアドバイスをすることはできません。
マーケティングコンサルタントになるには
マーケティングは企業の核とも言える重要なものです。そのため、マーケティングコンサルタントをはじめマーケティング業界への就職・転職ともに求人募集は豊富にあります。しかし、新卒や未経験からすぐにマーケティングコンサルタントへ採用されることは難しいと言えます。
近年では売り手市場といって、求職者にとって有利な状況にあったのですが、景気が低下へと向かえば特に転職市場においては即戦力を求めるようになります。マーケティングコンサルタントとは、マーケティングを専門とするコンサルタントであるということ。つまりクライアントがいる仕事です。自社のマーケティング部門で1人のマーケターとして就職をして経験を積むという段階を経ずに、顧客に対するアドバイスや提案をすることは不可能でしょう。
マーケティングコンサルタントを目指す場合には、まずはマーケターとして経験を積み、スキルを磨くところからスタートすることをおすすめします。