一般社団法人日本CTO協会は、デジタル庁の創設に向けた提言をを2020年10月7日に発表しました。(参考:日本CTO協会、デジタル庁の創設に向けた提言を発表)
デジタル庁の創設に向けて、行政組織自体のDXを提言する内容となっています。
重要項目として、5つが挙がっていますが(本記事、最下部に記載)、
「Nation as a Service(サービスとしての国家)」の項目は興味深く、
行政のサービスを民間が活用しやすいAPIサービスとして、提供することを第一に考えるべきだと言い、例えば、引っ越しの際に、行政の提供するITサービスで住所変更を行えば、自身が利用しているさまざまな民間サービスの住所変更も自動的に行われる。といった具体的なDX推進のメリットが描かれています。
行政のDX化は民間企業にも大きな影響を与えることが想像できるでしょう。
下記、提言をリリースから引用します。
健康で文化的な生活の継続には「コンピューターが働きやすい社会」が必須
行政組織に「組織構造・文化レベルで高速な仮説検証を実現できる能力」を!
一般社団法人日本CTO協会(本社:東京都渋谷区/代表理事:松岡剛志、以下:日本CTO協会)は、2020年10月7日にデジタル庁の創設に向けた提言を発表いたしました。
(日本CTO協会の提言詳細はこちら:http://bit.ly/ctoa-digital-agency-proposal)
■日本社会の本質的なDX実現に向けて
日本は世界で最も少々高齢化が進み、深刻な人口減少や労働力不足といった課題を抱えています。そのような状況で“人々の健康で文化的な暮らし”を継続していくには「コンピューターが働きやすい社会」の実現が必要だと考えます。非人間的な業務をコンピューターに任せ、ヒトにしかできない本質的なことに人間が集中できるよう変革を起こすのです。そのためには、業務効率向上を目的とするデジタル化(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)はもちろん、コンピューターをうまく働かせるソフトウェアエンジニアの開発者体験(Developer eXperience:デベロッパーエクスペリエンス)の向上が必須となります。この2つを合わせて日本CTO協会は「2つのDX」と呼び、切っても切り離せない車輪の両軸として重視しています。
また日本社会が本質的なDXを実現するためには、「組織構造および文化レベルで、高速な仮説検証を実現できる能力」を行政組織が自ら獲得すべきだと考えます。そのためには、経営と技術の両面を理解するCTO(Chief Technology Officer)の存在が不可欠であり、500名以上のCTOが在籍する日本CTO協会は、企業の壁を超えて集約してきた知見・経験を活かして、デジタル庁の創設や本質的なDXの実現に向けた一助となればと考えております。
■行政組織が自らITシステム・サービスを作り続けるために重要と思われる5項目の提言
これまで日本の行政機関においては、ITは「調達するもの」であり「自分たちでコントロールするもの」「改善を続けるもの」「共に創るもの」とは考えられていなかったと思います。しかし日本社会の本質的なDX実現、更には国民の幸福を追求するにあたっては、行政組織が自ら「継続的に価値を作り続けていく」対象として ITシステムやサービスを捉え、抜本的に認識を変えていく必要があると考えます。それにあたり、重要と思われる下記の5項目を提言として発表させていただきます。
ソフトウェアコントローラビリティの獲得
ソフトウェアファーストな法整備
Nation as a Service(サービスとしての国家)
データ駆動とKPI
失敗を許容する文化と透明性
※各項目の詳細は、日本CTO協会のホームページに掲載された提言のページをご参照ください。
(日本CTO協会の提言詳細はこちら:http://bit.ly/ctoa-digital-agency-proposal)
出典:https://cto-a.org/news/2020/10/08/3806/