外回りをする営業は契約書を持ってくる役目ですので、注目されることも多いでしょう。しかし仕事はチームで行います。1件のクライアントを獲得するためには様々な人が連携し、受注に繋がっています。本記事では普段日の目を見ることが少ない内勤営業について紹介します。
内勤営業は社内で縁の下の力持ちのような存在です。どのような仕事をしているのか普段把握しづらいでしょう。本記事を読むことで、内勤営業の仕事内容から社内に存在することのメリットまで理解できます。
内勤営業とは
内勤営業とは外に出ずにクライアントに対して営業活動を行う職種です。最近はカウンターセールスやインサイドセールスという呼ばれ方もします。業界でいうと自動車・不動産・保険・IT・旅行代理店など様々な分野で活躍の機会があります。
営業といえども外勤営業とは仕事内容が全然違うので詳しくみていきましょう。
仕事内容
業界ごとに仕事内容は異なるので、一概には説明できません。そのため内勤営業がする機会が多い仕事内容について紹介します。
インバウンド対応
社内に来た電話やメールの対応をします。問い合わせ内容は興味を持っている人やクレームで連絡してくる人など様々です。そのためその場の状況を理解しつつ丁寧に対応する必要があります。
インバウンドの内容を理解した後は担当の部署へ繋ぎます。この際も、社内の人が理解できるように要点をまとめて伝える技術が求められます。
来客対応
実店鋪を構えている場合には来客対応もします。来客は突然来るのでいつでも対応できる準備をしておく必要があります。 また自分の作業が中断してしまうことも多いので、突発的なことが起こる前提で1日のスケジュールを組みます。
クライアントが出会う最初の会社の人なので、ここで失礼があってしまうと後々にも影響してしまいます。最低限のビジネスマナーは必須となるでしょう。
外勤営業へのトスアップ
外勤営業へクライアントをトスアップする役割がある会社もあります。いきなりクライアントを外勤営業へ繋ぐのではなく、ある程度自社のことを理解してもらってから渡します。その際内勤営業は電話やメール、オンラインミーティングなどの非接触の形で関係構築する必要があるため、とても難しい業務になります。
他にも外勤営業に変わりアポイントをとります。見込み客リストに対してひたすら電話をかけ続け商談できるクライアントを探します。そしてアポイントがとれたら外勤営業に上手く引き継ぎをします。 内勤営業がここまでやってくれると会社全体としても効率よく売上を伸ばすことができます。そのため最近ではナーチャリングを内勤営業に任せる企業も増加しています。
このように内勤営業はこれまで外勤営業がしていたこともする時代になりました。そこで次章より内勤営業と外勤営業の違いについて紹介します。
内勤営業と外勤営業の違い
内勤営業と外勤営業の違いは2つです。購入意思と自由度の違いです。
購入意思の違い
クライアントの購入意思が違います。外勤営業の場合は購入意思がない人にも営業をかけて購入してもらうよう働きかけます。しかし内勤営業の場合は購入意思が高い人が多いです。興味があって問い合わせをしてきていることが多いので比較的販売は楽にできるでしょう。
また購入意思が高いと話も聞いてもらいやすいので提案時間も長くなります。そのためより付加価値を提供できるかが重要となってくるでしょう。
自由度が少ない
外勤営業に比べ内勤営業は自由度が少ないです。常に社内にいるので、なにかしら業務をしていなければなりません。外勤営業の場合は外に出てしまえば、誰が見ているわけでもないので、自分で好きな計画を立てやすいです。
その分内勤営業は残業もなく時間通り業務が終わるので、仕事終わりの予定は立てやすいでしょう。
仕事を進めていく上での辛いこと
内勤営業の外勤営業にはない仕事での辛いこと・大変なことについて紹介します。
給料が上がりづらい
給料が上がりづらく将来の年収の伸びも期待できない可能性があります。内勤営業はノルマ等の目標が課せられることもないので、定量評価がしづらいです。そのため定性に基づき評価されます。しかし定性評価では会社への貢献度が具体的に測れないため、給料が上げづらいのが現状です。
内勤営業としても給料を上げる道は管理職になることです。内勤の中でも管理する立場になれば、役職手当がもらえるので年収の増加が見込めるでしょう。
人間関係が大変
内勤営業はほとんどの時間を社内で過ごします。一度人間関係が悪くなると仕事がしづらくなってしまいます。そのためコミュニケーションには細心の注意を払いつつ、仕事しやすい環境を形成しましょう。
人間関係は仕事を辞める一番多い理由です。気を遣いながらコミュニケーションをとるのはストレスにはなりますが、長い目でみると自分の働く環境を確保することになるので、良い人間関係を築き上げましょう。
企業が導入する上でのメリット・デメリット
最後に内勤営業を企業が導入する上でのメリット・デメリットについてみていきましょう。
メリット
まずはメリットから説明します。
営業の効率化
少ない人員で営業活動ができ効率化を図れます。内勤営業が1人でもいてアポインターや簡単な顧客対応をしてくれることで、外勤営業は商談に集中できます。また外勤営業ばかりだと訪問営業が主となってしまい、数をこなせません。しかしテレアポやDMの場合では多くの顧客にアプローチできます。そして外勤営業は内勤営業によりスクリーニングされた顧客リストに基づいて営業できるので、購入意思のない顧客に割く時間が減少します。
営業の無駄を削減
外勤営業の無駄を削減できます。無駄とは移動に関わるコストです。例えば出張の回数は減らせます。これまで遠方の顧客とのエンゲージメントを高める手段として、何回か出張し顔を突き合わせることで関係を構築していたことでしょう。
しかし内勤営業も顧客と連絡をとりフォローすることで、契約のみ外勤営業が訪問すればよい状態を作れます。また出張にかかる無駄な移動時間も他の業務に費やせるので生産性も高まるでしょう。
デメリット
続いてデメリットについて紹介します。
スキルの習得
新しくスキルを習得しなければなりません。外勤営業と内勤営業では営業のコツや能力が全く違うため1から学習する必要があるでしょう。
齟齬が生まれやすい
認識のずれが生じやすくなるでしょう。外勤営業が全て1人で対応していれば顧客の全てを把握しているため何も問題は生まれません。しかし内勤営業も関わると顧客の情報が分断されます。そのため内勤営業から外勤営業にトスアップする際に情報が上手く伝達できていないと、顧客を混乱させることになりかねないでしょう。
まとめ
内勤営業は営業の効率化という側面から着実に注目を集める職種になっています。資格等もいらずに転職できるので、現在の仕事内容に不満がある人は検討してみるのもおすすめです。早い内から就職することで管理職にもなりやすくなるでしょう。