AIやIoTといった分野は5Gの影響もあり2020年以降で、急成長が見込める業界です。こうしたIT業界の仕事ではどうしても専門的なスキルを保有していないと、就職することが難しいと考えている人は多いのではないでしょうか。 唯一事前に高度なITスキルを保有していなくとも、働ける職種があります。それは営業職です。営業であれば仕事をしつつ自社製品についての知見を溜めていけばいいので、就職する前から詳しい必要がありません。
本記事ではIT営業について紹介します。まだこの職種について詳しくない方におすすめです。
IT営業とは
IT営業とはITの力でクライアントの課題を解決するために様々な商品を販売する仕事です。様々な商品とは営業ツールなどのパッケージソフト・Web制作・アプリ開発・システム構築といったものが該当します。冒頭でも紹介した通り、実務経験がなく未経験でもIT営業はできます。理由はあくまで販売することが営業の仕事だからです。知識があるに越したことはないですが、商談時には専門知識があるエンジニアやディレクターにも同席してもらえるので、知識がなくても販売はできます。
それでは具体的な業務内容についてみていきましょう。
仕事内容
具体的には新規開拓営業とアップセルorクロスセルを狙った営業をします。
新規開拓営業
新規開拓営業ではモノ売りというイメージではないです。コンサルティング要素が強く、クライアント毎に商品をオーダーメイドで提供します。営業の力だけで契約をとれることはないので、社内でどのような方法で攻めいていくのか戦略を立てながら営業をしていきます。営業のやり方は人それぞれです。飛び込み営業もあればメールマーケティング、交流会から捕まえてくる人もいます。自分にあった方法でタッチポイントを増やします。接点の持ち方は一般的な営業職と同じになります。
アップセルorクロスセル
既存クライアントをフォローすることでアップセルorクロスセルを狙います。一般的な営業職では一度販売したら、その後は関係ないという職種もあるでしょう。しかしIT営業では契約をしてからの方が重要でしょう。理由は新規契約時からクライアントにとって必要な製品を全て導入するわけではないからです。まずはお試しという形でミニマムなプランで契約するパターンが多いです。
そして使っていく内に、必要な製品が増えていきます。そこでアップセルが生じます。 また既存クライアントの場合は基本的にクライアントとエンジニアのつなぎ役のようなイメージです。
エンジニアの言葉を砕いて、どのような伝え方をしたらクライアントに伝わるのかを考えるのも営業の仕事です。伝達力が必要になってくるでしょう。加えてIT営業とは広義の意味になり、人によってはさらに2種類に分けて考えている人もいます。SESとSIです。
SES
SESとはシステムエンジニアリングサービスの略です。SESはIT人材が不測している企業に対して労働者を提供する仕事になります。自社で抱えているシステムエンジニアを法人企業に派遣するようなものです。詳しい内容については別記事で紹介していますので、そちらを参考にしてください。
SI
SIとはシステムインテグレーションの略です。SIは会社の利便性や効率化を図るために、新しいシステムの提供・運用・保守をする仕事です。SIを提供する企業のことをSIerと呼びます。SESは労働力を提供することに対してSIはシステムそのものを提供します。提供するシステムは既存のものだけでなく、世の中にないものであれば、新しく設計して提供することもあります。
福利厚生
IT業界は一般的にブラック業界と呼ばれることは多いです。そのため営業職でも一概には言えませんが、可能性はあるでしょう。ブラックと呼ばれる理由は慢性的な人手不足です。日本の企業ではシステムエンジニアや技術職の数が圧倒的に足りていないので、補うために時間外労働を強いられます。
しかし今回はIT営業です。営業職においてはノルマをきちんと達成していれば問題はないでしょう。ベンチャー企業の場合は例外もあります。大手企業では一人あたりの仕事が割り振られていますが、ベンチャーはそうではありません。限られたリソースで業務を回さなければいけないので、営業職であろうと他の業務をしなければならず、残業は避けられません。 ITベンチャーを志望する場合はある程度の覚悟を決めておきましょう。
IT営業に向いている人・向いていない人
IT営業に向いている人・向いていない人を紹介します。IT営業に転職を考えている人は、どのような人材が必要とされているのかチェックしておきましょう。
向いている人
向いている人から紹介します。
チームプレーが得意
IT営業では1人の判断で仕事が進むことはまずありません。社内外で調整しながら仕事を進めなければならないためチームプレーが得意な人は向いているでしょう。クライアントの無理難題に対しても、社内の調整力が高い人は上手に社員を動かすことで、要望に応えられます。また大きな案件になれば、社内だけでなく他の会社にも協力を要請して、システムを構築していく場面もあります。このように周りの人をスムーズに動かせる人はIT営業に向いているでしょう。
論理的思考
論理的に物事を考えられる人は向いていると言えます。IT営業ではクライアントからヒアリングした内容がニーズではないことが多々あります。理由はクライアントも潜在ニーズに気付いていないからです。そもそもクライアントの担当者も上司から言われたことをそのまま伝えていることもあるので、状況の整理も必要になってきます。そこで論理的思考が必要になってきます。
クライアントの言ったことに対しての矛盾点を見つけ、なぜそれが間違った方向性で、正しい方向はどこなのか論理的に伝えます。ここで論理的でないとクライアントも納得しないですし、話が前に進みません。もしクライアントの言っていることを鵜呑みにして持ち帰ってしまうと、矛盾点ばかりあるシステムを構築しなければならず、結果的に誰も得しません。このように課題を発見し、正しく伝えるには論理的思考が求められます。
向いていない人
続いてIT営業に向いていない人を紹介します。
1人で仕事を進めたい人
自分1人の力で仕事を回していきたい人には向いていないでしょう。IT営業は周りの人の力を借りながら進めていく仕事なので、個人プレーは社内でも嫌われる存在になります。一人で仕事を進めたい人は証券会社のリテール営業等がおすすめです。
感情論が好きな人
これまで壁にぶつかって来たときに、全て気合と根性で切り抜けてきた人にはIT営業は向いていないでしょう。営業マンの人柄や熱量だけでは課題は解決できません。仮に契約が取れたとしても、課題が解決されない場合は長期的な付き合いができずアップセルは見込めないことになります。 一般的に仕事を進めていく上ではチームワークや論理的思考は求められますが、IT営業では特にその色が強いと言えます。
まとめ
業界柄IT営業で成功すれば、今後有望なキャリアプランが広がっています。特別な資格等も必要ないので興味が湧いた人は、面接から受けてみてはいかがでしょうか。人手不足の業界なので求人募集していることや積極的に採用している企業も多いでしょう。