ひとくちに営業職と言っても「法人営業」と「個人営業」の2つの営業職があります。自社の製品やサービスを販売するという点では共通していますが、法人営業と個人営業では大きく中身が異なります。この記事では法人営業と個人営業の共通点や仕事の特徴、年収などの違いについて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
法人営業と個人営業はターゲットが異なる
法人に対して営業をかけるのが法人営業、個人に対して営業をかけるのが個人営業です。「法人」とはビジネスの世界では企業や会社を指します。法人営業とは法人、つまり企業に対して営業をかけるビジネススタイルのことです。一方で私たちが普段買い物をするスーパーや、食事をする飲食店、携帯電話ショップなどは消費者(=個人)向けに事業を営んでいますので個人営業となります。企業によってターゲットとする層が異なることをまず頭に入れておきましょう。
BtoBとBtoC
BtoB企業、BtoC企業といった言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。これら2つの言葉はそれぞれ法人営業、個人営業を指します。 BtoBとは「Business to Business」の略で法人営業という意味で、BtoCは「Business to Consumer」の略で個人営業を意味します。BtoB、BtoCはB2BやB2Cと表記することもあります。
法人営業と個人営業の共通点
細かく見ていくと多くの違いがある法人営業と個人営業ですが、まずは共通点から確認しておきましょう。大きな共通点は「数値目標があること」です。数値目標はいわゆるノルマのこと。ノルマという言葉を使っていなくても「今月の目標」などは必ずあります。この「目標」は「数字」と呼ばれることも多いです。会社とは売上を上げることで成長を続けることが出来ます。会社は売上から従業員の給与を出しているわけですから、営業部やそれぞれの営業担当に月ごとの売上目標が設定されるのは当然のことです。達成できないことでペナルティは存在しなくても、個人の目標を達成できたかどうかが評価につながります。
また、企業によってはインセンティブといって働いた時間に対して支払われる給与とは別に、目標の達成率に応じて支払われる、いわば臨時ボーナスのような報酬体系を設けているところも少なくありません。厳しい世界である反面で、年収を大きく上げることが可能なのはメリットとも言えます。そのような意味でやりがいはある仕事と言えるでしょう。
法人営業と個人営業の違い
ここからは法人営業と個人営業の違いについてひとつずつ見ていきます。自分が働くとしたらどちらの方が活躍できそうかといったことをイメージしながら読み進めてください。
お金の出どころの違い
個人営業であれば、商品を購入する際のお金は個人の財布から出されますが、法人営業の場合は個人ではなく会社のお金から出されます。 個人営業であれば相手に気に入ってもらえばその場で購入を決めてもらえることも多いですが、法人営業の場合は、担当者の一存で決められない場合がほとんどです。 法人営業の場合は、まず担当者にアポイントを取って商品を気に入ってもらえたり価値があると思ってもらえたりすれば上司につないでもらい、その後はさらに決裁権がある上司や部署にといった流れで商談がすすんでいきます。
個人営業に比べると、購買に至るまで時間はかかりますがその分1件あたりの金額は多くなります。個人営業で扱う商材は顧客の生活に直結するものが多いので、深いお付き合いとなることも多いです。しかし法人営業の場合、顧客はあくまで企業であるためビジネス的なお付き合いとなるのが一般的です。
プレゼンに求められる能力の違い
個人営業の場合は、「相手に欲しいと思ってもらう」ことが何より重要になります。相手の懐に入り込めるよう、キャラクターの濃さなどを売りにした営業スタイルで成果を上げる営業職も多いです。 法人営業の場合は担当者=決裁者ではなく、多くの人間が関わります。そのため感情を揺さぶる営業スタイルよりは、論理的な説明ができる営業職のほうが成果を上げやすいです。
入金の流れの違い
法人営業と個人営業の意外と大きな違いが入金までの流れの違いです。個人営業の場合は基本的に代金と引き換えに商品が提供されます。その場でお金のやり取りがなくてもクレジットカードや口座振替の手続きをして取引が終了します。
法人営業の場合は、基本的に月末締めの翌月末払いといった後払い方式です。これは、大きなお金が動くので代金を用意するのにも社内でさまざまな部署とやり取りが必要であることや、法人ではさまざまな企業と取引をしているので取引の度にその都度お金のやりとりをしていては効率が悪く、月末などの特定の時期でまとめて各企業に支払いを行うのが一般的であることが理由となっています。
つまり、後払いである以上、代金の回収は軽視できない非常に重要な事項になります。法人営業は単に契約を取るだけでなく、相手にきちんと支払いができる能力があるかも見定めなければなりません。
休日の違い
一般の個人をターゲットとする個人営業では、商談を行うのは個人が休みであることが多い土日が中心です。そのため土日は出勤で、定休日が平日であることが通常です。逆に法人営業はカレンダー通りの休みであることが多いです。
年収の違い
一般的には、法人営業のほうが個人営業の年収を上回る傾向があります。その理由は業界や企業によって様々ですが、法人営業の1件あたりの取引額が非常に大きいことが理由として挙げられます。 法人営業の場合は商材によっては1件あたりの取引額が、億単位になることも珍しくありません。その代わり個人営業の場合は、目標の達成率に応じて与えられるインセンティブが月々の給与に占める割合が大きいことが多いです。きちんと成果を出せばそれ相応の報酬が得られます。
法人営業と個人営業どちらに向いているか分からなくて迷ったら
これから営業職を目指そうとする場合、法人営業も個人営業も未経験から始まります。仕事内容などの違いは、頭で分かっていても実際にやってみるとイメージと違う感じる点はあるでしょう。
しかし、それは何も職種研究が足らなかったというわけではなく、実際に現場に出ないと分からないことがあるからです。
営業職として就職する上で、法人営業か個人営業か悩んでしまったときは、魅力に感じた方を選ぶと後悔する可能性が減ります。結局のところ向き不向きはやってみないと分からないことも多いので、まずは「できるかどうか」よりも「やってみたいな」と思えるものを選んでみるというのも職業選択の1つの方法ですよ。
法人営業と個人営業にはさまざまな違いがあります。そのため求められる営業職像も異なっています。たとえ個人営業では結果が出なくても、法人営業ではロジカルなプレゼンで芽が出ることやその逆も珍しくありません。ひと口に営業職とまとめてしまうのでなく自分の特性が活かせる場所に身をおくことが、営業職として成果を出す上で重要であると言えるでしょう。
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