この記事ではこれから法人営業職として就職・転職を考えている方や法人営業としてスタートを切ったばかりの方に向けて、法人営業において重要なスキルについて解説しています。営業職というとセールストークやテクニックなどに走りがちですが、基本をおろそかにしていては結果につながりません。必要なスキルだけでなく、スキルの身につけ方も紹介していますので、ぜひこの記事を参考にしてください。
法人営業と個人営業で必要なスキルは違う?
営業職には大きく分けて、法人営業と個人営業があります。これらの違いは商材を売るターゲットの違いです。企業に対してアプローチをする法人営業が取り扱うのは個人営業と比べれば金額が高いものが多いだけでなく、企業とは複数の人で組織されるものなので、商談は最初の担当者の即決では決まらず、その上司など複数人を通すのが通常です。個人営業と法人営業で必要なスキルはほぼ共通しているものの、法人営業だからこそ特に重視されるものがあることは頭に入れておきましょう。
法人営業に必要なスキル
ここからは法人営業として活躍する上で必要となるスキルについて紹介していきます。
最重要なのはヒアリング力
法人営業で必要なスキルを1つだけ挙げるとすれば、ヒアリング力でしょう。どんな業種であれ「何かを売る」のが営業の仕事ですので、商材をおすすめしてクライアントに「売る力」が求められるように感じますが、実はそうではありません。 普段の生活を思い返すとイメージしやすいです。相手の話を聞かずに自分の話ばかりする人に好感を抱いたり、助けてあげたいと思ったりする人はいないでしょう。営業の世界でも同じです。自社の商品を「売ろう売ろう」とするあまり、クライアントのニーズをヒアリングできずに話してばかりの営業職には成績はついてきません。
ヒアリング力とは、相手の状況を理解する力だけでなく、「相手の見えない課題を発見する力」も含みます。クライアントが商品を購入しようとするのは「困っていることが解決できるから」に尽きます。当然のことではありますが必要がないものは購入してくれるはずがありません。相手にあなたが提案する商品に興味を持ってもらうために必要なのは商品をすすめる「話す力」ではなく、相手が気づいていないような深いニーズを探りあてる「聞く力」なのです。
ロジカルシンキング
論理的思考と訳されるロジカルシンキングは、抱えている問題を分解して整理し順序立てて考えることで結論を導きだすという思考法です。ひとことで言うと「筋道を立てて考えること」となるでしょう。法人営業では、1つのものを購入するまでにたくさんの人を介します。そのため個人で買い物をする際のような衝動買いはありえません。
つまりは、感情としてはいくら惹かれていても商品を購入することで課題が解決すると思ってもらえないことには購入には至らないのです。企業では感情よりも理論が優先されますので、法人営業では「なぜこの商品を購入することが課題解決につながるのか」について、論理立てて説明できなくてはいけません。その際に重要となるのがロジカルシンキングです。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力が高いということは、なにも「おしゃべり上手」であるということではありません。口下手だから営業に向いていないという話はよくありますが、口下手であることと営業に向いていないことはイコールではありません。コミュニケーション能力があるかどうかは一言でいうと「会話のキャッチボール」ができるかです。
例えば面接などの緊張感のある場面で面接官の質問に対して返答をしているつもりが、話が長くなり、結局言いたいことが伝えられなかったといった経験はありませんか?これは会話のキャッチボールができていませんよね。相手の質問に対して的確な返答ができる、相手に適切な質問ができるというコミュニケーション能力は信頼関係を築いていく上でも非常に重要なスキルと言えます。
時間管理能力
法人営業に求められるのは、「営業力」だけではありません。営業には「目標」や「数字」と呼ばれるようなノルマがあります。成績は月ごとにリセットされてゼロからスタートとなりますので、必然的に営業職は1つのクライアントだけでなく複数のクライアントに同時にアプローチをかけていくことになります。 会社にもよりますが、クライアントとのアポイント取得から契約後のアフターフォローまで1人の営業職が担当するということも少なくありません。
経験を重ねて自身が抱えるクライアントが増えれば増えるほど、新規開拓する時間がなくなってしまうことになります。単発ではなく継続して契約を取得できるような営業マンになるためには、仕事の効率化のためにきちんとスケジュールを立てて行動していく時間管理能力は必須のスキルです。
それぞれのスキルを身につける方法
ここまでにご紹介した4つのスキルは、元々得意な人はいますが訓練次第で身につけられるものです。それぞれのスキルを身につける方法を確認していきましょう。
ヒアリング力・コミュニケーション能力のつけ方
この2つはクライアントとの「会話」に関わる能力で、能力のつけ方も共通していますので合わせて紹介します。 会話のコツは、焦らないことです。会話とは「聞く」と「話す」があって初めて成立します。焦って早口になってしまうだけでも、頼りないという印象を抱かれてしまうこともありますので決して焦る必要はありません。相手が話し終わるのを待って、こちらが質問する・話すということを心がけましょう。
自分がクライアントを訪問してから商談を終えて会社を出るまでをスマホなどで録音しておき、後から聞き返すのも有効です。自分では「わりと上手くいった」と好感触でも、録音したものを聞けばそうではなかったということも多いです。自分のプレゼンを含め会話を客観的に聞くことで、改善点を見つけることもできます。聞く際には声のトーンやスピード、クライアントとの会話量のバランス(自分ばかりが話していないか)に注意してみましょう。
ロジカルシンキングを身につけるには
ロジカルシンキングは、「今からロジカルシンキングをしよう」と思っても、トレーニングなしになかなか上手にできるものではありません。しかし、結論を導き出すための考え方の1つですので、鍛えることは十分に可能です。日常生活のなかで小さなことでも疑問を持ち、なぜそうなのかを考えるといった習慣を身につけましょう。答えは正解でなくても構いません。
どのように順序を立てて論理的に考えられるかが重要なのです。たとえばいつも通勤で使う電車や道が、ふだんより空いていたとしたら「今日はラッキー」で済ませるのではなく、なぜ空いているのか考えてみる。電車の中吊り広告に目が留まったとしたら、自分が広告のどこが気になったのかを考えてみるといった、日常生活のさまざまな体験について、ロジカルシンキングをしてみることはロジカルシンキングを鍛える訓練として大いに有効です。
時間管理能力のつけ方
スケジューリングをしていく中で気をつけることは「相手に合わせすぎない」ということです。1日の多くを社外で過ごすことが多い営業職は、アポイントごとに会社に戻るよりは、その日の全てのアポを終えてから帰社するというのが一般的です。営業職であっても日報や資料作成など、会社で行う業務も多いですのでなるべく空き時間を作らないということが非常に重要になります。
オフィスが近いところで複数アポを入れたのに次のアポまでの間の時間が2時間も3時間もあっては効率的に働けませんよね。可能な限りアポイントはこちら主導で取得するようにしていきましょう。これは休日でも同様で、あえて1、2時間ごとのスケジュールを組んで動いてみることでも鍛えられます。
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