• 2020/08/20
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CEOが語る 第8回「ギリギリの環境で結果を出す、営業マンとしての修羅場経験!」

  • 萩原 張広  
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ギリギリの環境で結果を出す、営業マンとしての修羅場経験!

~プレッシャーを楽しむということ!~


⇒第7回「キャリアチェンジ!夢のために自分を変える」はこちらから


今回のコロナショックも大変ですが、もう20年以上も前に、翌月の資金繰りにも追い込まれて、大変だったことがあります。これはリーマンショックでもなくバブル崩壊でもなく、自分の経営者としての力量不足が原因でした。

当時社員数20名くらい、まだインターネットブームが来る前で、私の会社はFAXを使ったマーケティングや営業コンサルを中心に事業を行っており、多少の利益は出ていました。そんな中、以前も書きましたが、新しいビジネスヒントを求めてニューヨークに行き、そこで仕入れたネタをもとに新サービスを開発しました。会社としては新規事業で活動し始めていました。しかし、今考えると事業計画は稚拙で、リスクを考えてキャッシュを準備するなど何も出来ていませんでした。

夢と楽観的な思考だけですね。まあそうじゃないと出来ないことと思いますが。

新しいサービスは、テレマーケティングとFAXDMを組み合わせたパッケージサービスで「テレマックス」というもの。私が命名しましたが。「電話(テレ)とFAXで、効果がマックス!」みたいな感じで。自分で記事を書いて、日経新聞の記者にネタを送ると、なんと日経本誌に取り上げてもらうことができ、問い合わせが50件くらい入りました。

そのサービスを売る専門部隊を作って(5~6名だったと思います)、私は社長兼事業責任者として先頭にたって、現場に営業に行っていました。

今考えると、20名規模の会社が、既存事業で大した利益も出ていない、余剰資金もない中、5~6名の新規チームを作り、先の見えない新規事業に挑むというのは、かなりの冒険ですね。当然営業計画も気合と根性で、サービスインから3ヶ月くらいには単月黒字化するみたいな感じで今思うと赤面の至りですね。

まあ日経経由の問い合わせ等もあり、何件かは売れましたが、当初の計画には遠く、数か月後には資金がかなり厳しい状況になっていました。

そんな中、その月も当初計画が達成できない状況で月末を迎え最終日に。ある商談のクロージングアポが入りました。このアポイントの商談をその場で受注して、しかもその月末で請求を出させてもらい、翌月末にお金を入金してもらわないと翌々月の5日払いの給与が払えないという究極の状況でした。たしか100万ちょっとの受注予定金額だったと思います。当時から私の会社は、オープン経営でしたので(今考えるとオープンすぎて、それがよいかどうかはわかりませんが)、会社の財務状況や資金繰り状況もメンバーにも開示していました。生々しいですが、「お金残」という資料があって、デイリーで資金繰り管理をしていて(そうしないと怖くてやれない状態)、メンバーもその月末の状態を理解していました。

商談に対しては考えうる完璧な準備をして、納品もその翌月までには完璧に終われるイメージで、期待されている成果も出せる感覚はありました。問題は入金交渉で、契約時に請求して、翌月末には入金してもらうことに合意してもらう必要があります。幸い営業先の企業は、ベンチャー企業で、会っている人も決裁者なので、なんとかなる可能性はありました。

経営者としては、こんな状況を作ってしまうのは言語道断ですが、営業マンとしての私は、こういった究極の場面を楽しんでいる部分もありました。長い営業マン人生の中で、ギリギリの局面の中、営業で結果を出して、乗り越えてきた経験が何度もあったからだと思います。

前日に一人で飲みに行き、翌日のプレゼン内容を何回もシミュレーションしました。
翌日、その会社の受付につくと準備は完璧に終わっていたので、落ち着いた状態で訪問できましたね。むしろその緊張感とプレッシャーを楽しむ気分になっていました。
野球で負けている時に、9回裏2アウト満塁でバッターボックスに入りたいと思うか?私はサッカーですから、トーナメントのPK戦で最終キッカーをやりたいと思うか?
そして、それを楽しめるかみたいな感じですね。

プレゼンが終わり、先方もぜひやりたいとのこと。
事前に、問い合わせが殺到しており(日経新聞の記事を見せて)、納品リソースがギリギリなことも伝えて(若干盛っていますが)、
「わかりました。実施させて頂くにあたっては、条件があります。本日この申込書にサインをいただき、今月のご請求となります。そしてお支払いは、来月の末ということになりますがよろしいでしょうか?あっ、当然お支払いまでには成果も出て納品も終わっている形にはなりますので」と言いました。

先方の担当者は、一瞬「えっ!」という顔をしましたが、ちょっと考えて、
「わかりました。ちょっとお待ちください!」と言って、経理の部長を連れてきました。
その方にも同様の説明をして、入金日の確約をいただくことが出来ました。

この会社はその後もテレマックスを何回か使っていただくお客様になりました。
ベンチャーキャピタルから出資を受ける時の、ユーザーインタビューにも答えていただきましたね。後から担当の方から話を聞くと、その時のうちの厳しそうな状況はわかっていたみたいですね。それから、増資による資金調達などをして、何回かの危機を乗り越えて現状にいたるわけですが、この時の心地よい緊張感と達成感は今も忘れません。
私自身、今は経営者の仕事に特化している為、営業現場に出ることはあまりありませんが、このコロナ危機の中、多くの営業マンが刹那的な状況の中で力を発揮することになるのだと思います。そして、そうした経験が自信になっていくのだと思います。

誰かから聞いた話ですが、有名なゴルフプレーヤーの言葉で
「準備が整ってパットを打つ時は、もう入っていてカップからボールを取り出しているところをイメージする」というのがありました。最後までどのラインで打とうとか、入るかな、入らないかなと迷っている時は入らないのですね。
「完璧な準備をして、ポジティブなイメージを持ち。自然体で臨む。そしてそれを楽しむ」ということでしょうか。私はゴルフが下手なのでパットは全然入りませんが……。

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■萩原 張広Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる

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