この記事では「SUCCESsの法則」について解説しています。相手に何かを説明したり、訴えかけたりするシーンで有効なSUCCESsの法則は、Webマーケティングの世界でも非常に重要視されています。
SUCCESsの法則とは
SUCCESsの法則は、スタンフォード大学の教授「チップ・ハース」と、デューク大学で研究職に携わっていた「ダン・ハース」の兄弟によって執筆された『アイデアのちから』という著書で紹介された法則です。
https://media.mar-cari.jp/article/detail/691
SUCCESsの法則では、記憶に焼きつくアイデアには6つの特徴があるとして説明されています。その6つの特徴とは「Simple(シンプル)、Unexpected(意外性)、Concrete(具体的)、Credentialed(信憑性)、Emotional(感情に訴える)、Story(物語性)」の6つです。 必ずしもすべての要素を含めなければならないわけではありませんが、6つの要素が揃うことで記憶に残りやすいとされています。マーケティングにSUCCESsの法則を取り入れることでより成果を挙げることを狙えます。
SUCCESsの法則の6つの要素
SUCCESsの法則の6つの要素についてそれぞれ細かくみていきます。6つの観点からそれぞれのアイデアを評価し、3段階評価などで点数付けしていくとどこを改善すればいいかわかりやすいです。
Simple(シンプル)
シンプルとはそのまま、単純で分かりやすいということ。小難しい表現でなく、分かりやすい言い回しや表現をすることで、相手に理解してもらえるようにすることを指します。たとえ専門性の高いものだとしても、商品やサービスについてきちんと理解しているならば、専門用語について分からない方に対しても伝わるように簡単な表現にすることができるはずです。
Unexpected(意外性)
人は意外性があるものに惹かれます。単純な例でいえば、「とても高機能なものであるのに、想像以上に安い」というのもそれにあたります。意外性がないということは、裏を返せば予定調和で退屈とも言えるでしょう。どこにでもあるような商品やサービス、結末が読める映画は魅力的には見えないものです。意外性を持たせることで、相手に興味を持たせることができます。
Concrete(具体的)
具体的な事例やデータを挙げることで説得力が増します。説得力を持たせるためにもデータには数値が示されていることが望ましいです。数値で示すことができれば具体的で、説得力を持たせることができますが、相手にとってイメージがしづらければあまり効果を発揮しません。
たとえば、場所の広さを説明する際に「約4.7ヘクタール」と具体的に言ってもピンと来ませんが「東京ドーム1個分の広さ」と言えばその広大さがイメージしやすくなります。具体的であるようにするのは、相手の記憶に残ることを狙っているからという前提を忘れないようにしましょう。数値化することにこだわりすぎないように注意が必要です。
Credentialed(信憑性)
どんなに良いものであっても、実績がなければなかなか受け入れてもらえないことがあります。そのような場合に求められるのが、信憑性です。つまりは、信頼に足るものであると相手に伝えることは重要になります。信憑性がなければ単なる机上の空論と捉えられかねません。第三者の意見や推薦、特にその業界の専門家からの意見や推薦であれば信憑性が増します。
Emotional(感情に訴える)
正論だけが人を動かすわけではありません。最終的には、感情のひと押しが必要な場合も多いです。合理的に考えれば損をすることの方が多いギャンブルや宝くじに人が手を出すことからも分かるでしょう。もしかしたら大金が手に入れられるかもしれないという感情が人を夢中にさせているのです。論理やデータだけでなく、いかに相手の感情を動かすことができるかが重要になります。感情に訴えるには「〇〇に困っていませんか?」などといった問いかけも効果的です。問いかけを行うことで、自社の商品やサービスならその悩みが解決できるというスムーズな話の流れを作ることができます。
Story(物語性)
人は一度にたくさんのことを記憶できません。また、断片的な情報よりもストーリーの方が記憶に残りやすいです。歴史上の出来事を覚えていくのに単純に暗記しようとするよりは、なぜその事件が起こったのかについてストーリー仕立てで見ていく方が覚えやすいですよね。製品であれば開発秘話や開発を決心したきっかけなどを盛り込むことで、印象に残りやすくなります。物語性を意識することは、相手の感情に訴えかけることにもつながります。
SUCCESsの6つの観点からアイデアを評価し終えたら、それぞれの点数を見て、どの要素が足りなかったのか、どの点を修正すべきかを検討していきましょう。すべての要素が完璧であるケースは少ないはずです。もう一度振り返ることでアイデアをより素晴らしいものへと近づけていきましょう。また、合計点をつけることでどのアイデアがSUCCESsの要素を最も満たせているかなどを相対的に比べることもできます。
マーケティングやプレゼンにSUCCESsの法則を活かそう
商品開発やPRといったマーケティング活動だけでなく、プレゼンテーションの場でもSUCCESsの法則は活用できます。人の記憶や印象に残る6つの要素をプレゼンに取り入れることで、相手の行動につなげられるでしょう。ビジネスにおいて論理性・合理性だけが人を動かすわけではないことを頭に入れておくだけでも大きな変化が生まれるはずです。ぜひ日々の資料作りからSUCCESsの法則を意識してみてください。