• 2020/07/06
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BtoBマーケティングとBtoCマーケティングって何がちがうの? 具体的なマーケティング手法も含めて解説します。

  • マーキャリ 編集部
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目次

マーケティングとは「企業の製品やサービスが売れる仕組みつくり」のこと。市場調査はもちろんのこと、データ分析や商品開発、広報や広告宣伝などもすべてマーケティング活動です。ではBtoB、BtoCという代表的なビジネスモデルにおいてそれぞれのマーケティングの流れ、手法はどのように違うのでしょうか。


本記事ではBtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違いやポイント、それぞれに代表されるマーケティング手法について解説しています。是非最後までご覧ください。

BtoBとBtoCとは何か?

そもそもBtoBとBtoCの違いを明確にご存知でしょうか。よく耳にはするけど、明確には説明できないという方に向けて改めて解説致します。BtoBとは、Business to Businessの略です。企業が別の企業に対して製品やサービスを提供していく法人間の取引形態のことを言います。一回の取引単価が大きく、また、一度受注し信頼を獲得すると継続的な取引関係に発展しやすいのも特徴です。


一方、BtoCとは、Business to Consumerの略です。企業が一般の消費者に対して製品やサービスを提供していく企業対一般消費者の取引形態のことを指します。例えば、家電メーカー、スーパーやデパート、コンビニのような一般消費者に向けて製品やサービスを提供する企業のことを言います。こちらは比較的に一回の取引単価が低く、トレンドの移り変わりが激しい中で消費者のニーズをくみ取り、商品を購入する際に如何に選んでもらうかが重要になります。

BtoBマーケティングとBtoCのマーケティングの3つの違い

BtoBとBtoCでは取引する相手が違います。そのため商品やサービスを相手に購入してもらうまでのマーケティングも変わってきます。BtoBとBtoCでどんな点にマーケティングの違いがあるのかを3つの視点に絞って解説していきます。

BtoBとBtoCの購入までの流れの違い

BtoBでは合理的な流れで購買が行われます。一方で、BtoCでは、その時の感情やトレンドなど合理性だけに頼らない流れで購買が行われます。BtoBでは、数値を用いて分析の上、新たな製品やサービスの導入が検討されます。その後、提案依頼書が準備され業者を選ぶ際に予算や納期等が決められます。そして、各業者からの提案を比較し、社内稟議を経て最終的に製品やサービスの購入に至るのが一般的なプロセスです。そのため、マーケティングを行う上で複数の担当者から納得を得られるだけのシナリオと長期的に信頼関係を築き上げていくコミュニケーションが問われてきます。


一方で、BtoCの場合は最終決裁者が購入者本人であるケースが大半で、意思決定にもその場、その時の感情的な側面で判断される傾向があります。また、BtoBとは違い、その購買行動はロジックで説明しづらい部分はありますが、消費者が商品を購入までの流れについてモデル化した、下記のようなフレームワークがあります。

AIDMA(アイドマ)


https://media.mar-cari.jp/article/detail/141


AIDMAは消費者が商品を認知して、購入するまでの流れを5つのフェーズに分けて、それぞれのフェーズのアルファベットの頭文字を取って名付けられたものです。具体的には下記の流れで購買者・決済者の感情を動かすことによって、購買までつなげていくプロセスになります。


A: Attention(認知)

I:Interest(興味関心)

D: Desire(欲求)

M: Memory(記憶)

A: Action(行動)


AISAS(アイサス)


https://media.mar-cari.jp/article/detail/675


インターネットの普及を背景にした消費者行動モデルとして提唱され、Web上で購買に至るまでのプロセスを理解するのに役立ちます。具体的には下記の流れで購買者・決済者の感情を動かすことによって、購買までつなげていくプロセスになります。


A:Attention(認知)

I:Interest(興味関心)

S:Search(検索)

A:Action(行動)

S:Share(情報共有)


このほかにもSNSの台頭やオウンドメディアによるインバウンドマーケティングという手法が広まったことによりDECAXといった購買プロセスも生まれています。いずれにしてもこのようにBtoCに関しては不特定多数の人にアプローチを行うため、購入までのプロセスが定型化されているのが特徴となります。

BtoBとBtoCの購買者と決裁者の違い

BtoB取引では、購入までの意思決定をするのに複数の人が関わるのが一般的です。関わる人の例を挙げると、「購入判断の意思決定する人」「意思決定者へ提案する担当者」「中間で提案の承認を行う人」「実際にサービス・商品を利用する人」などです。そのため、一回の取引が長期化する傾向があります。


一方、BtoC取引では、購入までの意思決定をするのは1人もしくは複数でも2,3人であることが一般的です。そのため、取引が完了するまでの時間は短いです。

BtoBとBtoCの判断基準の違い

購入する上での判断基準はBtoBとBtoCで変わってきます。BtoBの場合は決済までに複数人が関わることや一回の取引金額が大きいこともあり、様々な側面から合理的に判断されます。例を挙げると「会社の信頼性」「導入実績」「納期」「導入費用とその後の運用費用」「納品後のサポート」「ROI」などです。 その為、顧客のニーズを理解した上でマーケティング活動の計画を立てることが大切です。


一方、BtoCの購入基準は購入者・決済者が同一人物であることや比較的取引される金額が小さいことから、経済合理性だけではなく、「なんとなくデザインが気に入ったから」「キャンペーン期間中で安かったから」というような瞬間的な感情や満足度で購買の意思決定がなされます。その為、本人の感情面に訴えることによって購入が決まりやすいです。


例えば、興味を引くキャッチコピーを交えた広告を掲載したり、テレビCMやPRイベントに影響力のあるタレント・アーティストをイメージキャラクターとして起用する手法などが挙げられます。

BtoBとBtoCにおける代表的なマーケティング手法

ここからはBtoBとBtoC、それぞれにおける代表的なマーケティング手法について解説していきます。両者には購買までの期間や決裁者に明確に違いがあるため、用いられる手法も変わってきます。まずはBtoBの方から見ていきましょう。

BtoBマーケティングの手法

BtoBマーケティングではデマンドジェネレーションというプロセスが重要視されています。デマンドジェネレーションは営業機会を生むための活動全般を指し、リードジェネレーション(見込顧客の獲得)、リードナーチャリング(見込顧客の育成)、リードクオリフィケーション(見込顧客の絞り込み)という3つのフェーズに分かれます。それぞれの段階において実施すべきマーケティング手法が異なりますので順番に解説していきます。

リードジェネレーション(見込顧客の獲得)

リードジェネレーションは商品やサービスを購入してくれる可能性を持つ人を集める活動全般のことを指します。オフラインで実施されるものでは数多くの顧客リストが獲得できる展示会やあらかじめ自社商品・サービスに興味がある人を集められるセミナーなどが挙げられます。また、オンラインの施策では自社のWebサイトを特定ワードの検索上位に持っていくSEOやWeb広告などが挙げられます。

リードナーチャリング(見込顧客の育成)

リードナーチャリングは獲得した見込み客を育成する段階です。ここでいう育成とは「関係を強化し信頼関係を築く」ことを指します。購買プロセスが長期化する傾向にあるBtoBマーケティングではこのフェーズに力を入れることは重要とされています。このフェーズで効果的な施策はオフラインではセミナーやテレマーケティング、オンラインではメールマーケティングやコンテンツマーケティングが挙げられます。


顧客によって興味関心の度合いが異なりますので、セミナーやメールマーケティングの内容はそれぞれのフェーズに合ったものを作成するとより効果的でしょう。

リードクオリフィケーション(見込顧客の絞り込み)

リードクオリフィケーション(見込顧客の絞り込み)は見込み客リストの中から、契約につながる可能性の高い見込み客に絞り込むことを指します。その為、効果的な施策を行うというよりかはリードジェネレーション、リードナーチャリングの段階で「メールのリンククリックで+1点」、「セミナー参加で+3点」というように顧客のスコアリングを行える管理体制をあらかじめ整えておくことが重要になります。マーケティング部門から営業部門に引き渡す際の要件をしっかりと定義しておき、スムーズに営業活動に移れるよう両部門間の連携が必須になります。


このように期間が長くなりやすく、慎重にマーケティングプロセスを踏んでいかなければならないBtoBマーケティングにおいて、顧客をフェーズ分けするデマンドジェネレーションのプロセスが一般的には用いられます。

BtoCマーケティングの手法

BtoCマーケティングにおいてはデマンドジェネレーションのプロセスが当てはまらないケースがあります。例えば製菓メーカーが新商品を発売しても、その商品をいつ、だれが購入したかといった明確な情報を手に入れることが出来ないため、それぞれ顧客に対してどんな施策を行えばいいかといったことが分かりません。自動車や不動産のような比較的高価格帯のBtoC商材であれば、顧客のリスト化も可能ですが、不特定多数にアプローチを行うケースが多いBtoCマーケティングではデマンドジェネレーションのプロセスでマーケティングを行うことは少ないでしょう。


BtoCマーケティングではひと昔前までは多くの潜在顧客にアプローチできるTVCMや新聞広告、交通広告といった手法が主に用いられてきましたが、最近ではインターネットの発達に伴い、その主戦場がWebへと移行してきています。Webマーケティングのメリットとしては自社商品・サービスやそれに関連するキーワードに興味のある人のみにターゲティングができる点や実施した施策の効果測定ができる点が挙げられます。あらかじめ指定したワードの検索結果に商品・サービス紹介ページを表示させるリスティング広告や検索上位に自社サイトを表示させるSEO、またSNSアカウントを開設して自社に興味のあるユーザーを囲い込むといった手法が近年では注目を浴びています。


また、インターネット上でニーズを育てて、そこから実店舗に(オフライン)へ誘導するO2Oや小売店や通信販売店を介さず自社運営するアプリやブログ、メディアといったチャネル(媒体)を使って直接販売するD2Cといった方法も徐々に取り入れられてきています。

まとめ

本記事ではBtoB、BtoCにおけるマーケティングの違いやそれぞれで用いられているマーケティング手法についてご紹介しました。BtoBとBtoC、共通点もありますが、マーケティングプロセスを考えるうえで、考慮しなければならない明確な違いが両者にはありますので、それぞれの特性に応じて計画を練り、実行していきましょう。

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