転職を考えているが、どんなスキルを求められるのか分からない。自分には突出したスキルもないので転職を成功させる自信がない。上記のような悩みや不安を抱えていて、なかなか転職への第一歩を踏み出せていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では転職において最も重要視されているスキルは何なのかといったことをテーマに解説していきますので、是非最後までお付き合いください。
特別なスキルがない方は転職を成功させることが出来ない?
転職で成功する方は全員その業界や業種に適した専門スキルを持った方なのでしょうか? 結論から言うと、必ずしもそうとは限りません。まったく知識やスキルがない状態でも採用されるといったケースは多数あります。実際に求人ポータルサイトの「マイナビ」に掲載されている全求人のうち、未経験者も歓迎している求人数は8割弱と高い数字になっています。業種や職種に関しての専門的なスキルはもちろんあるに越したことはありませんが、それよりも企業が重要視しているポイントがあるという事ですね。
採用シーンで重要視されるポータブルスキル
ポータブルスキルとは厚生労働省によって提唱されたもので、直訳すると「持ち運びができるスキル」となります。つまるところ、ビジネスにおいて身につけておくことでどんな職種、業種で働くことになっても活用できる汎用的なスキルのことを指しています。このポータブルスキルは「専門知識・専門技術」「仕事のし方」「人とのかかわり方」の3つから構成されていますが、未経験者の転職や35歳以上から転職活動をおこなうケースでは「仕事のし方」や「人とのかかわり方」といったものが重要視されます。
例えば、課題を分析して、解決するための計画をし、それを実際に実行していく能力やスケジュール通りに業務を進行させていくスケジュール管理能力、部下や上司と適切な関係を保てるコミュニケーション能力や顧客やパートナーと関係を構築できる社外対応力などがこれに当てはまります。
クリエイティブツールを活用できるスキルやプログラミング言語を扱えるスキル、語学力、検定・資格などの専門性の高いものとは別にこれらのスキルはすべてのビジネスパーソンが業務を行う上で培っていくことができるものです。未経験の転職の場合、企業の採用担当者はポータブルスキルをどのようなプロセスで培っていったのか、ポータブルスキルの中でもどのスキルに強みがあるのかといったところを重点的に見ているため、うまくアピールすることができれば採用へとつなげることができるでしょう。
また、ポータブルスキルは普遍的なものであるため、そのスキルを有していると自覚することは難しいかもしれません。そういったときは今までの業務経験を振り返ってみることが自分の強みとしてアピールできるポータブルスキルを発見するヒントとなるでしょう。例えば
「どんな人と接し、関わってきたか」
「業務を行う上でどのような改善・向上を意識していたか」
「どんな計画を立てて、どのようにそれを実行してきたか」
「チーム内においての自分の役割はどのようなものだったか」
といった視点から振り返ってみると自分はどんなスキルを強みにもっているかを整理できるでしょう。
環境が変わっても能力が発揮できる人材かチェックされている
採用面接などの選考において採用担当者は自社の風土やビジョン、働き方に適しているのかどうか、または適応できるのかどうか、といったところもチェックしています。親しみやすさ、謙虚さなどの人格的な側面も選考の判断基準に入ってきます。
その為、スキルとは別軸になりますが、もしアピールできるエピソードなどがあれば積極的に伝えてみるのも手かもしれません。また、応募企業の「口コミ」を検索して過去の社員の方の声をヒントに自分が人事担当者だった場合、どんな人を採用したいかといった観点からアピールポイントを探す方法もあります。
最終的には強みをアピールできる言語化スキルが重要になる
たとえ自分の強みとなるスキルを見つけたとしても、そのことを言語化して伝えることができなければ意味はありません。そういった観点から考えるとポータブルスキルと同様に重要になるのが言語化スキルです。もし、言語化が苦手だという方は自身の強みとなるスキルに付随したエピソードを付け加えてみましょう。
例えば業務改善に取り組んだ経験があるとするならば、改善までにかかった時間はどのくらいか、何故取り組もうと思ったのか、改善を行ったことでどのくらいの成果を上げることができ、また周囲からの評価はどのようなものだったのか、といったところまで具体的に書き加えてみると、より自身のスキルを伝えやすくなります。その為、アピールできるスキルと具体的なエピソードはセットで考えたほうがいいでしょう。
まとめ
自信に語学力やツールを扱えるというような明確なスキルがないため、転職を躊躇されている方もいるかもしれませんが、そのことが原因で採用されないといったケースは少ないと言えます。採用担当者が見ている部分はそのような目に見えてわかるスキルだけではありません。ポータルスキルや環境適応能力のような汎用性が高いものの方がより重要視されているといってもいいでしょう。
どんなビジネスマンでも今まで経験してきた業務を振り返ればアピールできるスキルはあるはずですので、あとはそのスキルをいかに応募先の企業に対して魅力的に伝えられるかがカギとなります。
転職においてはまず、一歩を踏み出す行動力が何よりも重要です。まずはこの記事でご紹介したような方法で自分のスキルを棚卸するところから始めてみてはいかがでしょうか。