2019年1月に中途入社、当メディア・マーキャリチームに配属され、新人マーケターとして日々奮闘する25歳の冨沢を追った連載記事。
6大卒という学歴や元カーディーラーという肩書がありながら自己ブランディングを全くしていない為、キャリアを活かしきれていない彼が、<マーキャリチームメンバーと関わる中で自身の希少価値の見出し方を日々学び、成長していくドキュメンタリー>です。本人許可の元、プライベートも完全にさらけ出したリアルな内容はメディア記事としては大変珍しいのではないでしょうか。創業30年以上のBtoBマーケティング専門会社の一員として働きマーケティングノウハウを吸収する中で自己ブランディング能力を身につけていくことができるかが見どころです。
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新型コロナウイルスによる感染拡大もピークを過ぎ去り、ようやく日本の経済も周り出してきた感じがしますね。
とはいえ、今回の一連の騒動により日本のあらゆる業界が受けた被害は甚大なもので、働き方に関しても企業は在宅勤務の緩和や時差出勤などの制度を導入せざるを得ない状況に陥りました。
実際に5月に都庁が出したテレワーク導入に関する緊急調査によると、都内企業のテレワーク導入率は62.7%と非常に高いものとなっています。新たな制度が加わったことで、個々のビジネスパーソンはその変化に適応しようと日々奮闘しているのではないでしょうか?
営業現場においても今まで会話の抑揚や表情の機微などで察することができていた独自の情報も、オンライン商談ではつかみにくくなり、どのようなセールスコミュニケーションが適切なのかどうかも分からず、手探りの状態で進めている方もいるかと思います。
一方でご存知のように通勤時間や商談時の移動時間などの無駄な時間が減ったことにより、自由な時間が増えたことや自宅というリラックスできる環境で仕事ができるため生産性が上がったことなど、リモートワークが制度化されたことで多数のメリットもあります。
このようなメリットを考えると、今後も企業はリモートワークを継続していくだろうという考えが世間一般での認識となっているのではないでしょうか?
また、この変化に付随する形で、ビジネスパーソンの身だしなみもリモートワークに適したものへと徐々に変化してきています。オンラインに映し出される上半身のみに気を使い、ボトムスは動きやすいラフなものを着衣して、人によってはパジャマなど。女性に関して言えば、オンライン時は細かいところまで顔が見えにくいため、メイクも今までよりミニマムに行うといった方も多いかと思います。
今までのビジネスマナーが一新されるということは、新しいルールが生まれる可能性があるという事。今まで良しとされていたもの、禁止されていたものがこれを機会に覆るかもしれません。
そんな考えに至った為、私、冨沢はWithコロナといわれる現在の状況の中でヒゲ、生やしました。
なんでなのか、と疑問に抱く方が大半だと思いますので、ここからは「何故、ビジネスにおいて髭がマナー違反とされているのか」という点と「何故、髭を生やそうと思ったのか」という2点に焦点を絞って話をしたいと思います。
何故、ビジネスシーンでひげはマナー違反とされているのか
まず、ビジネスにおいて髭がNGとされている理由に関してですが、「相手に失礼だから」「相手に不潔に思われるから」などが世間一般的には挙げられると思います。しかし、そのような意見も根本的な視点から振り返ってみると、何故失礼なのかといった疑問が浮かびます。不潔に思われるかどうかもその人がしっかりと手入れをしていれば問題ないのではないでしょうか?
戦国時代までは髭を生やすことは良しとされており、むしろ”男らしさや武威の象徴”として主に武士たちは積極的に髭を蓄えていました。考えてみれば織田信長も豊臣秀吉も髭を蓄えていますね。
しかし、江戸時代初頭にはそんな風潮も一変されます。徳川家の天下統一によって世の中が平和になり、力を持て余した髭面の武士たちがあちこちで人様に迷惑になるような騒動を起こすことになります。
画像出典:https://edo-g.com/blog/2020/03/yakuyoke.html/yakuyoke9_m
この騒動を収めるべく当時の徳川将軍家綱は「大ひげ禁止令」を発令します。
髭を蓄えている連中が悪さをしているわけなので、そのシンボルとして髭をたたき上げ、髭を生やすことを厳しく禁じました。
ネーミングといい、なんだか笑っちゃいますね。
そんなことで、江戸時代初頭以降、髭を生やす人は急激に減り、髭を剃ることが正装になりました。
しかし、明治時代に突入し、文明開化とともに髭は権威の象徴とされ、再び市民権を取り戻します。当時の明治天皇も断髪をし、ひげを蓄えた姿が写真・絵画として残っていますね。
これは新しい文化を積極的に取り入れていたこの時代に、当時髭が流行していたイギリスヴィクトリア王朝などの外国人が日本に入国してきたことが影響とされています。
そして明治時代以降、髭の時代が到来したかと思いきや、戦後の高度経済成長期にはまたまた髭のイメージは失墜してしまいます。きっかけは読売新聞に記載された「朝の髭剃りはエチケット」という一文です。この記述により髭を剃ることはサラリーマン社会のマナーとして広まっていき、日本文化として定着しつつあった髭も、社会から一掃されました。
また、欧米のヒッピー文化が日本に入ってくると、自然への回帰と権力への抵抗を表現している彼らの長髪に髭というスタイルは日本人には受け入れられずに、「髭=反社会的」というイメージが定着して、ますます世の中から髭を生やす人がいなくなってきました。この時の髭に対しての社会イメージが今も名残として残っており、髭はビジネスシーンにおいてマナー違反とされているんですね。
とはいえ、このような髭文化の流れを見ると、何かの騒動や文明の変化をきっかけに髭に対しての社会通念が右往左往しているのがわかります。キーとなるポイントは何か生活にかかわる大きな出来事がきっかけになったという事でしょう。
江戸時代の髭への悪い印象は戦国時代から江戸時代になったことで、世の中が平和になり、不満が募った髭面の武士が悪さをしたから出来上がったものです。
明治時代の髭に対してのイメージはそもそも年号が変わり、文明開化という外国文化を積極的に取り入れようとする風潮に起因しています。
そして戦後の高度経済成長期には、ホワイトカラーが増えたことと、新聞にサラリーマンのマナーに関しての記述が掲載されてしまったこと、さらにはヒッピー文化の流入が由来として考えられますね。
このことを踏まえて考えると、令和へと年号が変わり、さらにコロナ禍によりリモートワークという新しい働き方への移行が求められている現在、髭に対してのポジティブなイメージが出来上がったとしても不思議ではないですよね。
何故、髭を生やそうと思ったのか
髭へのポジティブなイメージに関しては「男らしさ」といったものが挙げられます。あくまで個人的な意見ですが、僕も髭に対してそのようなイメージを抱いています。本来男と髭というのは切っても切れない関係であり、身長が伸びれば髭も伸び、心が大人になっていくと髭も大人びていくものです。髭は男の第三次成長とも捉えることができます。そういったダンディイズム、男らしさの象徴である髭に対して無意識的にあこがれを持っている男性の方々も多いのではないでしょうか?僕も例外なく髭へのあこがれを感じていたため、今回髭を生やすにいたりました。
また、筋肉にも本能的に「男らしさ」を感じる部分が多数ありますね。隆々としてたくましい腕には思わず守ってほしいと感じてしまうこともありますし、自分にないものを感じてしまいます。世の筋トレをしている男性の方も健康管理といったことはもちろんですが、そういった男らしさのシンボルとして魅力的に思えるからこそ、鍛えあげているのではないでしょうか。
その為、筋肉と髭は男らしさの象徴であり、社会という名の戦場に向かっていくための盾と矛だと僕は思っています。
とはいえ、このような考えを持っていても、いきなり自分の殻を破るのには若干抵抗があります。学生の時にも急に髪を染めてくる奴がいて、その人は自分なりの自己表現をしているもりでも、周囲としてはそんなことよりまず違和感を持つ、なんてことがあったかと思います。
そんなことを思いながら踏ん切りがつかないでいると、その道の先駆者を発見しました。
水も滴るいい男、長渕剛さんです。
デビュー当初は痩身の体系で、繊細な音が特徴的なフォークソングを歌う、まさしく好青年といったイメージの方でした。
画像出典:乾杯 [12" Analog LP Record](https://www.amazon.co.jp/%E4%B9%BE%E6%9D%AF-12-Analog-LP-Record/dp/B00ES9LN8M)
しかし、現在は格闘家のようにパンパンに膨らませた筋肉をこしらえて、腹の底から湧き出る男らしさを声にして歌を歌っています。一体何があったのでしょうか。
桜島は、今日も生きていた❗️ pic.twitter.com/sWubhojRmj
— 長渕剛 official (@nagabuchi_staff) October 12, 2017
長渕さんのインタビューよれば、体調不良により、ツアーを完遂することができなかった無念から、体調管理を徹底するために鍛え始めたんだそうですが、筋肉をつけることにより、今までのイメージが大幅に変わる事を考慮しなかったとは考えづらいですよね。代表曲の乾杯も昔と比べると全然違う曲に聞こえちゃいます。
しかし、大幅にイメージチェンジをしたものの、そのことで今までのファンが離れるといったことは全然なく、むしろ今まで以上に長渕さんの歌に感銘を受け、あとをついていきたいと思う人は増えました。
髪の毛を自己表現のツールとするならば、筋肉と髭は男から漢への成長を表現するツールともいえましょうか。仮に明日から筋肉をパンパンに膨らませた僕がいたとして、最初こそ周囲の戸惑いはあれど、その成長を笑う人はだれ一人としていないでしょう。
このように筋肉と髭は自己ブランディングという垣根を超えた、男を漢たらしめる手段の一つなんだと思います。
まとめ
ビジネス界でダイバーシティが叫ばれている昨今においては、髭への悪印象も緩和されつつあります。就活生や転職者の中には服装や髪形の自由なども就職先を決める際の基準に含まれているかもしれません。しかし、先に申し上げたとおり、徐々にビジネスにおいての身だしなみというものもこのWithコロナを契機に変化していくと思います。一旦カジュアルにした服装をもとに戻すのも根気がいるものです。企業も今までは規律やマナーを重視し、固定時間制で給料の支払いをしていましたが、今後はより成果に対しての評価に目を向けるようになるでしょう。
そういった成果指標が用いられている企業は今後ますます業界の先陣を切っていく存在になると予想しています。
次回マーケター冨沢をお楽しみに!