• 2020/06/29
  • 連載企画
  • 私が死んだら何人悲しむか

『私が死んだら何人悲しむか』- 問われる自身の市場価値 -(No.01)

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■連載開始にあたって

Te23です。
当サイト内で主に連載小説の『グロースハッカー佚』を不定期で執筆しています。

大好評の連載Web小説グロースハッカー佚

お陰様で愛読者が増えているようで次回作を期待する声もたびたび頂いており、とても有難く思います。

さて、今回実体験を元にもう1つの連載企画『私が死んだら何人悲しむか』を始めることになりました。

複業(パラレルキャリア)という働き方の概念がまだ国内で広く知られていなかった2006年、
私は2つの全く異なる本業を持つ形でキャリアをスタートさせました。
片方に関しては本業と呼べる安定した収入を得られるようになったのが2008年なので、本当の意味でのパラレルキャリアはその頃からになります。

これまで決してその2つのキャリアを交わらせる事はありませんでした。
そして今後もそのつもりはありません。

それは何故か。

単純に二つの全く異なる人生を同時に生きたいからです。私の場合、それは人生を楽しむ為の欲ではなく、精神を安定させる1つの方法でもあります。
人によっては片方の肩書を活かして、もう片方のキャリアを充実させていく方法もあると思いますが、私は1つの本業の中でもう1つの肩書を使う事は絶対にありません。
もし2つのキャリアを交わらせたら人生が1つになる気がして、恐怖すら感じます。人生は脆いから。
仮に1つが崩壊した時に自分自身を立て直す事ができるかを考えると、私には複数の本業が必要だったのです。

私自身、複業(パラレルキャリア)という言葉を知ったのはつい最近で、それまで意識をして行っていたわけではありません。でも概念的には、そう遠くはないかもしれません。

何を成功と捉えるかは人それぞれですが、もう1つのキャリアでは自分の夢のいくつかを達成させる事ができ、メディアを通じて世界中の多くの人がそれを評価してくれています。

一方、それとは無関係の全く異なるキャリアの中で今筆を執っています。

どちらのキャリアにおいても培ってきた経験だけは常に両方のキャリアにシェアしてきました。それによって間違いなく、人生は良い方向に変わっています。
自分を必要とする人が増える度に、脆かった私の人生は堅くなっていきました。

この連載では前述のとおり肩書きの詳細には触れませんが、
それら複業による経験談や考え、そしてこれからのキャリアを考える人に役立つコラムを不定期で書いていきたいと思います。

人生の差

生物は生まれた瞬間から環境に差があるというのは事実です。
その環境次第で後の経験や能力、そして人生そのものが大きく変わります。

では環境の差が将来、人生の差にそのまま直結するかと言うと、それは一概に言えません。

例えば動物園で生まれ育ったライオンは大人になった時、当然野生のライオンより足が遅く獲物を狩る能力も劣っています。しかし食に困らず命の危険にさらされることはありません。

一方、野生のライオンは能力があっても毎日必ず食にありつけるとは限りません。命に関わる危険な事も多いです。でも動物園よりも広い範囲を自由に動くことができ、多くの仲間とも出会えます。

この二つの人生に差があるかどうかは
第三者である人間が勝手に評価する話であり、
当のライオンは置かれた環境の中でそれぞれ幸せを探し、能力の差を競います。

与えられた環境をどう捉えるか

ライオンが動物園か野生かを選べないように人間も人生そのものを選ぶことはできません。与えられた環境の中で自分を高めていきます。

自分が置かれている状況を理解せぬまま、広い大地を自由に走り回り大きな獲物を捕まえるライオンを動物園から見て「あんな風になりたい」とただ願望を抱いていたら、一向に成長はできません。
それは、将来広い家に住みたいから良い会社に勤めたいと言っているのと変わりありません。このように多くの学生が何となく目標を決めて就職していきます。それは社会に出てからも変わりません。

彼らに「毎日一生懸命動物園の中を走り回っているのはなぜ?」と聞けば、
「大きい獲物を捕まえられるようにするためだよ」と返ってきます。

更に、「なぜ走り回っていたら大きい獲物を捕まえられるようになるのか」と聞いたら、
「アドバイザーが野生の皆がそうしてると教えてくれたから」と言います。

仮に私が動物園のライオンであるなら何か芸を覚えて観客の注目を集められるように目指します。
人気が上がり自分自身の価値が高まれば、 今の環境を変えられる可能性があるので。
実際に、こんな風に考えるライオンはいないと思いますが、人間であれば常に与えられた環境の中で自分を高めながら人生を良い方向へ動かすことが可能です。

誰にでもその環境で育ったからこそ得た能力があります。それに気づけるかどうか、そして活かせるかどうかで人生は変わります。
あなたがもし今動物園内を走り回っているのなら一度足を止めて、ゆっくり考えてみても良いかもしれません。
観客の方を見ながら。


『私が死んだら何人悲しむか』- 充実感は成長とイコール -(No.02)はこちら

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■Te23 Profile
弱冠22歳にして数多くの企業のBtoBマーケティングを支援。2008年以降、複数のグローバル企業と契約を結び、いち早く複業という新たな働き方を体現しながら、彼らの日本参入に大きく貢献。また、自らのブランディングと並行し、某音楽配信企業や国内機材メーカーのアドバイザーとしても活躍、ファンマーケティングを通じてそれら企業のグロースハックを経験。別名義でのSNS総フォロワー数は8万人を超える。近年、自身のこれまでの経験とクリエイティブなポテンシャルを活かし当メディア内で執筆も行っている。

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