Webデザイナーやゲームデザイナーなどクリエイターとして楽しく働きたいと思っている方もたくさんいると思います。中には佐藤可士和さんのような有名なアートディレクターに憧れている人もいるのではないでしょうか。本記事ではアートディレクターとはどんな仕事をしていて、どんな資格がいるのかなど、アートディレクターの仕事について紹介します。
アートディレクターとは？
アートディレクターとは、テレビCMなどの広告やWeb、パッケージなどのデザインチームのディレクター（指揮者）のことを言います。 たとえば広告を制作するときには、デザインをするグラフィックデザイナーやコピーライター、カメラマン、イラストレーターなど多くのクリエイティブ・スタッフたちがチームとなって、広告を作り上げます。このチームをまとめていく指揮官がアートディレクターです。
アートディレクターの仕事内容は？
アートディレクターはアートとは言っても、画家や写真家などの芸術家ではありません。クライアント（顧客）となる企業などの要望を聞いて、その課題をビジュアルデザインで解決する仕事です。自分の芸術性を表現して作品を購入してもらう芸術家とは違い、アートディレクターは、クライアントの要望をかなえて、クライアントから報酬をいただくので、クライアントの課題や要望をしっかり聞くことが重要です。さらにクリエイティブチームのスタッフと一緒にその課題を解決するアイディアを企画提案しなければなりません。
アートディレクターとデザイナーの違いは？
アートディレクターは広告代理店や広告制作会社、デザイン事務所などの広告業界に所属していることが多く、クライアントの課題を解決できるように、デザイナーやコピーライターをディレクションしたり、デザイナーが制作したデザインやコピーをチェックしたりする仕事です。 デザイナーはアートディレクターの指示を受けて、デザインに落とし込みますが、アートディレクターは自分でデザインするよりは、デザイナー、コピーライター、カメラマン、イラストレーターなどのクリエイティブスタッフのアイディアをひとつにまとめることが重要な仕事です。
アートディレクターに必要なスキル
アートディレクターは、広告デザインやWebデザインなどのビジュアル面での指揮官であるため、デザインのセンスや知識はもちろん必要です。最初は広告代理店や広告制作会社でグラフィックデザイナーやWebデザイナーを経験してから、アートディレクターになる人が多いでしょう。 アートディレクターにはデザインセンスはもちろん必要ですが、クライアントの要望や課題をビジュアルで解決することが求められるため、クライアントの課題や要望をうまく聞き出す力、その課題や要望を正確にデザイナーやコピーライター、カメラマンなどのクリエイティブスタッフに伝える力、アイディアに行き詰まってしまったスタッフから能力を引き出す力などのコミュニケーション能力が最も大切です。
アートディレクターを目指すのに役立つ資格は？
デザイナーやアートディレクターなどクリエイターになるために取らなければならない資格や検定はありません。アートディレクターに必要な能力は、紹介してきたようなクリエイティブのセンスやコミュニケーション能力が重要で、資格がなくても十分に立派なアートディレクターになれますが、仕事に役立つ資格はいくつかありますので、紹介します。
アートディレクターにおすすめの資格
Photoshopクリエイター能力認定試験
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https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/
Photoshopクリエイター能力認定試験は、画像の加工や編集に便利なAdobe Photoshopを使いこなす技術を認定する資格です。スタンダードとエキスパートの2つの資格があり、スタンダードの試験は実技問題のみですが、エキスパートの試験は実技問題と知識問題によって構成されています。Photoshopは画像加工や編集で多く使われていますので、あると仕事に便利な資格です。
Illustratorクリエイター能力認定試験
https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/
Adobe Illustratorはデザインやイラスト作成には必須ともいえるソフトです。Illustratorクリエイター能力認定試験はそのAdobe Illustratorを仕事でスムーズに使いこなせるか、実務的なスキルを習得するための資格です。デザイナーには必須のAdobe Illustratorですから、アートディレクターを目指すには持っておくと役に立つでしょう。
Adobe Certified Associate（アドビ認定アソシエイト）
https://adobe.odyssey-com.co.jp/index.html
Adobe社認定の試験です。グラフィックソフトの基礎知識、基本的な操作方法、デザインプロジェクト要件の設定やグラフィックツールの利用に関するルールなどについて出題される試験です。マウスやキーボードを使ってモニターに表示された問題に解答する方法で試験します。
未経験でもアートディレクターになれる？
アートディレクターは企画専門職のような領域になるので、まったくの未経験で転職することはかなり難易度は高いかもしれません。広告代理店や広告制作会社など広告業界での求人では業界経験者を募集していることが多いのも事実です。
しかし、広告代理店や広告制作会社など広告業界でデザイナーとしての経験がある人は、アートディレクターの経験はなくても、採用される可能性はあります。アートディレクターはクリエイティブチームをまとめ上げるリーダーシップも重要なので、コミュニケーション能力があれば、デザイナーからアートディレクターになれるでしょう。‘
アートディレクターの求人状況と年収と将来性
最近のビジネスでは「クリエイティブシンキング」や「デザイン経営」といったキーワードがメディアでも紹介されるように、経営者にもデザイン思考が求められています。これまでアートディレクターというと広告などのビジュアルデザインに対しての指揮官という役割でしたが、今では佐藤可士和さんのような有名なアートディレクターのように、町おこしやビジネスコンサルティングの領域にまで携わっています。アートディレクターの求人数も多いですし、将来を期待されている職種であることは間違いありませんから、高い年収も期待できる職種です。
まとめ
今回はアートディレクターの仕事について紹介してきました。広告代理店や広告制作会社、デザイン事務所など広告業界で活躍するアートディレクターですが、これからは活動の幅がビジュアルの指揮官という役割だけでなく、ビジネスをデザイン（設計）、プロデュースする役割まで担っていくことになりそうです。クリエイティブな思考があって、コミュニケーションを取るのが好きだという人は、アートディレクターを目指してみるのはいかがでしょうか。
