働き方改革が施行されたことにより、会社の体制や制度が変わったなんて人も多いと思います。企業も個人も今まで以上にビジネスマンのキャリア展望に目が向けられている中、マーキャリ会員によるキャリアチェンジに伴った体験談をシリーズものとして連載していくのが本企画です。
今まさに自身の今後のビジネスライフに向けて働き方を変える動きをしている方もまだキャリアプランが漠然としている方も参考になる内容になっておりますので是非ご覧ください。
今回の記事投稿者:紺野天地さん
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フリーライターとして活動している、紺野天地と申します。
私は、社会人になってこれまでの5年2か月で2度のキャリアチェンジをしており、
地方公務員(4年間)→民間企業(1年間)→フリーランス(現在2ヶ月目)
と全く別の働き方を経験してきました。
「安定した公務員を辞めるなんてもったいない」
私のキャリアを見た時にこう感じる人は少なくないと思います。さらに今はフリーランス。公務員とは対極にあるような、全く安定とは言えない働き方です。
この記事では、私のキャリアチェンジの経緯や、どのようなスキルが活かされたか等、主に公務員時代と比較しながら書いていきたいと思います。
キャリアチェンジを考えている多くの方々や、公務員からの転職を考えながらも一歩踏み出せない方の参考になれば幸いです。
自己紹介
私は、現在フリーランスでライター業をしています。
メインはWebライティング。クラウドソーシングを中心に仕事を受注しており、得意ジャンルは経歴を生かした「労務」「教育・子ども」「転職」「スポーツ」等ですが、ジャンル問わず幅広く執筆しております。
キャリアチェンジまでの流れ
4年制大学を卒業後、地域に根付いた仕事をしようと、地元山形で地方公務員に。在職4年間で、主に人事労務関連の業務を担当しました。
転職後は、かねてから子どもへの支援に関心があったことから放課後等デイサービス・児童発達支援事業を展開している民間企業に勤務。「運動療育」を通して、発達障害を抱える子どもへの支援を行いました。
1年間の勤務を経て、今年度よりフリーランスになり、前述したとおり現在はライター業をしています。
なぜ、そうしようと思ったか?
「組織に頼らず、自分の力で生きていきたい」
「生きづらさを抱えている子ども達のために仕事がしたい」
2度のキャリアチェンジの原動力となったのはこの想いです。
公務員時代は、職場環境も良く、地方で暮らすには給料も十分。
はたからすると転職する理由はあまり無かったと思いますが、私は、「公務員」という身分に守られていることに窮屈さを感じていました。
さらに、かねてから「生きづらさ」を抱えている子どもへの支援に興味があったことから、発達障害児の自立支援を行っている民間企業へ転職したのです。
しかし、そこで私が感じたのは、「生きづらさ」は社会が作り出している側面があるということ。世の中の「こうするべき」という固定概念が、子ども達を生きづらくしているのではないかということでした。
子ども達ばかりを変えようとするのではなく、世の中全体の、子どもや教育に対する考え方の幅を広げたい。
同時に、組織や身分に守られるのではなく、自分で生き抜く力を身に着け、今後の時代を歩んでいきたい。
この2つの想いを実現すべく、現在のフリーライターという道を選択しました。
元のキャリアのスキル、もともと持っていたスキルが次のキャリアにどう活かされたか?
まず初めに、「公務員は民間企業で通用しない」「スキルが身に着かない」という声をよく聞きますが、そんなことはありません。
例えば、公務員の業務として代表的な、窓口業務を始めとした住民への対応。ここで培ったコミュニケーション能力は、前職の企業において、子どもや保護者の悩みに寄り添い、時には励ましたりアドバイスをするうえで充分に活かされました。
他には、文章作成なんかも公務員の代表的な仕事でしょう。これは現在のフリーライターの仕事に大きく活かされています。
公務員の文章作成は、客観的に正しい情報をまとめることが重視されるため、当時は、自分の想像性を反映させる隙が無いこの仕事に退屈さを感じていました。
しかし、誤った情報が溢れている現代では、正確な情報を分かりやすく伝える力がとても重要。そしてそれが、現在のライター業には必須のスキルなのです。
キャリアチェンジで最初大変だったこと
自由度の違いに戸惑いがありました。
公務員は、自分の業務について必ず上司の確認や指示を得る「決裁」と言われる制度があります。また、仕事の根拠となる法律があるので、ある程度仕事の型が決まっていました。
対してフリーランスはもちろん、私の務めていた民間企業は、仕事が個人の裁量にゆだねられることが多かったのです。誰が指示をくれるではなく、自分の頭で考えたことを実行し、自分で改善していかなければなりません。
私は、公務員時代から自分の意見をハッキリ言い、型にはまらないよう柔軟に業務をこなすことを心がけていましたが、それでも大きく異なる労働環境に慣れるまで時間がかりました。
成果をだせたこと
私がフリーランスに転向したのは、今年の4月。
主にクラウドソーシングサービスを利用し、個人での仕事を本格的に始動しました。
初月は公開されている仕事に片っ端から応募しているような状況でしたが、2ヶ月目には、「是非、紺野さんにお願いしたい」と直接依頼をいただけるようになりました。
その時の仕事は、新型コロナで衰退している事業を復興させるためのクラウドファンディングに記載する文章作成。
フリーランスに転向して1ヶ月と少しでしたが、その期間を全力で頑張ってきた成果でした。
成果をだせたことの道筋
私の場合、ライター業は副業で少しやっていた程度で、実績もなし。でもなぜ上記のような成果を出せたかというと、「手探りでもとにかく行動したこと」「当たり前のマナーを怠らなかったこと」この2点が、大きかったと思っています。
フリーランスは、待っているだけで成果を出すことは不可能です。よほど実績があれば別ですが、まず自分から動かなければ向こうから仕事がやってくることはありません。「どうしたら良いだろう」と不安や焦りがある中でも、まず仕事を探し応募すること、そしてすぐに仕事に取り掛かってみること。あとは、手探りで行動する中で、スキルや実績を積み重ねました。
また、「メッセージのやり取りを迅速かつ丁寧におこなう」「納期を必ず守る」等、当たり前のことを怠らないように心がけました。
これが出来ていないフリーランスは多いので、それだけでもまた仕事がしたいと思ってもらえます。どれだけ独創性や正確性がある文章を書ける人でも、基本的なマナーができていなければ、また仕事がしたいとは思ってもらえないはずです。
特に、実績のないフリーランスにとっては、こういった小さな積み重ねで信頼を得ていくことが大切だと感じました。
まとめ
「公務員は安定しているから辞めるのはもったいない」
私は、公務員から転職する時、多くの人にこう言われました。
でも、自分を信じて進んだ結果、今の方が仕事に充実感を感じていますし、何ひとつ後悔はありません。
キャリアチェンジを、現状からの「逃げ」などと揶揄する人がいるかもしれません。中には、「やめておけ」と止めてくる人もいるでしょう。でも、耳を傾ける必要は無いと思います。
キャリアをチェンジする、転職する、といった現状を変えようというこの決断自体が勇気ある行動ですし、行く先がどうなっているかなんて誰にも分かりません。
自分の選択と可能性を信じて、1歩進んでみる。それだけでも、周りの景色がだいぶ開けてみえるはずです。