華やかなイメージのあるPR会社。新卒・転職問わず人気を集める業界の1つです。しかし、なんとなくのイメージはあっては、具体的にどんな仕事内容なのか、また広告代理店との違いはどういった点なのか分からない方も多いのではないでしょうか。この記事では、PR会社とはどんな企業なのかについて詳しく解説しています。PR会社に興味がある方や就職・転職を検討している方には参考になる点も多いはず。ぜひ最後までご覧ください。
PR会社とは
PRと聞くと「宣伝」のイメージがある方が多いのではないでしょうか。PRとは「Public Relation」の略称で、企業は社会と良好な関係を築き上げるという意味があり、広報と訳されることが多いです。実はPRには「広告・宣伝」という意味は含まれていないのです。
つまりPR会社は、広告宣伝を行う会社ではなく、企業に代わって広報業務(PR)を行う会社となります。効果的な企業広報ができるようアドバイスをする、テレビや雑誌などのメディアに企業やその商品が取り上げてもらえるようにメディアに働きかけるのがPR会社の大きな役割です。
PR会社には2種類ある!
PR会社は大きく分けて2種類あります。1つは「総合PR会社」、もう1つは「専門PR会社」です。仕事内容としては共通しているところも多いですが、異なるところは対応している範囲です。総合PR会社は、多種多様な業界に幅広く対応しているのに対し、専門PR会社は、不動産・外資・ファッション・医療・など特定の分野に特化したPR会社です。
また、専門PR会社には分野を限定するものだけでなく、PR(広報)活動のうち、プレスリリースのみ、SNSマーケティングのみ、リスクマネジメントのみというように特定のサービスを専門とするものもあります。
PR会社と広告代理店との違い
PR会社のなかにももちろん一般的な企業と同様に営業職をはじめとしてさまざまな職種があります。しかし、PR会社を志望する場合は「PR会社とは何か」について理解しておくことは必要です。PR会社について深く理解するために、広告代理店との違いを確認していきます。 和製英語のPRには「自己PR」という言葉があるので誤解しやすいですが、本来のPRには、広告宣伝の意味合いはありません。
PR会社と広告代理店の違いをみていく前にPRと広告の違いから確認していきます。
一番の違いはお金が発生するかどうか
広告を出すことをイメージすると分かりやすいでしょう。TVCMや雑誌、新聞の広告、近年ではWebサイト上での広告など、さまざまな広告があります。それらはすべて企業が無料で出せるわけではありません。広告を出す枠を購入して、そこに広告を出しているわけです。
一方でPRの場合は、メディアに掲載してもらうためにお金が発生するものではありません。たとえば街で行列のできるラーメン屋さんを特集する番組があるとして、ラーメン屋さんがTV局にお金を払っているわけではありませんよね。
PR会社と広告代理店の業務内容の違い
広告代理店はクライアントの広告制作をはじめとして、広告枠の購入の代行をし、実際に広告が放送や掲載されるまでを担当します。PR会社が目指すゴールは「メディアに取り上げてもらいファンを増やすこと」。そのためのアドバイスやメディアへの働きかけをするのが仕事です。
具体的には、広告代理店は新聞・テレビ・ラジオ・雑誌などへの広告の作成と出稿、店頭キャンペーンなどを行います。その一方でPR会社は、ニュースリリースの発表、バラエティ番組・雑誌コラムへの取材依頼、報道からの取材対応窓口などを担当します。
PR会社を利用するメリット・デメリット
企業がPR会社に広報を依頼する理由は、自社に広報のノウハウがない・広報担当がいないのでアウトソーシングしたい、ファン作りのための戦略的な広報活動をしていきたいといったものがほとんどです。PR会社を使う最大のメリットは、広報活動に関して余計なコストがかからないこと。広告を出稿するわけではないので各メディアの広告枠を購入する必要がありません。
広告は期間や放送時間の制限があるためインパクト重視のものになっていますが、企業のプレスリリースのような文書を作成する広報活動においては、自社が伝えたいことを余すことなく伝えることができます。PR会社に依頼することで自社の強みが客観視できますので、効果的な広報活動が可能です。その結果メディアから取り上げたいという依頼がくれば、広告費を払うことなく自社のアピールをすることができます。
逆にPR会社を利用するデメリットとして挙げられるのは、メディアに取り上げられるかの保証はないこと、取り上げられるとしても時期などの指定ができないことです。広告代理店を利用すれば確実にメディアを使った情報発信ができます。こちらで期間や時期なども指定が可能ですので短期的に注目を集めるには適しています。
PR会社と広告代理店は、似たようなイメージがあっても実は大きく異なる会社だとお分かりになったでしょうか。広告代理店は広告の専門家であって、広報の専門家ではありません。広報を行うPR会社は、広告のように一方通行の発信ではなく、相手に理解をしてもらい信頼関係を構築していくための分析や企画立案のプロフェッショナルです。
クライアントとメディアを運営するマスコミとの関係はもちろん、自社のターゲット層との信頼関係を築き、ファンになってもらうために、広報活動は企業において非常に重要な活動であると言えるでしょう。