広告代理店の営業職にあたるアカウントエグゼクティブ。広告業界は華やかなイメージもあるため、アカウントエグゼクティブは新卒・転職ともに人気の職種です。とはいえ、就職後・転職後にどういったキャリアが描けるのかについては、よく分からない方が多いのではないでしょうか。
この記事ではアカウントエグゼクティブをスタート地点とした、さまざまなキャリアプランについて解説しています。現在、アカウントエグゼクティブをはじめとした営業職を目指している場合には、その将来のキャリアについても考えるヒントになるはず。ぜひ参考にしてください。
アカウントエグゼクティブのキャリアルート
まずはアカウントエグゼクティブの一般的なキャリアプランについて解説していきます。アカウントエグゼクティブの場合は、広告代理店として営業をし、契約をとってくるだけが業務ではありません。広告枠の確保や、広告の制作チームの指揮やスケジュール管理、広告がメディアに掲載された後には、その効果測定やアフターフォローなど、さまざまな業務を1人で行うことになります。さらには1人で複数のクライアントを同時に担当することが基本ですので、その業務量はとても多くなります。
たとえ他の業界で営業職として経験があっても、覚えることや入社してからでないと分からないことも多いため、入社当初は同じアカウントエグゼクティブ職の先輩社員に同行して仕事を覚えることになるでしょう。もちろんアカウントエグゼクティブは営業職ですので、営業成績も重要です。ときには付き合いのある既存のクライアントではなく新規営業も必要となるでしょう。入社したてであれば、誰かの担当クライアントを譲ってもらうよりは、自身で営業をかけることの方が多くなるはずです。テレビCMなどで、他社と協力して広告を制作する場合ではスケジュール管理だけでなく予算についても取りまとめを行う必要があります。
クライアントによっては、複数の企業を集めてコンペを行った上で契約する相手を決めることもあります。さまざまな場数を踏んで少しずつ独り立ちをしていくことになります。結果を残していくことでマネージャー職や営業部長などの管理職を目指すのが一般的ですが、広告代理店に入ってアカウントエグゼクティブとして働く方のほとんどは、広告作りという仕事に魅力を感じていることが多いので、役職につきながらプレーヤーとしても活動するケースも少なくありません。
アカウントエグゼクティブからのキャリアチェンジ・転職
ここからはアカウントエグゼクティブが、営業職として社内でキャリアアップしていく以外のパターンについて紹介していきます。
独立
営業職であるアカウントエグゼクティブのキャリアプランは、社内で営業部門に携わりつづけることだけではありません。広告代理店としての仕事の流れを身につけ、自身の営業スキルに自信がある方なら、独立をするというパターンもあります。この場合は、新たに広告代理店を立ち上げるというものだけでなく、個人事業主として営業代行を業務委託で行う、コンサルタントのような立場で広告運用についてのアドバイスやプランの立案を行うといったパターンも考えられます。
営業企画職
また、社内で異動をし、別部署で活躍するキャリアもあるでしょう。アカウントエグゼクティブの経験や知識が活かせるのは営業部だけではありません。例としては企画職の一種である「営業企画」が挙げられるでしょう。
営業企画は、実際に営業を担当するのではなく営業方法を企画するもので、具体的には、「営業職が製品やサービスを販売するための企画を立てること」ことが仕事です。どうすれば成果が出るかについて具体的な方策を考えます。
営業企画職の業務内容としては、「営業戦略の立案」、「目標設定」、「パンフレットなどの販促ツールの制作」、「インセンティブの設定」などが挙げられます。営業戦略を設定する際には、営業側の意見や心情が理解できなければ務まりませんし、実際に営業として結果を残してきた人間が作ったものでなければ、実際に現場で働く営業職に適応しづらいものになってしまい成果につながらない懸念が生まれます。アカウントエグゼクティブとして営業をしてきた経験は、このように他の部署でも大いに活かすことが可能です。
人事職
人事職は社員の採用や配置など、人材に関する業務全般を担当します。採用担当というイメージが強いかもしれませんが、社員の教育や評価についても人事が担当しています。ある程度の規模の企業であれば、コンプライアンス研修や管理職研修、新人研修などさまざまな研修を実施しています。一見営業職であるアカウントエグザクティブと人事職は関連性が薄いように感じるかもしれません。
しかし書類選考や面接において最も重要になるのは、「人を見る目」ですよね。会社において誰よりも社外の人とコミュニケーションを取っているのは営業職です。営業の経験は、きっと人材採用においても活きてくるでしょうし、さまざまな研修においては人事職自ら講師を務めることも珍しくありません。そのような場合には、要点をきちんと伝えるプレゼン力が必要になります。新人の営業研修などでは、自身の営業経験なしに説得力のある講義を行うことは不可能でしょう。
アカウントエグゼクティブは、未経験でも求人が多く、応募がしやすい職種の1つです。応募を考える際には、アカウントエグゼクティブとなった後のプランについても考えておくとよいでしょう。キャリアプランに正解はありませんが、自身がどうなりたいのかについては考えておくことは、将来的にきっと大きな意味を持つはずです。
