• 2020/06/11
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  • キャリアチェンジ体験記

打席に立ち続けよう!成功体験がなくてもキャリアチェンジできる【キャリアチェンジ体験記】

  • マーキャリ会員  
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目次

【キャリアチェンジ体験記とは】
働き方改革が施行されたことにより、会社の体制や制度が変わったなんて人も多いと思います。企業も個人も今まで以上にビジネスマンのキャリア展望に目が向けられている中、マーキャリ会員によるキャリアチェンジに伴った体験談をシリーズものとして連載していくのが本企画です。

今まさに自身の今後のビジネスライフに向けて働き方を変える動きをしている方もまだキャリアプランが漠然としている方も参考になる内容になっておりますので是非ご覧ください。

今回の記事投稿者:土屋明子さん
⇒土屋明子さんのバイオグラフィはこちらをクリック

自己紹介

私は47歳、投資信託の運用会社で営業職をしています。今、勤めている会社は5社目。転職回数はやや多めですが、業種はずっと金融/証券界隈にいます。今回はライフイベントの変化に伴い、地域を超えて別業務にチャレンジすることになった、少し昔のエピソードを紹介いたします。

キャリアチェンジまでの流れ

大学を卒業して入社したのは大手証券会社。100名を超す大きなターミナル店で個人営業をしていました。お客様に債券や投資信託を販売する仕事です。毎月の目標に販売金額が届くことはほとんどない、ダメな営業担当者でした。良い同僚に恵まれたことは大変幸運でしたが、仕事面では職場に対する居づらさを毎日感じていました。しかし、その会社はその3年後に倒産。肩身の狭い思いをし続けた1社目が終わりました。

次の職場はメガバンクでした。証券会社でしか取り扱いがなかった「投資信託」が当時、新しく銀行で取り扱えるようになったのです。若手の私は、そのオープニングスタッフとして採用されました。
伝票の色、店舗改装にあたり業者さんとの連絡、行員向け勉強会の講師やビデオ作製・・・・立ち上げ期でしたので、「投資信託」と名がつけばどんな業務もやっていました。「働き方改革」という言葉もない当時、終電を意識しながら働く長時間労働の日々。評価や成果を気にする間もなく、馬車馬のような毎日を送っていました。そうした中、学生時代の友人と結婚、銀行を退職し、東京から仙台に引っ越しました。

なぜ、再び転職することになったのか?

仙台で別の会社ではたらくこと4年、主人の東京転勤が決まりました。またもや転職です。今度は在職中であったことに加え、仙台-東京と地域を超える転職活動です。この時私は初めて転職エージェントに登録しました。
今まで3社を経験していましたが、いずれの会社でも目立った成果をあげられず、既婚者であることから、自分単独での転職は難しいと判断したからです。

転職エージェントでは、初回に面談をし、その後に案件が紹介されることが一般的です。仙台在住の私はネット経由でエージェントに登録。ほどなくエージェントから電話がありました。お話しによると、仙台地区の候補者は札幌営業所が管轄している。仙台には時折しか行かない。従って電話とメールでのやりとりで進めていく、といった内容でした。こうして、居住エリアは仙台、転職先エリアは東京、エージェントは札幌という不思議な転職活動がスタートしました。

元のキャリアのスキル、もともと持っていたスキルが次のキャリアにどう活かされたか?

3社も経験しているのに成功経験がない私に、差し出される求人は所謂「ポテンシャル採用」的な案件が大半でした。

そうした中、エージェントが 営業経験 × 講師経験 =「セールス話法を説明する講師業」という当時新しい職業を提案してくださったのです。転職のステップはあっという間に進み、私は東京で投信運用会社の研修講師としてのキャリアをスタートさせることになりました。銀行員に自分の会社が運用する投資信託のセールス話法の説明を行うことが主な仕事です。
自分がダメ営業マンであった為、自信のない販売員の気持ちはよく理解できたこと、銀行員が当時苦手と感じていることがわかっていたことがとても役に立ちました。

成果をだせたこと

成果は「アフターフォローのカリキュラム」を作成させたことです。値下がりした商品を保有するお客様にたいして、どのようにお声かけしたらよいのか悩む銀行員が多かったからです。また、数値目標に対する意識が高いセールスパーソンの中には、「販売」ばかりに注力し、いったん売った後は全く興味を無くしてしまう方も残念ながら見受けられました。一時的に販売が促進されたとしても、継続的な情報提供やフォロー無くしては追加の購入の見込みは絶たれます。そのような営業がなされているのでは、投信会社の利益獲得にも支障がでてきます。
研修メニュー追加に関しては会社としても歓迎する時期でしたので、周囲の協力も比較的得やすい状況でした。

成果をだせたことの道筋

わずかではありましたが、販売推進メニューで使う資料の中に、フォローに関わる記載がありましたので、まずはそれを抜き出し、肉付けすることから始めました。また、表面的なHOW TOにならぬよう
「なぜ必要なのか」「それによってどういった効果が見込まれるのか」などにも踏み込んだ内容にしました。また、大抵の研修受講者は、希望して受講しているわけではなく、業務命令によってある意味「仕方なく」参加しています。そうした方に長文は逆効果ですので、テキストにはイラストなどを使い、直観的に理解できるようにしました。経験豊富な同僚の指導もあり、協力的な雰囲気の中完成させることができました。

いま振り返るとそれはアフターフォローに関するテキストの礎です。同業他社を見回しても、今やどの会社にもそうしたテキストやカリキュラムをもっており、それは年々進化しています。このコロナウィルス感染拡大防止下にあっては、ウェブを活用した研修方法の進化も著しいはずです。

後輩女性へのアドバイス

以上、冴えないビジネスパーソンが、ライフイベントに伴い、地域を超えたキャリアチェンジに挑戦し、小さな成功体験を積めた事例を紹介致しました。その後私は、研修講師から営業担当に職務をかえ現在に至っております。月に複数回の出張も伴う業務ですが、主人と子ども2人と共に、心穏やかな日々を過ごすことができています。

皆さんの中には、結婚、出産、転居などいくつかのライフイベントでご自身の選択に迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?出産2回、転居を2回しつつも働き続けてきた私がお勧めすることは、「打席に立ち続けること」です。数年で辞める(休職する)ことになるかもしれない等の理由で新しい仕事に就くことをあきらめる必要はない、ということです。

私の社会人生活25年の中で、突然の死亡や突然の発病により、翌日から出社できなくなった方が4名いらっしゃいます。結果として一切の引継ぎもなく退職していきましたが、悪く言う方は皆無です。現実世界では予期せぬことはつきものですよね。
大事なのは在職中の勤務状態です。会社業績への多大な貢献、チームワークの要など、それぞれの役割は異なるかと思いますが、働くという打席に立ち続け、求められる役割に応え、信頼を高めておくことが、やってくる変化やチャンス獲得の確率を高める大きな要素でしょう。

足元では、テレワーク、副業など、働くスタイルの選択肢も確実に広がってきています。遠慮したり、諦めたりすることなく、幅広い選択肢の中からご自身の目指すキャリアを積極的に構築していってください。

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