新卒からの就職や転職など、企業を志望するにあたって必ず準備しなければならないものが志望動機です。志望動機は書類選考や面接といった採用選考シーンにおいて必ずと言ってよいほど問われるもの。企業にとっては、たくさんの志望者から絞り込むために参考にするものであるので、しっかりと準備して作りこんでおく必要があるでしょう。
この記事では、近年広告業界で注目される職種の1つであるメディアプランナーを目指す方に向けて、志望動機の書き方の基本から詳しく解説しています。メディアプランナーだけでなく広告業界を目指す方なら参考になる部分も多いはず。ぜひ最後までご覧ください。
企業が志望動機を問う理由
履歴書のフォーマットには必ず志望動機の欄がありますが、そもそもなぜ企業が志望動機を問うのかを考えたことはあるでしょうか。スキルや素質を知るだけなら自己PRだけでも十分なはず。にもかかわらず志望動機を聞く理由は、「志望者の本気度・熱意を確認するため」です。「同じ業界ならどこでもよい」という方の志望理由と、「この業界の中でも絶対にこの会社に入りたい」と考えている方の熱意は全く異なりますよね。
熱意が強ければ強いほど、会社に入りたい理由を述べる志望動機のクオリティもおのずと高くなります。この会社に入社したい気持ちが強いならば、入社後も精一杯努力し、活躍できる人材になってくれるだろうと企業は判断できます。志望動機は、入社後に活躍できる人材になれるかをチェックするための指標の1つだと言えるでしょう。
志望動機の書き方の基本
志望動機はその会社を志望する動機は何かということです。つまりどんなことがきっかけでその会社に入りたいと思ったのか、会社のどんな点に惹かれて応募したのかついて述べるのが志望動機です。もう少し詳しく言うならば「その会社でないとダメな理由」となります。たくさんの同業他社があるなかで、その会社を選んだ理由を述べるものです。
言い換えれば、同業他社を志望する際にも言えるようなことは志望動機としては弱いということになります。業界や業種に惹かれた理由だけでは不十分となるので、必ずその会社に惹かれた理由までも盛り込むようにしましょう。業界に興味を持った理由、業種に惹かれた理由、数ある企業のなかでもその会社を選んだ理由というように、大きなカテゴリーから小さなカテゴリーについて考えていくことで、独自性のある志望動機となるでしょう。
たとえきっかけは、就職サイトの画像やキャッチフレーズに惹かれたといったなんとなくのものであったとしても、なぜそこから選考に参加しようと思ったのかについてしっかりと深堀りをしていけば、きっと魅力的な志望動機となるはずです。
志望動機には「入社後にやりたいこと」も加えることをおすすめします。これを行うことで志望動機により説得力が増すからです。「入社したい」という気持ちに加えて「入社したらこんなことがやりたい」といった具体的な行動も述べることで、採用担当からすれば将来性を見出すきっかけとなるかもしれませんし、しっかりと会社について調べてきているというアピールにもつながります。
志望動機と自己PRを混同しないように注意
志望動機と自己PRは混同されやすいものですが、きちんと分けて考えるべきです。たとえば志望動機を聞かれる「弊社を志望した理由はなんですか?」と、自己PRを求められる「あなたが弊社に貢献できることはなんですか?」と2つの質問に対して同じ答えというのはおかしいですよね。志望動機がその会社に入りたい理由であることに対して、自己PRとはどういう位置づけなのか簡単に確認しておきましょう。
自己PRは自分がいかに企業に貢献できるかを述べるもの
自己PRとは、自分自身がどんな人間でどんな能力があるかをアピールするものです。「この会社に入りたい」という気持ちと「実際に役に立てるか」は別の問題です。極端な話ですが、「この会社に入りたい気持ちが誰よりも強いので、入社後も貢献できます」というのは自己PRとして成り立ちません。あくまでも別のものとして考え、混同することがないようにしましょう。エピソードを通して説得力を持たせるのがおすすめです。もちろん会社の業務や仕事内容に関連がある自己PRであればベストです。
未経験からの転職を狙う場合には、これまでの自身の経験と照らし合わせて、どのような点で力が発揮できそうかと考えるとよいでしょう。どうしても業務と関連づけることが難しい場合は、汎用性の高い、「コミュニケーション能力の高さ」をアピールするようなものでも問題はありません。
メディアプランナーの具体的な志望動機の作り方
ここからは具体的に、メディアプランナーの志望動機の作り方について述べていきます。メディアプランナーは、クライアントに対するメディア戦略を提案する仕事。メディアプランナーを目指すなら基本的には広告業界の企業への入社を狙うことになります。
そのためまず考えることは、「なぜ広告業界なのか」です。広告業界に興味をもったきっかけや広告を仕事にしたいと考えた理由などのエピソードを盛り込みながら文字にしていきましょう。
次のステップは「なぜメディアプランナーなのか」を考えることです。広告を扱う企業の中にもさまざまな職種があります。広告が好き、クライアントに広告で貢献したいといったものなら営業職でもよいということになります。なぜメディアプランナーなのか、についてはっきりと言葉できるようにしておきましょう。
志望動機を作る最後のステップは「なぜその会社か」について明確にすることです。たとえばその会社の商品についての思いや、企業研究の末に自分なりに見つけたその会社の独自性などが、ヒントとなります。
志望動機が出来上がったら、応募に臨む前に一度自分が作った志望動機を読み直してみましょう。自分が採用担当になったつもりで「この志望動機に惹かれるか」と自問自答してみれば客観性のある魅力的な志望動機になっているかのチェックができます。面接官の立場になってみることで新たな発見がきっとあります。志望動機は「これで完璧」と思ってからが勝負と言っても過言ではありません。必ず客観的な視点でチェックすることは忘れないでください。