ITやデジタル、Webマーケティング分野の企業において注目されている「グロースハッカー」。グロースハッカーという言葉が生まれてからまだ10年ほどではありますが、大きく注目を集め、ITやマーケティングに関わる仕事をしている方にとって目標とも言える職業となっています。この記事では、将来的にグロースハッカーを目指す方に向けて、グロースハッカーに必要なスキルについて解説しています。ぜひ参考にしてください。
グロースハッカーの仕事内容から必要スキルを考察しよう
グロースハッカーになるにはどのようなスキルが必要かを解説する前に、グロースハッカーとは何かについて確認しておきましょう。グロースハッカーの仕事内容を知ることで、後ほど紹介するスキルがグロースハッカーの仕事とどう関わりがあるのか見えてくるはずです。
グロースハッカーの仕事
グロースハッカーは、企業が持つ製品やサービスについてモニタリングを行い、改善をすることで商品やサービスの成長をさせる人のことを言います。課題を解決し、効率や生産性を上げることでビジネスを成長(=グロース)させていきます。グロースハッカーは広告費やマーケティングになるべく予算を使わずにユーザーのニーズを満たす製品を企画・立案してユーザーを獲得する必要があります。コスト削減の施策を打つよりは、売上を最大化する方法を提案するのがグロースハッカーです。
グロースハッカーは、高度なスキルや知識が求められるものではありますが、必ずしも指示を出す管理側の人間とは限りません。自身の手で改善プランを実行するといった現場での活躍が期待されるものだということは頭に入れておいてください。
グロースハッカーに求められるスキル
ここからはグロースハッカーに必要なスキルについて詳しく解説していきます。グロースハッカーになるために弁護士や医師のような必須の資格はありませんが、これから紹介するスキルが身についていないとグロースハッカーとして活躍するどころか、グロースハッカーとして職を得ることも難しいかもしれません。特に重要なものをピックアップして紹介していきますのでぜひ参考にしてください。
統計学の基礎知識
統計学に関する知識は、グロースハッカーにとって最重要とも言われるスキルの1つです。データドリブンマーケティングは、データをもとにアクションをしていくというマーケティングの基本とも呼べるもの。データドリブンマーケティングは、従来からある手法ではありますが、Webの発展によりさらに膨大なデータが集まるようになった現代だからこそ、効果を発揮するものだとして注目されています。
データを正しく読み解くには統計学の知識が必須です。一見Webマーケティングとは関連性が薄いように思われますが、重要なものとなります。書籍などで独学で学ぶのが厳しいと感じた場合は、オンライン講座なども活用して学習するとよいでしょう。
GoogleAnalyticsの運用スキル
GoogleAnalyticsは、Googleが提供している、Webページの解析ツールです。よく見られているページや滞在時間など、ユーザーの行動などについてチェックできます。たとえば「Web広告を打ったが、その結果どれくらい訪問数があったか」などの効果測定にも有効です。抱える課題のすべてに対して改善を行おうとしても効果があらわれるまでに時間がかかってしまいます。短期的に最大限の成果を得るためには、どこにフォーカスしてグロースハックを行うかが重要になります。グロースハックを行うポイントの洗い出しのために必要となるのがGoogleAnalyticsをはじめとした分析ツールの運用スキルです。
GoogleAnalyticsのスキルはGoogleが公式に提供している無料のオンラインコースで学習するのがおすすめです。また、GoogleAnalyticsではデータを得ることができないものに対しては、データベースから直接情報を取り出す「SQL」というデータベース言語が必要になります。こちらの学習も並行して行いたいところです。
A/Bテストの実行スキル
A/BテストはWebマーケティングの手法の1つで、Webサイトや広告のバナー、広告文などをAパターンとBパターンの2パターン用意し、どちらがより効果があるかを検証するものです。A/Bテストには、ほとんどコストがかかりません。しかしこのような方法で圧倒的な成果を出すことこそがグロースハッカーの役割。A/Bテストに関するスキルはグロースハッカーに必須だと言えるでしょう。
プログラミングスキル
プログラミングスキルは、先述したA/Bテストの実装に役立つだけでなく、実際にプログラミングを行うエンジニアとのコミュニケーションを円滑に進める際に重要になります。グロースハッカーにはコードが読めたり、修正できたりといったレベルのプログラミングスキルが最低限必要です。HTML/CSSは最低限必要と言われていますが、JavaScript、PHP、Pythonといった言語も使いこなせることが望ましいでしょう。近年では実際にスクールに通わなくてもオンラインの養成講座で実践しながら学べるものもあるので、活用してみてください。
グロースハッカーは、求められるスキルが非常に高い仕事です。そのためグロースハッカーの求人募集をしている会社でも未経験者は対象外となっていることがほとんどです。グロースハッカーを目指すならまずは、今回紹介したグロースハッカーに必要なスキルとともに、Webマーケティングなどの知識も身につけ、まずはマーケターとして企業で仕事に就き、社内で実務経験を重ねるというのも1つの方法です。すべてのスキルを完璧にするのには時間がかかります。可能であるならば学びながら経験が積めるところから始めてみるのがよいのではないでしょうか。