働き方改革が施行されたことにより、会社の体制や制度が変わったなんて人も多いと思います。企業も個人も今まで以上にビジネスマンのキャリア展望に目が向けられている中、マーキャリ会員によるキャリアチェンジに伴った体験談をシリーズものとして連載していくのが本企画です。
今まさに自身の今後のビジネスライフに向けて働き方を変える動きをしている方もまだキャリアプランが漠然としている方も参考になる内容になっておりますので是非ご覧ください。
今回の記事投稿者:豊永顕裕さん
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1.自己紹介
はじめまして。複業コンサルタントのトヨナガアキヒロです。
会社員の方を対象に、複数の収入源を持ち、人生の充実をお手伝いさせていただいています。
私は、起業に至るまで、様々な職を転々としました。それこそ、履歴書の職歴欄に収まらないくらい(笑)。
中でもターニングポイントになったのが、雑誌の編集者から企画営業へキャリアチェンジです。
今回は、わりと憧れられる職業の編集者から、敬遠される営業への転身を果たした経験をお話しさせていただきます。
2.クリエイティブから泥臭い世界へ
文章を書く事とスポーツが好きだった私は、
「スポーツライターになりたい」
と想い、その道を目指すべく、スポーツマスコミを学ぶ専門学校へ進学しました。
その後、先輩からの紹介を受け、新卒で旅行雑誌の編集プロダクションへ入社。
仕事はひとことで表すならば、『激務』でした(笑)。
締切日の前後は会社に泊まるのが当たり前、基本的には終電で帰る毎日を過ごしていました。ただ、仕事が嫌だったのか?と聞かれると、全くそんなことはありませんでした。
やっぱり、自分が手掛けた作品が世の中に出ると、達成感や充実感を得る事ができたからです。
しかし、諸々の事情があり、地元へのUターンを決意。
それをきっかけに選んだのが、広告代理店の企画営業でした。
3.なぜ、営業を選んだのか?
私が営業を選んだ理由は、2つあります。
1.クリエイティブな仕事が無かった
2.将来起業することを考えていた
それぞれ解説します。
3-1.クリエイティブな仕事が無かった
最初から、ものすごくネガティブな理由になりますが(笑)、今は、地方でも活動できるような環境がありますが、私がUターンした当時は、クリエイティブなお仕事といえば、東京に集中している状態でした。
だから、クリエイティブに関わりたいと思っても、私のキャリアのような、編集やディレクターというポジションがそもそも必要とされていない、もしくは人手が足りているという状況だったのです。
さらにいえば、当時はリーマンショックで、世界的な経済不況ということもあり、そもそも直接売上につながらないような職種の求人は必要とされていないという時代でもありました。今振り返ってみると、最悪のタイミングで転職したんだなぁと感じています(笑)。
3-2.将来起業することを考えていた
もう1つの理由が、私がこの頃から将来的に起業することを考えていたというものです。
編集、ディレクターとしての経験は積んだ(つもり)ので、仕事があれば良いものを作る事ができる、成果を上げる事ができるという自信はありました。
しかし、肝心の仕事を取る術がわからない事で、起業する勇気を持つ事ができませんでした。
営業が獲得した仕事に対して、100の完成度を目指すのが内勤の仕事ですが、それは営業が0から1にしてパスをしてくれるおかげで力を発揮する事ができるわけです。
当時の私は、この0から仕事を生み出す力が不足していたので、その経験を積みたかったというのが、企画営業を選んだ理由です。
4.編集の経験を活かしてクライアントにゴールをイメージさせる
実際に転職して感じたのが、編集の仕事はもちろん、自分が経験してきた事が随所で活かされる機会が多いという事です。
編集の仕事をしていた時は、社内の人や関連会社の人としか会話する機会がありませんでしたが、営業は違います。
毎日、初対面の人と話す機会があるのです。だから、当然ですが会話のネタは豊富な方が重宝されました。
あと、クライアントからよく言われた事「他の営業さんと違って細かいイメージを伝えてくれる」という事です。
私はもともと、編集としてクリエイティブに携わっていたので、クライアントの要望を聞いたその場で、その要望の良い部分、悪い部分をお伝えするように心がけました。
すると、無駄な校正も減り、お客さんも効果を最大化できるという事で、非常に喜んでもらえました。
5.営業はとにかく泥臭い
ここまで、順風満帆のようにお話ししましたが、最初からお客さんが取れた…わけではありません。
今の営業がどうかはわかりませんが、当時はまだまだ【テレアポ】の全盛期でした。
朝から晩まで、知らない人に電話をかけ続け、アポを取り、商談に行く。このような日々の繰り返しでした。
そして、私はとにかくテレアポが苦手でした。
今もテレアポなんて、絶対にやりたくありません。
まあ、テレアポが嫌だったおかげで、マーケティングを学ぶきっかけになったので、今となっては良い思い出ですが、とにかく泥臭く、毎日同じことをコツコツと続ける営業の仕事は、それまで毎日、編集としてワクワクするような事、毎日違う作業に取り組んでいた私にとっては、とても辛い日々でした。
6.営業として初めて契約が取れた
やっぱり、苦手な事をするわけですから、同期の中ではテレアポのコール数も少ないですし、アポを取れた件数も少ないという状況でした。
上司からは、毎日コール数に対するフィードバック、アポのトークスクリプトに対するフィードバックなどをもらい、少しずつ改善していきました。
そんな中で、入社して約1ヶ月が経った時に、初めて自分でアポイントを取って、一人で営業に行って、契約が取れた時は、ものすごく嬉しかったことを、今でも鮮明に覚えています。
7.初めて契約できるまでにやった事
営業未経験だった私が、初めて契約が取れるまでにやったことは、次の3つのことです。
1.訪問先を徹底的に調べる
2.台本を用意する
3.ひたすらイメトレ
それぞれ解説します。
7-1.訪問先を徹底的に調べる
アポイントが取れてから実際に商談をするまでに、ある程度の日数があります。その期間、ただボーッとしているだけではなく、徹底的にアポイント先のことを調べました。
いつオープンなのか、開業して何年なのか、オーナーの名前、価格帯などなど、直接お話しする前に、事前準備として調べられるだけの情報は頭の中に入れておきました。
これをやると、営業中の話がスムーズに運ぶというメリットと、相手に対して「よく調べているな」という印象を与える事ができます。
実際、私はこの最初のお客さんにとっても気に入ってもらえ、後々「めちゃくちゃ情報を知っているから信頼できた」という言葉をかけてもらう事ができました。
7-2.台本を用意する
営業初心者におすすめなのが、事前にどんな会話をするか、台本を用意しておくというものです。
相手がいる事なので、必ずしも台本通りにいく訳ではもちろんありません。しかし、台本を用意しておく事で、何を伝える事で相手にメリット・デメリットを理解してもらえるのか、自分の中でちゃんと整理ができるようになります。
慣れてくれば、台本を用意し、会話に合わせて追加したり省いたりする事もできるようになりますが、慣れるまでは緊張もあるので、無理やり台本通りに話そうとしてしまいます。
でも、私は、台本が無いよりもあった方がいいと思います。緊張していると、ついつい話す内容が飛んでしまいますが、台本があると安心できますから。
7-3.ひたすらイメトレ
ここまでの情報を仕入れたら、あとはひたすらイメトレです。先輩にお願いして、ロープレをやってもいいでしょう。
営業初心者が契約を取れない理由に、「初心者だから」という気持ちがあることは否定できません。私も、こういう気持ちで客先に訪問していた時は、全く契約が取れませんでした。
お客さんにとっては、初心者かどうかは関係ありません。逆に、初心者なりに、自分で考えて、必死にやった事が好印象に映ったりすることもあります。
訪問先を調べて、台本を用意したら、あとはお客さんが前にいるつもりでイメトレを行う。これで本番に挑むと、緊張はしますが意外と堂々と話す事ができました。
8.まとめ
私が雑誌編集から広告の企画営業へキャリアチェンジした経験をお伝えさせていただきました。
今回紹介したキャリアチェンジはほんの一部なのですが、営業を経験した事で私が感じたことは、営業には「向き・不向き」は当然あります。
しかし、営業ができない人はいないという考えです。
本文でも触れましたが、営業は「毎日同じことをコツコツと繰り返す」お仕事です。
職種柄、どうしても数字という結果を見られる事が多いのですが、結果は日々の行動からしか生み出せません。
なかなか成果が出ない時も、実力以上の結果が出た時も、変わらず毎日同じことを続けられる人が、営業に向いているのだと私は考えています。
そしてこのマインドは、起業家・経営者も同じです。将来起業を目指すのであれば、早めに営業を経験する事を、私はおすすめします。