最近ビジネスで動画を活用する会社が増えてきています。これまでは制作するのに莫大な金額がかかってしまいましたが、費用をかけずに動画を制作できるようになったのが1つの要因です。身近になったことで企業の広報やマーケティング担当者は動画について学ばざるを得なくなりました。担当者が携わる可能性があるのがディレクション業務です。そのため本記事では動画のディレクションのポイントについて紹介します。ディレクションとはという基本的なところから解説していますのではじめての方でも安心して読み進められます。ぜひ最後までご覧ください。
コロナの影響により動画が必須に
まず大きな視点からみていきます。広告費という観点からみると2019年にテレビよりもインターネット広告の方が大きな市場規模に転換してしまいました。そのインターネット広告の中で一番伸び率が高いのが動画広告です。新型コロナウイルス以前から動画は重要なビジネスのツールとなっていました。
しかし動画活用にさらに拍車をかけたのが新型コロナウイルスの拡大です。コロナの影響で全ての物事をオンライン上で完結させる動きが広がりました。例えば印鑑です。クラウド上で書類の完結ができなく、印鑑を押すためにわざわざ出社するサラリーマンが話題になりました。つい数ヶ月前まではこのようなことが訪れるとは誰しもが想像していなかったでしょう。
そしてオンラインのやりとりで一番輝くツールは動画になるでしょう。動画は五感を刺激されるため記憶の定着率も高いです。一方でテキストや静止画の場合は視覚しか刺激されないので頭に残りづらいです。テキストよりも約2倍、動画の方が記憶に残っているというデータがあります。つまり動画を活用することで、クライアントに対してこれまでの2倍認知を高められると考えると、導入しない手はないでしょう。
ディレクションとは
では動画の重要性も理解したところで、動画を制作する上でのポイントを抑えていきましょう。動画制作にはディレクションが必要です。ディレクションとは制作を指揮することです。動画制作の進捗を確認したり方向性が間違っていたりしないかとすり合わせをする業務になります。進行管理役のため直接動画のクリエイティブの業務をやるわけではありません。そのため特別なスキルや資格等は必要ありません。しかしクリエイティブの部分も把握しておくことで信頼されるディレクターになるでしょう。
一般的に動画制作を外注する場合はディレクション業務に関しても依頼した企業がやってくれます。実際外部に任せてもいいのですが、意図したことが伝わらなかった場合は1から作り直しということも起こりうるので、ゆくゆくはディレクションまで自社で出来るようになっていると制作も円滑にすすむでしょう。
動画の制作に必要なリソース
動画制作に割かれるリソースを正しく理解していないとディレクションはおろか、全ての計画がおかしくなってしまいます。動画制作に必要なことや仕組みを理解しましょう。
一連の流れ
まず動画制作の一通りの流れからみていきましょう。「企画・構成」→「撮影」→「編集」→「修正」→「納品」これが大まかな作り方の流れです。ディレクションはこの全ての業務に絡みます。そして難しい点はそれぞれの業務で担当者が違うこともあることです。撮影する人と編集する人が違う場合はそれぞれの性格も理解していないと良い作品は作れないでしょう。そのため仲介役として思惑がずれている場合は適宜修正をかける必要があります。
費用
企業の動画制作担当者の一番頭を悩ます点は費用でしょう。しかし仕組みさえ理解してしまえばなぜそれだけの費用がかかるのか簡単にわかります。費用のポイントは人件費です。動画制作に携わる人が多ければ多いほど費用がかさみます。最近は撮影機材等が非常に安価になってきているので気にすべきところは人件費の部分です。そのため作りたい動画に対して不必要に人材を割かれている場合は見直す必要があります。
一般的に企業が作る動画の場合、「編集&カメラマン」、「アシスタントカメラマン」、「ディレクター」が必要になります。そこに特別な編集を加えるようであれば、デザインを担当するデザイナーやアニメーションのイラストを担当するイラストレーターがアサインされますが、その程度です。その他に人件費がかかっているところがあるとすれば、一度制作会社に確認してみることをおすすめします。
ディレクションのポイント
次にディレクションのポイントについて紹介します。担当者が大きく関わるところとしては企画・構成を作成する部分です。
企画・構成
企画・構成のポイントとしては目的とターゲティングです。ここは必須で抑えましょう。まずは目的です。目的とはなんのために動画を制作しているかを明確にすることです。その動画を視聴したユーザーにどのような行動を起こしてほしいかまで想像できていればなおいいでしょう。また、目的の先にKPIを設定することで客観的に動画の良し悪しを見ることができます。次にターゲティングです。これはそのままの意味でどのユーザー層に動画をみてほしいかということを明確にすることです。
この2つを明確にしておく理由は軸をブレさせないためです。制作しているとどうしてもクリエイティブの方に軸足がいってしまいます。その場で良い映像や表現が取れたからとその演出を使いたいと言いだすクリエイターが必ずでてきます。ディレクションを任されている担当者ならそれを冷静に判断する必要があります。そこで重要なのが最初に決めた目的とターゲットです。制作された映像は今回のコンセプトに合うのか一度考えてみて下さい。後々問題が起きないためにも最初の軸はしっかり話し合い決めましょう。
進行をスムーズにする方法
全体の進行をスムーズにするための方法を紹介します。ポイントは具体的にかつ形に残すということです。人それぞれ思い描いている絵は違うので抽象的に伝えないようにしましょう。似たようなコンセプトの動画を例に出してあげると全体の認識のずれもなくなります。
また決定事項に関してはメールや議事録で共有しましょう。当たり前のようですが、ときおり決定事項を把握していないケースが出てきます。言った、言っていないといった水掛け論が一番時間の無駄になりますので共有や連絡は徹底して行いましょう。クリエイティブに携わる方はインスピレーションがよくはたらくのでその場の勢いで思い付くことも多いです。抜け漏れなくメモを残し、立ち止まったときは、都度振り返ることでスムーズな進行ができます。
修正時
編集における修正時のポイントはできるだけ1回で済むようにすることです。修正点が多かったとしても最初の1回でまとめて出し切りましょう。スケジュール通りに進まない理由として修正回数が多いというのがあります。何度も修正を繰り返すと何が正解かもわからなくなってきます。理想は1回目に修正をだし、2回目では微修正を出して納品という流れです。もし最初の段階で修正点が少ない場合はしっかり動画を確認できていない可能性があるのでヒアリングしてみましょう。
まとめ
広告代理店以外の企業の動画担当者は基本的にディレクションまで担当することはないでしょう。しかしディレクション業務まで理解しておくことで、スムーズな動画制作の手助けができます。またディレクションも動画制作の費用に含まれる項目なので、できるようになるとより安い料金で動画制作できるようになります。