• 2020/05/26
  • 連載企画
  • キャリアチェンジ体験記

システムエンジニアから小学校教員へ。キャリアの180°転換【キャリアチェンジ体験記】

  • マーキャリ 編集部
article-image

【キャリアチェンジ体験記とは】
働き方改革が施行されたことにより、会社の体制や制度が変わったなんて人も多いと思います。企業も個人も今まで以上にビジネスマンのキャリア展望に目が向けられている中、マーキャリ会員によるキャリアチェンジに伴った体験談をシリーズものとして連載していくのが本企画です。

今まさに自身の今後のビジネスライフに向けて働き方を変える動きをしている方もまだキャリアプランが漠然としている方も参考になる内容になっておりますので是非ご覧ください。

今回の記事投稿者:山下さん
⇒山下さんのバイオグラフィはこちらをクリック

自己紹介

はじめまして、現在フリーランスとして活動している山下です。私は大学卒業後、システムエンジニアとして民間企業に就職し、その後小学校教員に転職したという経験があります。今回は、この経験から得た知見をお伝えしていければと思います。

キャリアチェンジの流れ

大学は農学部に所属していましたが、自分の研究分野にもさほど興味があるわけでもなく、将来何の仕事をしていこうかという想いも全くありませんでした。そのような感じで就職活動の時期を迎えてしまい、なんとなく「システムエンジニアかっこいいな」という、今振り返ると本当に浅はかな考えでIT企業を中心に就職活動を行いました。そこで運よく大手IT企業から内定をいただくことができ、新卒から5年間システムエンジニアとしてシステム開発を行ってきました。

そこから、さまざまな巡り合わせがあり、小学校教員を目指すことになりました。しかし、理系学部卒業のわたしには小学校教員免許がありませんでした。そこで、インターネットで教員免許の取得方法を調べてみると、通信制大学でも教員免許が取得できるとありました。まさか通信制大学で教員免許が取れるとは思ってもいなかったので驚きましたが、詳しく調べてみるとサラリーマンをしながらでも頑張れば免許取得できそうでしたので、さっそく入学しました。入学してからはサラリーマンと学生という二足のわらじを履きながら必死に勉強し、当初目標にしていた最短一年で教員免許を取得することができました。

また、通信制大学に通っているときに、教員採用試験も受験し合格していたので、免許取得と同時に晴れて小学校教員に採用されました。そこから8年間、小学校で子供たちの担任として仕事をしてきました。

なぜシステムエンジニアから小学校教員を目指したのか

なぜ、わたしがシステムエンジニアから全く異業種の小学校教員を目指したのかということについてお話ししたいと思います。システムエンジニア時代には、大規模な金融システムの開発プロジェクトの一員として仕事をしていました。そこでは何百人というエンジニアが参画し一緒に働いていて、何年かかけてシステム開発を行っていました。

しかし、大規模なプロジェクトであればあるほど、自分のやった仕事がどのように人に影響を与えているのか、はっきりと思い描くことができず、あまり達成感を感じることができませんでした。組織の歯車の一部といった感じでしょうか。そうではなく、自分のやった仕事がダイレクトに人に影響を与えて変化が見られるような仕事がしたいなと思うようになりました。そこで、いろいろと仕事を探していた時に小学校教員という仕事が目につきキャリアチェンジを考えるようになりました。

システムエンジニアの経験を生かすことができた教員生活

システムエンジニア時代には、パソコン相手に仕事をもくもくとこなすことが多かったのですが、小学校教員になってからは子供たちの前に立って、一日中しゃべるという生活になり、仕事のスタイルが180度変わりました。システムエンジニアと小学校教員では、全く仕事内容が異なるので大変だったのではと思われるかもしれません。しかし、私の場合、システムエンジニア時代の経験がとても生きました。それは、システムエンジニア時代に培った論理的思考能力です。

システムエンジニアとして、プログラミングを行うことが多かったのですが、その際にどうやればクライアント様の問題をシステムで解決することができるのか、またできるだけ少ないステップで効率的に解決するにはどうすればいいのかというようなことを常に考えなければいけませんでした。システムでは、効率よく無駄のないステップで開発を行っていかないと、いろいろなところにひずみが出てきてしまうからです。

日々、このような思考で仕事をしていたおかげで、論理的に物事を捉えて処理する思考能力を得ることができたと考えています。そして、この能力が小学校教員でも大いに役立つことになりました。

小学校教員の一番のメインは何といっても授業です。授業をして子供たちの知的成長を促すことが一番の仕事になります。小学校教員になる前は、授業は教科書通り進めればいいだけでしょくらいにしか考えていませんでした。しかし、1コマ45分の授業の中で、授業の流れを考え、どのタイミングでどのような質問をして子供の思考を促すかなど、子供の成長を得るための仕組みをたくさん使う必要がありました。

そこで、役立ったのがシステムエンジニア時代に得た論理的思考能力です。子供に伝えたい知識があり、それを伝えるためにはどういう流れで1コマ45分の授業を構築すればよいのか、事前にしっかり準備する必要があり、これはまさにクライアント様の問題を解決するプログラミングと同じ思考過程だったのです。子供は反応が良くも悪くも素直なので、授業準備で設計した流れがうまくはまれば子供たちからとても良い反応が返ってきて、授業をやっていて楽しいのですが、授業設計が失敗していると子供たちもどこかつまらなそうに授業を受けていて、なんだかとても申し訳なく思ったこともありました。

キャリアチェンジで最初に戸惑ったこと

システムエンジニアから小学校教員に転職して、最初に一番戸惑いを感じたのは、仕事環境の違いです。システムエンジニア時代は、最新の情報機器を駆使し作業をすることが多く、当然仕事はパソコンを使って行っていました。

しかし、小学校教員になって一番驚いたのはパソコンが1人1台無かったということです。今では1人1台パソコンがありますが、私が転職した10年前は職員室にパソコンが2台しかなく、30人くらいいる職員が交代で2台のパソコンを使用していました。小学校教員は基本的に教材も画用紙を切ったり貼ったりして作ったり、手書きで作ったりすることが多く、それには最初とても戸惑ったのを覚えています。

パソコンでさっと作ってしまえば簡単なのにと思いながら、当時画用紙を切ったりしていたのを懐かしく思い出します。

キャリアチェンジを迷っている方へ

 今、キャリアチェンジをしようか迷っている方も多いと思います。時代の変化とともに様々な職種や働き方がある世の中なので、自分のやるべき仕事を他にあるんじゃないかなどいろいろと考えることもあると思います。私はそのような方に、迷っているならぜひチャレンジしてほしいと思っています。

私自身、システムエンジニアの仕事にやりがいを見出すことができずに小学校教員に転職しましたが、転職当時は周りの人から大反対されたのを覚えています。あまりにも関連性のない転職であることもあったのですが、自分の身の周りの9割方の人から反対されたのではないでしょうか。しかし、私は転職してよかったと胸を張って言うことができます。あの時に、周りの言うことを聞いて転職を思いとどまっていたらどうなっていたのかと考えるとぞっとします。

あの当時、働きながら通信制大学に通ってきついことも多かったのですが、それを乗り越えて転職したことでやりがいのある仕事に就くことができました。迷っているだけでは何もわかりません。周りの意見が正しいとは限りません。ならば、思い切って行動することが一番いいのではないかと思っています。ぜひ、これを読んでくださった方が良いキャリアチェンジを実現することを願っています。

「マーキャリNEXT CAREER」無料キャリア相談実施中

マーケタースキル診断公開中!!

関連記事

検索条件を変更する

フリーワード

記事カテゴリ
タグ