• 2020/05/21
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スウェーデンのコロナ対策、集団免疫とは? 諸外国のコロナ対策も解説

  • マーキャリ 編集部
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新型コロナウイルスに対する世界の対応はバラバラです。まだコロナ対策の正解を見つけられていないため試行錯誤しながら取り組んでいる国がほとんどです。そんな中注目を浴びているのがスウェーデンの集団免疫という施策です。集団免疫という施策はスウェーデン以外で取り組んでいる国は他にありません。本記事ではスウェーデンが具体的にどのような対策を行っているのか、また他の国のコロナ対策についても紹介します。

一般的なコロナウイルス対策

多くの国々が取り入れている新型コロナウイルス対策はロックダウンと休業補償です。人の移動を制限し、制限する代わりに国が補償する仕組みです。ヨーロッパやアメリカ、中国等で取り入れられています。中国ではこれにより感染拡大がおさまり、ロックダウンの解除にまで至っています。他の国々でも徐々に効果が見えはじめ、経済活動再開の時期を伺っています。

スウェーデンの集団免疫とは

ではスウェーデンの集団免疫とはどのような施策なのか紹介します。 

集団免疫とは

集団免疫とはウイルスにかかり集団で免疫を持つことで感染の拡大が収まるという考え方です。感染拡大を防ぐには人口の約70%の人が免疫を持つことで伝染がしなくなると言われています。実際過去にあったSARSというウイルスでは治療薬がいまだ完成していません。しかし流行は収まっています。収まった理由は諸説あるようですが、1つの理由として集団で免疫と持ったことにより感染が拡大しなくなったとも言われています。 

メリット

集団免疫にはメリット・デメリットがあります。まずメリットから紹介します。集団免疫はウイルス感染の第2波を防ぐことができます。過去に人類を脅かしたウイルスの傾向を調べると、ほとんどの場合で2回以上ウイルスの流行が訪れています。そのためロックダウンの施策では第2波が来た時に再度経済を止めなくてはいけないことになり、国力の大きな低下を招きます。しかし集団免疫で国民の大部分が免疫を獲得していると第2波が来たとしても経済活動を止めることなく通常通りの生活ができます 

デメリット

デメリットは犠牲が伴うということです。集団免疫では一度ウイルスに感染する必要があるため、場合によっては命を落とす方がいます。そしてウイルスが脅威であればあるほどその数は増加します。そのためウイルスの力を見誤ると集団免疫どころの話ではなくなってしまいます。


このように集団免疫にもメリット・デメリットはあり一概によいとは言い切れません。しかし集団免疫を活用することで過去には流行を止めることができた実例があるのでスウェーデンでは採用するに至りました。 

スウェーデンの現状

集団免疫を取り入れているスウェーデンは日々どのような生活を送っているのかみてみましょう。 

教育

高校や大学は閉鎖されているようですが、日本でいう中学校や小学校においては学校への登校がいまだに義務付けられています。コロナの場合は高齢者での感染者数が多いということもあり、学校でクラスター等が発生した事例は少ないようです 

レストランや美容院

政府が発行しているガイドラインに従っていれば営業しても問題ないです。ガイドラインとは50人以上が集まらないようにするというようなことです。しかしそれさえ守れていれば通常営業してよく、実際に人の混み具合も普段と変わらないです。 

日常生活

マスク等もしていません。元々欧米諸国はマスクをする習慣がありませんが、新型コロナウイルスに限ってはマスクを着用する方も多く見受けられます。しかしスウェーデンの場合はそこの配慮もありません。免疫を持つことが目的なのでどんな人でもマスクをしていないようです。 

リスク

しかしこれにより被害者も数多く出ています。他の北欧諸国と比べてもスウェーデンの新型コロナウイルスでの死亡者数は約5倍になります。やはりスウェーデンでも高齢者の死者数が多いようです。今回の新型コロナウイルスに至っては集団免疫が通用しなかった可能性があります。まだ新型コロナウイルスが発生してから5か月しか経っていないので今後の動向に注目です。 

日本での集団免疫に対する評価は

集団免疫にはメリット・デメリットがあることがわかりました。では日本において集団免疫はどのように評価されているのかをみていきます。集団免疫はある種日本の自粛と似ているという意見があります。理由は個人の裁量に任せている点です。日本の場合もロックダウンのように外出により厳しい罰則等はありませんが、それぞれが3密を心がけた行動をしましょうという号令の下動いてきました。そしてスウェーデンも個人の自由を尊重しているがゆえに、集団免疫をいう施策をしています。集団の行動を避けることや高齢者との接触を避ける等はしているようです。


また現時点では長期的な評価を加味すると成功しているという意見もあります。理由は医療崩壊していないからです。日本は自粛を心がけてはいるものの、医療崩壊も一歩手前まできています。しかしスウェーデンの場合は医療システムが崩壊していないかつ、ストックホルムでは約20%の人口がすでに免疫を手にしているとの情報もあります。


つまり将来的に新型コロナウイルスの第2波が来たとしても、スウェーデンは耐えられる可能性があるということです。日本としての評価は、スウェーデンは集団免疫の目的を達成しつつあるということです。

世界のコロナウイルス対策

スウェーデン以外にも新型コロナウイルスの対策でロックダウン以外の施策をしている国があります。韓国と台湾です。両国ともにITと法制化を駆使することで新型コロナウイルスの抑え込みに成功しています。今回は台湾の施策について紹介します。 

台湾

台湾が行った対策の1つは体温検知システムの導入です。駅内に赤外線探知機による体温検知システムを置きます。そして37.5度以上の体温が探知されると駅員につかまります。改めて体温計で体温を測定し発熱が確認された場合は電車の利用ができなくなります。いち早くITを駆使することで感染拡大を防止しました。


法制化という点ではマスクの着用義務です。公共交通機関利用中にマスクを着用していなかった場合は5万円以下の罰金が課せられる法律ができました。またマスクを実名制にすることで国民が2週間で9枚購入できるようになり、全員に行き渡りました。マスクの徹底をすることで無症状者からの感染リスクを抑えクラスターが発生するのを防いだと評価されています。


このように台湾では政府の迅速な対応により、新型コロナウイルスの感染者数が約400名だけで済んでいるという驚異の結果を出しています。台湾のように国の方針だけで新型コロナウイルスを抑えられているというのは稀な事例です。

まとめ

スウェーデンの集団免疫が今後も着実に成果を残すことは、世界のウイルスとの戦い方にとって大きな進歩といえるでしょう。今後のスウェーデンのニュースは定期的にチェックしてみて下さい。

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