この数年、第二新卒に対する転職市場が活発になっていますが、この動きは大手企業だけでなく多くの会社も第二新卒の人材を求めています。しかし、第二新卒の転職活動と新卒時とでは企業から求められる条件が異なってきます。そのため、採用に応募する時の書類の書き方や面接時の自己PRで押さえるべきポイントも違ってきます。そこで、本記事では求人募集している企業が第二新卒の人達にどんなことを求めているのかを理解してもらい、採用担当者にしっかりと認識される自己PRの仕方を説明していきます。
第二新卒は新卒とは立場が違う
まずは、転職者の求人を行っている企業が「第二新卒」に対して、どのようなことを期待しているのか、正しく理解しておくことが必要です。そうすることによって、新卒の時の就職活動とは企業が見ているポイントが違うことが分かるので、採用されやすい自己PRができるようになります。第二新卒には、しっかりとした定義はない
「第二新卒」とは一般的に「新卒で企業等に入社してから1年〜3年以内に離職して転職を考えている人」という解釈をされます。年齢的には25歳〜26歳前後を指していることが多いのですが、実は明確な定義はありません。企業の解釈もバラバラで、高卒で社会人経験を6、7年持っている人でも、「第二新卒枠」で企業に採用されたケースがあったり、大学卒業後、30歳近くになっている人でも、「第二新卒」と扱われた人がいます。ただ、共通して言えることが、「新卒」の人と比べて「短期間でありながら社会に出た経験を持っている」ということです。「第二新卒」の基準が企業によってマチマチでも、社会に出て実際に働いた期間が短いだけ、実績が少なく、どのように評価されるか難しいところですが、全く就業経験のない新卒の人達と比べると、それなりの社会経験をしていることを自己PRすることは可能です。
即戦力と新たな社風に溶け込んでいけるのが鍵
僅かながらにも社会経験を持っているために、「第二新卒」として転職活動で自己PRすることができますが、新卒と同じように「ヤル気」や「熱意」だけでは、十分に採用担当者に評価されるとは言えません。大きな実績がないものの、1〜3年社会人としての現場経験を持ち、ビジネスで求められる基本的なマナーや常識を学んで実践してきているので、新卒と比較すると、就業後、そのまま即戦力として扱える点が企業の最大の評価ポイントになってきます。また、前職の慣習に染まっていないので、その会社の社風に馴染みやすいということも第二新卒者の高い評価になっています。第二新卒の自己PRのポイント
ここで、「第二新卒」に当てはまる人は自己PRのポイントをしっかりと押さえて理解しておく必要があります。中には「1、2年で前の会社を辞めてしまったことがマイナスポイントして見られ、転職でも採用してもらえないかもしれない」と不安に思う第二新卒の人も少なくないでしょう。しかし、今は、実は第二新卒の人にとっては、転職市場は追い風状態で、中途採用だけでなく、第二新卒の人の採用・受入れを行っている企業が増えているのです。企業が「第二新卒」を求める理由は、定期採用の新卒の人が短い間に退職してしまったり、少子化による慢性的な人員不足に悩まされているからです。第二新卒は既に前の会社で基本的なビジネスマナーを学び、それを現場で実践してきたので、ビジネスマナーがしっかりと備わっています。そのおかげで新卒のように新人教育を行う必要がなく、新卒に比べて人材教育にかかるコストや時間が少なくで済むわけです。
そのようなことから、「第二新卒」の人が自己PRするには、社会に出て2~3年の若い新鮮な姿勢と熱く前向きな意欲が高いことをしっかり前面に押し出してアピールすることが基本です。転職先がそれまで経験した業種や職種でなくても、25、26歳の若いパワーと仕事に対しする前向きな姿勢を自己PRできれば、まずは第二新卒の採用担当者の第一段階の評価はパスすることができるでしょう。
第二新卒ならではのアピールポイントを整理しよう
ただ、「ヤル気」と「熱意」は、第二新卒者であれば、誰でも持っていることです。したがって、数多くいる第二新卒の中から勝ち抜くためには、書類選考の段階で「社会経験を持っていること」の他に「将来性が期待できること」もしっかりとアピールできるような自己PRに作り上げておくことが重要です。第二新卒の自己PRの書類の書き方ポイント
第二新卒者が書類選考でいかに求人企業の採用担当者の目に止まるか、自己PRの書き方にもノウハウがあることを知っておきましょう。自己PRで一番大切なことは、仕事に対して、自分がどのようなことを大切に考えているか、特にこだわっている点や自分の強みを強調してPRすることです。そして、そのこだわりを客観的な形で裏付けられる具体的な行動の事例を交え、どのような行動がどのような成果に結び付いたのかも明記すると、さらに説得力が高まってきます。「第二新卒」は、この自己PRの書き方で、業務上、大切にしている考え方や、こだわり、自分の強みを整理して「仕事の信条」として、まとめておくと、第二新卒の求人のハードルがかなり低くなってきます。「ヤル気」、「熱意」が特徴の第二新卒でも、前職でアピールする成果が少なくて、自己PRに苦しむ人も少なくありませんが、仕事に対する信条やそれを証明する行動は、PRしやすい項目です。しかも、そのような観点で自己PRすることで、「前向きな姿勢で仕事に臨んでくれて、将来性も期待できる」と、高い確率で採用担当者に認識されることになります。